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第3章 魔法使いの弟子
第37話 新しいことを始めるのは大変です
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リーナは光の魔法が使えるようになったのが相当嬉しかったのでしょう。
先程のアリィシャ同様に、指先に光を灯したり消したりを繰り返しています。
五歳児のアリィシャちゃんと十五歳のリーナの反応が同じなのが笑ってしまいます。
そんなふうに思いながら私がリーナを微笑ましく眺めていると、リーナは私の視線に気付いたようです。
「ごめんね、ロッテ。
嬉しくって、つい、年甲斐も無くはしゃいでしまいましたわ。」
「喜ぶのは良いけど、決して人前では使わないでよ。
リーナは聖教徒なんだから、魔法を使うのを知られたら異端視されるわよ。」
「ロッテは心配性ね。
大丈夫よ、夜トイレに行く時しか使わないから。
私の館の廊下って夜中は真っ暗なのよ。
薄暗いランプをぶら下げて長い廊下を歩くのは本当に心細かったの。」
いまいち信用できない言葉ですが、迂闊に魔法は使わないと信じましょう。
リーナもミシェル神父という話しの通じないイカレた異端審問官を目にしています。
婦女子であろうと問答無用で斬りかかってくるあの連中の恐ろしさはわかっているでしょうから。
「そういえば、ロッテは言っていたわよね。
魔法は書物に書き記されているから、文字読み書きの修得から始めるって。
もうアリィシャちゃんは文字の読み書きの勉強を始めているの。」
「ええ、十日くらい前から教え始めたわ。
文字は間違えないで書けるようになったし、単語も身の回りのモノの名前は読めるし、間違えずに綴れるようになったわ。
今は、絵本を読み聞かせながら、文章に慣れさせているところ。」
「あら、すごいのね。十日でそこまで出来るようになったの?
どうやって、教えたのかしら?」
私はテーブルの隅においてあった石版と滑石の棒をリーナの前に置きました。
「子供に文字を覚えさせるには、間違えなくなるまで何度でも書いて覚えるのが一番よ。
そのための道具がこれ、これなら何度でも書いては消すことが出来るから便利よ。」
私は黒い石版に滑石で白い文字を書いてみせ、ボロ布でそれを消しました。
「これは良いわね。貴重な紙を使わなくても文字の練習を繰り返すことが出来るわ。」
「ええ、良いでしょう。
それで、身の回りのモノの名前の綴りも、何度も繰り返し書いて覚えさせるの。
でも、子供ってすぐに飽きてしまうでしょう。
だからね、平行して絵本の読み聞かせをしているの。
絵本に興味を持ってもらえばしめたものよ。
自分から解らない単語の意味を聞いてくるし、文章も理解しようと努力するの。
アリィシャちゃんは中々優秀よ、少しずつだけど絵本の文を理解できるようになっているもの。」
「絵本ってどんなものをアリィシャちゃんに読み聞かせているの?」
「今はこれかな。絵本も同じものばかりでは飽きてしまうから。
アリィシャちゃんの反応を身ながら、飽き始めたと感じたら別の本に変えているのよ。」
私がテーブルの隅においてあった絵本を手渡すと、リーナはそれを見てなにやら思案しているようです。
「この絵本、かなり上質なものよね。かなり高価なものだわ。
別の本に変えるって、そんなにたくさん絵本があるの?」
「そうね、リーナにも我が家の蔵書を見せてあげましょうか。」
私はリーナに書庫を見せることにしました。
「すごい、ここのある棚全部に本が詰まっているの。
王宮の書庫に負けないくらいの本があるわ……。」
書庫へ案内するとリーナが蔵書の多さに圧倒されていました。
ええ、ここは一応我が国の王宮の書庫ですので……。
「ここに収められている蔵書の大半は魔法書だけど、それ以外の本もそれなりに揃っているわ。
周辺国の地誌や歴史に関する本は充実しているわよ。
それで、アリィシャちゃんの教材に使っている絵本はこっちよ。」
私はリーナを絵本を収めた本棚に案内しました。
「これが全部子供向けの絵本ですの?いったい、何冊くらいあるですか?」
「数えたことが無いから正確にはわからないけど、二百冊以上はあるのではないかしら。」
「これだけあれば、アリィシャちゃんを飽きさせることはないでしょうね。」
「ええ、そう思っているわ。
もう少し学習が進んだら、アリィシャちゃんにはここにある絵本を自由に読ませるつもりなの。
ここにある絵本を全部読み終える頃には読み書きはかなり堪能になっていると思うわ。」
「アリィシャちゃんの飲み込みが早いのも納得ですわ。
子供を飽きさせずに読み書きに興味を持たせる教材が充実していますもの。
でもね…。」
リーナはわたしの説明に感心する一方で、深いため息をついたのです。
**********
リビングに戻り、お茶を飲みながらリーナが先程のため息の理由を教えてくれました。
「ロッテがアリィシャちゃんに施している読み書きの指導は、ロッテ自身が幼いころにお母様から受けた指導よね。
一対一で指導するなら、すごく良い指導方法だと思うの。
でも、文字を追いながら絵本を読み聞かせるなんて、大人数を指導するには向かないわ。」
リーナは多くの子供たちに読み書きを教える方策を検討していたようなのです。
リーナはズーリックの大聖堂の前で出会った女性のことで気に病んでいたとのことでした。
家庭の事情で僅か十二歳で娼館に売りに出された少女、借金が帳消しになっても娼館に戻るしか仕事のアテがないと言う事実にショックを受けたようです。
クラーシュバルツ王国の子供達に仕事を選ぶ機会を与えるためにはどうしたら良いかを考えていたとのことでした。
せめて子供達みんなが読み書き計算が出来るようになれば、仕事に就く上で選択の幅が広がるではないかと考えたそうです。
今日はその話をしにきた訳ではないようですが、アリィシャちゃんが読み書きの勉強を始めたと聞いて興味をもったようです。
私はアリィシャちゃんを膝に乗せて、絵本の読んでいる部分を指で追いながら読み聞かせをしています。たしかに、その方法は多くの子供を一度に指導するには向かないと思います。
「子供に絵本を与えて、文章を読むことに興味を持ってもらうのは良いことだと思う。
でもね、本は高価なものだわ。
みんなで回し読みするにしても、一定の数を揃えるのにはそれなりの予算が必要だわ。」
リーナも少しは領主としての自覚が出てきたのでしょうか。
感情が先行してやりたいではなく、一応予算のことまで配慮しているようです。
たしかに、領民の子供たち全員に読み書きを教えるための教材として高価な絵本を揃えるのは難しいと思います。
「子供たちが退屈するかもしれないけど、文字を書いて覚えさせることだけでも始めて見るかしら。
ねえ、ロッテ、さっき見せてもらった石版と白い棒、あれって何処へ行けば手に入るのかしら。」
「ああ、あれ。あれはノミーちゃんに作ってもらったの。
大地の精霊ノミーちゃんは石材加工が得意なのよ。
あれって売っているのかしら?
私が幼いころに使っていた物も母の契約精霊が作ってくれた物だと思うわ。」
私の答えを聞いてリーナは脱力してしまいました。
「おかしいと思ったのよ。
ただの石版なのにきちんと正方形になっているし、表面もでここぼこしていないで平らだわ。
こんな便利な物があるのなら、今まで何処かで目にしても良さそうなものだものね。
注文で作るとなると、こんなものでも結構な出費になるわね。
でも、貴重な紙を使うよりは安上がりかしら?
その辺りのことも館に仕える者に相談してみないといけないわね。」
たくさんの子供に読み書きを教えるためには教材を揃えるのも大変そうです。
もちろん、予算が潤沢でお金を湯水のように使えれば、問題は解決します。
クラーシュバルツ王国でも子供達を集めて教育を施している学校があるのです。
それは、王都にある貴族の子弟向けの学校です。
そこでは教師が教科書に基づいて授業を進め、要点を解説したり、補足したりしているのです。
もちろん、生徒である貴族の子弟は、紙とペンを用いて授業の内容を書き留めていきます。
大変高価な教科書を使い、これまた高価な紙やインクを消費します。
更には高い授業料も必要ですので、貴族の学校に通うのに要する出費は大変なものだそうです。
このため、資金的な制約から貴族以外の者が一定水準の教育を受けることが難しいのが実情なのです。
一般国民に安価で教育を施すことは相当な困難を伴いそうです。
「ところで、リーナ、あなたはどの位の人数の子供たちに読み書き計算を教えようと考えているの?
対象の年齢は幾つくらいの子供?
そもそも、リーナの領地シューネフルトには何人くらいの子供がいるの?」
「えっ?」
『えっ?』、じゃないでしょう。
そもそもそれがはっきりしていないと計画の組みようがないではないですか。
リーナがやりたいと思っていることを実行に移すのはまだ先のことになりそうです……。
**********
お読みいただき有り難うございます。
今日も20時にもう1話投稿いたします。
引き続きお読み頂けたら幸いです。
*お願い
9月1日から始まりましたアルファポリスの第13回ファンタジー小説大賞にこの作品をエントリーしています。
応援してくださる方がいらっしゃいましたら、本作品に投票して頂けるととても嬉しいです。
ぶしつけにこのようなお願いをして恐縮ですが、よろしくお願いします。
投票は、PCの方は表題ページの左上、「作品の情報」の上の『黄色いボタン』です。
スマホアプリの方は表題ページの「しおりから読む」の上の『オレンジ色のボタン』です。
先程のアリィシャ同様に、指先に光を灯したり消したりを繰り返しています。
五歳児のアリィシャちゃんと十五歳のリーナの反応が同じなのが笑ってしまいます。
そんなふうに思いながら私がリーナを微笑ましく眺めていると、リーナは私の視線に気付いたようです。
「ごめんね、ロッテ。
嬉しくって、つい、年甲斐も無くはしゃいでしまいましたわ。」
「喜ぶのは良いけど、決して人前では使わないでよ。
リーナは聖教徒なんだから、魔法を使うのを知られたら異端視されるわよ。」
「ロッテは心配性ね。
大丈夫よ、夜トイレに行く時しか使わないから。
私の館の廊下って夜中は真っ暗なのよ。
薄暗いランプをぶら下げて長い廊下を歩くのは本当に心細かったの。」
いまいち信用できない言葉ですが、迂闊に魔法は使わないと信じましょう。
リーナもミシェル神父という話しの通じないイカレた異端審問官を目にしています。
婦女子であろうと問答無用で斬りかかってくるあの連中の恐ろしさはわかっているでしょうから。
「そういえば、ロッテは言っていたわよね。
魔法は書物に書き記されているから、文字読み書きの修得から始めるって。
もうアリィシャちゃんは文字の読み書きの勉強を始めているの。」
「ええ、十日くらい前から教え始めたわ。
文字は間違えないで書けるようになったし、単語も身の回りのモノの名前は読めるし、間違えずに綴れるようになったわ。
今は、絵本を読み聞かせながら、文章に慣れさせているところ。」
「あら、すごいのね。十日でそこまで出来るようになったの?
どうやって、教えたのかしら?」
私はテーブルの隅においてあった石版と滑石の棒をリーナの前に置きました。
「子供に文字を覚えさせるには、間違えなくなるまで何度でも書いて覚えるのが一番よ。
そのための道具がこれ、これなら何度でも書いては消すことが出来るから便利よ。」
私は黒い石版に滑石で白い文字を書いてみせ、ボロ布でそれを消しました。
「これは良いわね。貴重な紙を使わなくても文字の練習を繰り返すことが出来るわ。」
「ええ、良いでしょう。
それで、身の回りのモノの名前の綴りも、何度も繰り返し書いて覚えさせるの。
でも、子供ってすぐに飽きてしまうでしょう。
だからね、平行して絵本の読み聞かせをしているの。
絵本に興味を持ってもらえばしめたものよ。
自分から解らない単語の意味を聞いてくるし、文章も理解しようと努力するの。
アリィシャちゃんは中々優秀よ、少しずつだけど絵本の文を理解できるようになっているもの。」
「絵本ってどんなものをアリィシャちゃんに読み聞かせているの?」
「今はこれかな。絵本も同じものばかりでは飽きてしまうから。
アリィシャちゃんの反応を身ながら、飽き始めたと感じたら別の本に変えているのよ。」
私がテーブルの隅においてあった絵本を手渡すと、リーナはそれを見てなにやら思案しているようです。
「この絵本、かなり上質なものよね。かなり高価なものだわ。
別の本に変えるって、そんなにたくさん絵本があるの?」
「そうね、リーナにも我が家の蔵書を見せてあげましょうか。」
私はリーナに書庫を見せることにしました。
「すごい、ここのある棚全部に本が詰まっているの。
王宮の書庫に負けないくらいの本があるわ……。」
書庫へ案内するとリーナが蔵書の多さに圧倒されていました。
ええ、ここは一応我が国の王宮の書庫ですので……。
「ここに収められている蔵書の大半は魔法書だけど、それ以外の本もそれなりに揃っているわ。
周辺国の地誌や歴史に関する本は充実しているわよ。
それで、アリィシャちゃんの教材に使っている絵本はこっちよ。」
私はリーナを絵本を収めた本棚に案内しました。
「これが全部子供向けの絵本ですの?いったい、何冊くらいあるですか?」
「数えたことが無いから正確にはわからないけど、二百冊以上はあるのではないかしら。」
「これだけあれば、アリィシャちゃんを飽きさせることはないでしょうね。」
「ええ、そう思っているわ。
もう少し学習が進んだら、アリィシャちゃんにはここにある絵本を自由に読ませるつもりなの。
ここにある絵本を全部読み終える頃には読み書きはかなり堪能になっていると思うわ。」
「アリィシャちゃんの飲み込みが早いのも納得ですわ。
子供を飽きさせずに読み書きに興味を持たせる教材が充実していますもの。
でもね…。」
リーナはわたしの説明に感心する一方で、深いため息をついたのです。
**********
リビングに戻り、お茶を飲みながらリーナが先程のため息の理由を教えてくれました。
「ロッテがアリィシャちゃんに施している読み書きの指導は、ロッテ自身が幼いころにお母様から受けた指導よね。
一対一で指導するなら、すごく良い指導方法だと思うの。
でも、文字を追いながら絵本を読み聞かせるなんて、大人数を指導するには向かないわ。」
リーナは多くの子供たちに読み書きを教える方策を検討していたようなのです。
リーナはズーリックの大聖堂の前で出会った女性のことで気に病んでいたとのことでした。
家庭の事情で僅か十二歳で娼館に売りに出された少女、借金が帳消しになっても娼館に戻るしか仕事のアテがないと言う事実にショックを受けたようです。
クラーシュバルツ王国の子供達に仕事を選ぶ機会を与えるためにはどうしたら良いかを考えていたとのことでした。
せめて子供達みんなが読み書き計算が出来るようになれば、仕事に就く上で選択の幅が広がるではないかと考えたそうです。
今日はその話をしにきた訳ではないようですが、アリィシャちゃんが読み書きの勉強を始めたと聞いて興味をもったようです。
私はアリィシャちゃんを膝に乗せて、絵本の読んでいる部分を指で追いながら読み聞かせをしています。たしかに、その方法は多くの子供を一度に指導するには向かないと思います。
「子供に絵本を与えて、文章を読むことに興味を持ってもらうのは良いことだと思う。
でもね、本は高価なものだわ。
みんなで回し読みするにしても、一定の数を揃えるのにはそれなりの予算が必要だわ。」
リーナも少しは領主としての自覚が出てきたのでしょうか。
感情が先行してやりたいではなく、一応予算のことまで配慮しているようです。
たしかに、領民の子供たち全員に読み書きを教えるための教材として高価な絵本を揃えるのは難しいと思います。
「子供たちが退屈するかもしれないけど、文字を書いて覚えさせることだけでも始めて見るかしら。
ねえ、ロッテ、さっき見せてもらった石版と白い棒、あれって何処へ行けば手に入るのかしら。」
「ああ、あれ。あれはノミーちゃんに作ってもらったの。
大地の精霊ノミーちゃんは石材加工が得意なのよ。
あれって売っているのかしら?
私が幼いころに使っていた物も母の契約精霊が作ってくれた物だと思うわ。」
私の答えを聞いてリーナは脱力してしまいました。
「おかしいと思ったのよ。
ただの石版なのにきちんと正方形になっているし、表面もでここぼこしていないで平らだわ。
こんな便利な物があるのなら、今まで何処かで目にしても良さそうなものだものね。
注文で作るとなると、こんなものでも結構な出費になるわね。
でも、貴重な紙を使うよりは安上がりかしら?
その辺りのことも館に仕える者に相談してみないといけないわね。」
たくさんの子供に読み書きを教えるためには教材を揃えるのも大変そうです。
もちろん、予算が潤沢でお金を湯水のように使えれば、問題は解決します。
クラーシュバルツ王国でも子供達を集めて教育を施している学校があるのです。
それは、王都にある貴族の子弟向けの学校です。
そこでは教師が教科書に基づいて授業を進め、要点を解説したり、補足したりしているのです。
もちろん、生徒である貴族の子弟は、紙とペンを用いて授業の内容を書き留めていきます。
大変高価な教科書を使い、これまた高価な紙やインクを消費します。
更には高い授業料も必要ですので、貴族の学校に通うのに要する出費は大変なものだそうです。
このため、資金的な制約から貴族以外の者が一定水準の教育を受けることが難しいのが実情なのです。
一般国民に安価で教育を施すことは相当な困難を伴いそうです。
「ところで、リーナ、あなたはどの位の人数の子供たちに読み書き計算を教えようと考えているの?
対象の年齢は幾つくらいの子供?
そもそも、リーナの領地シューネフルトには何人くらいの子供がいるの?」
「えっ?」
『えっ?』、じゃないでしょう。
そもそもそれがはっきりしていないと計画の組みようがないではないですか。
リーナがやりたいと思っていることを実行に移すのはまだ先のことになりそうです……。
**********
お読みいただき有り難うございます。
今日も20時にもう1話投稿いたします。
引き続きお読み頂けたら幸いです。
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9月1日から始まりましたアルファポリスの第13回ファンタジー小説大賞にこの作品をエントリーしています。
応援してくださる方がいらっしゃいましたら、本作品に投票して頂けるととても嬉しいです。
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