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待ちに待った土曜日。いよいよ合同誕生日会の日。
俺は朝からソワソワしてて、自分の部屋を隅から隅まで掃除して棚の上も綺麗に整えた。周防くんから貰ったピアスは薫から貰った透明のクッション入りの小さな箱に入れて、一番目立つ場所に置いてる。
ちなみに今日の俺の格好は、先週周防くんに買って貰ったオーバーサイズのパーカーだ。袖を捲っても落ちてきちゃうから、料理してる間は脱いだ方がいいかも。
「湊、そろそろ神薙くんが来るんじゃない?」
ピアスを眺めていると、部屋の扉がノックされてお母さんが扉を開けながら問い掛けてくる。
その言葉に時計を見るともうお昼を回ってて、周防くんが来る時間まであと少しだった。
「ホントだ! 俺お出迎えに行ってくる!」
「はいはい」
クスクスと笑うお母さんの声を背中に急いで階段を降りて玄関に向かい、靴を引っ掛けて扉から出る。ポーチを抜けて門の外に出て左右を見たけど、周防くんの姿はまだ見えなかった。
門柱に寄りかかって袖を弄りながら待つ。
このパーカー、裏起毛だからあったかいんだよね。デザインもシンプルだし、オーバーサイズだからか仕様なのかは分からないけど、バルーン袖っぽくてユルユルしてるのも可愛い。
女の子が長いスカートとか短パンとかで合わせるの可愛いんだろうな。
薫も似合うと思う。絶対貸さないけど。
「みーなーと」
「わっ」
足音と周防くんの声がして、何かが視界いっぱいに広がる。
黄色と白の斜めのストライプが入った袋は大きくて、反射的に受け取った俺の首から腰までの高さがあった。
何か、ふかふかしてる?
「周防くん」
「誕生日おめでとう。それプレゼントな」
「ありがとう! 何だろ、楽しみ」
「その服着てくれたんだな」
「うん」
「可愛い」
優しい顔と声で言われて頭にキスされて首を竦める。
貰ったプレゼント、大きいし厚みがあるけど全然軽くて、俺は片手で抱えたまま周防くんの手を引いて家に入った。
すぐにキッチンからお母さんが出て来て周防くんと挨拶する。
「お邪魔します」
「神薙くん、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます。これ、良かったら」
「手土産なんて良かったのに。でもありがとう」
周防くんが手にしていた紙袋を渡すとお母さんが笑って受け取りキッチンへ戻って行く。俺と周防くんはそのまま階段を上がって俺の部屋に行き、飲み物を取りに行く為にプレゼントは一先ずベッドに置いて周防くんに一言告げてからまた階段を降りた。
キッチンに行くとお母さんが既にお茶請けのクッキーと一緒にお盆に用意してくれてて、それにお礼を言って零さないよう行きよりは慎重に階段を上がって部屋前まで来たんだけど……両手が塞がってるからドアが開けられない。
「周防くん、開けてー」
少しの間のあと、周防くんが笑いながら扉を開けてお盆を受け取ってテーブルまで運んでくれた。
「ありがとう」
「ん」
「プレゼント開けていい?」
「いいよ」
ベッドに乗り上げ袋の口を縛っているリボンを解いて中を覗くと薄茶色の何かが見える。毛足がフワフワしてるのが分かって、袋を下まで下ろしたら可愛い顔をしたクマのぬいぐるみが出てきた。
「テディベア…?」
「言ったろ? 俺の独断と偏見で湊に似合うもの選んだって。それ、ぎゅーってしてみ?」
ショッピングモールでも犬のぬいぐるみを渡されたし、どうしても俺にぬいぐるみを持たせたかったのかな。
言われた通りクマをぎゅーっとしてみると、周防くんが俺にスマホを向けたあとシャッターが切られる音がした。
「かっわ…」
何枚か撮って満足したのか、周防くんはにこにこ顔でスマホを操作してテーブルに置くと、俺の隣に座ってクマごと俺を抱き締める。
「癒し度半端ねぇ…」
「……周防くん、この子抱っこして」
「ん? え?」
柔らかなクマの毛に鼻先を埋めてたんだけど、周防くんに抱き締められてあっと気付いた俺は目の前にある逞しい胸にクマを押し付ける。困惑しながらも俺の言う通りにしてくれた周防くんに頷くとクマの頭を撫でた。
「帰るまでずっとそうしててね」
「別にいいけど…何で?」
「そうしたら周防くんの匂いがその子に移ると思って」
周防くんから貰った子から周防くんの匂いがしたらぐっすり眠れそうだし、きっといい夢が見れる。
でもそれを説明するのは気恥ずかしくて照れ笑いを浮かべて答えたら、腕を引かれてベッドに押し倒された。驚いて目を瞬いてると唇が塞がれる。
「んっ…」
思わず周防くんの肩を押したけどその手も取られて指が絡んだ。触れて離れるだけのキスだけど、チュッチュッて音がして耳の熱まで上がる。
「…す、おう…く…」
「……可愛いの、ちょっとは自重してくれないと俺の身が持たない」
「えっと…ごめんなさい?」
「そういうとこなんだよなぁ…」
言われてる意味が良く分からなくて首を傾げながら謝ると周防くんは苦笑して起き上がり、ベッドに転がってたクマを膝に乗せて俺を起こしてくれる。
そういうとこってどういうとこなんだろう。
少しだけ乱れた髪を周防くんが撫でて整えてくれてると、扉がノックされてお母さんの声がした。
「湊、そろそろ準備始めるけどどうする?」
「一緒にする。周防くんはここにいる? リビング行く?」
「リビング行く」
「じゃあ一緒に降りよ」
クマだけは抱いたままでいて貰い、周防くんの手を引いて部屋から出て階下のリビングに向かう。続く扉を開けたら薫がいて、俺の後ろに片手でクマを抱いた周防くんがいる事に気付くと眉を顰めた。
「何で神薙くん、クマを抱っこしてるの?」
「ちょっとした理由でな」
「……まぁどうせ湊なんでしょうけど。あ、これあげる」
「?」
「誕プレ」
床に置かれた大きなクッションに寄り掛かって座っていた薫が、ソファに腰を下ろした周防くんに何かを渡す。
怪訝そうな顔をして受け取った周防くんが包みを開けると、何枚かの写真が出てきた。
「え!」
「うわ、かーわいー」
「可愛いでしょー? これが三歳の時で、こっちが四歳。五歳になったら一緒に着てくれなくなったんだよね」
「ちょ、薫! 何でこんな写真!」
「え? 神薙くんが一番喜ぶのなんて湊関連なんだからむしろこれが正解でしょ?」
「マジでそれ」
俺で一番喜んでくれるのは嬉しいけど、何でよりにもよって薫とお揃いのドレスを着てる写真なの?
小さい頃の俺は薫に言われるがままに行動してて、この時もドレスを着せられてお姫様ごっこをやらされてた。五歳になってどうにかこれは男が着るものじゃないって気付けたけど、写真に写ってる頃の俺はノリノリだったんだよね。
でもそれをプレゼントにするって……。
「サンキュー」
「え、ホントに貰うの?」
「せっかくのプレゼントだしな」
本当にそれでいいのって思ったけど、周防くんは嬉しそうで俺の方が拍子抜けしてしまう。何か、ピアスより喜んでるような気がするのは俺の思い違い、かな?
「あ、俺もお前にやるもんある」
「え?」
「ゲーセンで取れたキーホルダー」
「うわぁ…欠片も気持ち篭ってないの丸分かりだわ」
周防くんがポケットから取り出したのはクリスタルブルーの小さなイルカがぶら下がったキーホルダーで、先日行ったゲーセンで一回プレイしたら雪崩てきて三個取れたものだ。色が被ってたのがあったからそれを周防くんとお揃いにして、残った色は薫にでもって話してたんだよね。
もしかして最初からプレゼントにするつもりだったのかな?
「せめて包装くらいしてよ」
「え、めんどい」
「ほんっとに湊以外どうでもいいんだから」
それでも一応受け取るらしく、薫は苦い顔をしてブツブツ言いながら輪っかの部分に指を通した。何だかんだで人から貰ったものは大事にするから、キーホルダーも何かに付けてくれるはず。
自分の用意した薫へのプレゼントであるポーチはあとで渡す事にして、汚さないようパーカーを脱いだ俺は、キッチンに行くと最近買って貰ったばかりのエプロンを身に着け、誕生日用のご馳走を用意するお母さんの手伝いを開始した。
上手に作れるといいな。
俺は朝からソワソワしてて、自分の部屋を隅から隅まで掃除して棚の上も綺麗に整えた。周防くんから貰ったピアスは薫から貰った透明のクッション入りの小さな箱に入れて、一番目立つ場所に置いてる。
ちなみに今日の俺の格好は、先週周防くんに買って貰ったオーバーサイズのパーカーだ。袖を捲っても落ちてきちゃうから、料理してる間は脱いだ方がいいかも。
「湊、そろそろ神薙くんが来るんじゃない?」
ピアスを眺めていると、部屋の扉がノックされてお母さんが扉を開けながら問い掛けてくる。
その言葉に時計を見るともうお昼を回ってて、周防くんが来る時間まであと少しだった。
「ホントだ! 俺お出迎えに行ってくる!」
「はいはい」
クスクスと笑うお母さんの声を背中に急いで階段を降りて玄関に向かい、靴を引っ掛けて扉から出る。ポーチを抜けて門の外に出て左右を見たけど、周防くんの姿はまだ見えなかった。
門柱に寄りかかって袖を弄りながら待つ。
このパーカー、裏起毛だからあったかいんだよね。デザインもシンプルだし、オーバーサイズだからか仕様なのかは分からないけど、バルーン袖っぽくてユルユルしてるのも可愛い。
女の子が長いスカートとか短パンとかで合わせるの可愛いんだろうな。
薫も似合うと思う。絶対貸さないけど。
「みーなーと」
「わっ」
足音と周防くんの声がして、何かが視界いっぱいに広がる。
黄色と白の斜めのストライプが入った袋は大きくて、反射的に受け取った俺の首から腰までの高さがあった。
何か、ふかふかしてる?
「周防くん」
「誕生日おめでとう。それプレゼントな」
「ありがとう! 何だろ、楽しみ」
「その服着てくれたんだな」
「うん」
「可愛い」
優しい顔と声で言われて頭にキスされて首を竦める。
貰ったプレゼント、大きいし厚みがあるけど全然軽くて、俺は片手で抱えたまま周防くんの手を引いて家に入った。
すぐにキッチンからお母さんが出て来て周防くんと挨拶する。
「お邪魔します」
「神薙くん、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます。これ、良かったら」
「手土産なんて良かったのに。でもありがとう」
周防くんが手にしていた紙袋を渡すとお母さんが笑って受け取りキッチンへ戻って行く。俺と周防くんはそのまま階段を上がって俺の部屋に行き、飲み物を取りに行く為にプレゼントは一先ずベッドに置いて周防くんに一言告げてからまた階段を降りた。
キッチンに行くとお母さんが既にお茶請けのクッキーと一緒にお盆に用意してくれてて、それにお礼を言って零さないよう行きよりは慎重に階段を上がって部屋前まで来たんだけど……両手が塞がってるからドアが開けられない。
「周防くん、開けてー」
少しの間のあと、周防くんが笑いながら扉を開けてお盆を受け取ってテーブルまで運んでくれた。
「ありがとう」
「ん」
「プレゼント開けていい?」
「いいよ」
ベッドに乗り上げ袋の口を縛っているリボンを解いて中を覗くと薄茶色の何かが見える。毛足がフワフワしてるのが分かって、袋を下まで下ろしたら可愛い顔をしたクマのぬいぐるみが出てきた。
「テディベア…?」
「言ったろ? 俺の独断と偏見で湊に似合うもの選んだって。それ、ぎゅーってしてみ?」
ショッピングモールでも犬のぬいぐるみを渡されたし、どうしても俺にぬいぐるみを持たせたかったのかな。
言われた通りクマをぎゅーっとしてみると、周防くんが俺にスマホを向けたあとシャッターが切られる音がした。
「かっわ…」
何枚か撮って満足したのか、周防くんはにこにこ顔でスマホを操作してテーブルに置くと、俺の隣に座ってクマごと俺を抱き締める。
「癒し度半端ねぇ…」
「……周防くん、この子抱っこして」
「ん? え?」
柔らかなクマの毛に鼻先を埋めてたんだけど、周防くんに抱き締められてあっと気付いた俺は目の前にある逞しい胸にクマを押し付ける。困惑しながらも俺の言う通りにしてくれた周防くんに頷くとクマの頭を撫でた。
「帰るまでずっとそうしててね」
「別にいいけど…何で?」
「そうしたら周防くんの匂いがその子に移ると思って」
周防くんから貰った子から周防くんの匂いがしたらぐっすり眠れそうだし、きっといい夢が見れる。
でもそれを説明するのは気恥ずかしくて照れ笑いを浮かべて答えたら、腕を引かれてベッドに押し倒された。驚いて目を瞬いてると唇が塞がれる。
「んっ…」
思わず周防くんの肩を押したけどその手も取られて指が絡んだ。触れて離れるだけのキスだけど、チュッチュッて音がして耳の熱まで上がる。
「…す、おう…く…」
「……可愛いの、ちょっとは自重してくれないと俺の身が持たない」
「えっと…ごめんなさい?」
「そういうとこなんだよなぁ…」
言われてる意味が良く分からなくて首を傾げながら謝ると周防くんは苦笑して起き上がり、ベッドに転がってたクマを膝に乗せて俺を起こしてくれる。
そういうとこってどういうとこなんだろう。
少しだけ乱れた髪を周防くんが撫でて整えてくれてると、扉がノックされてお母さんの声がした。
「湊、そろそろ準備始めるけどどうする?」
「一緒にする。周防くんはここにいる? リビング行く?」
「リビング行く」
「じゃあ一緒に降りよ」
クマだけは抱いたままでいて貰い、周防くんの手を引いて部屋から出て階下のリビングに向かう。続く扉を開けたら薫がいて、俺の後ろに片手でクマを抱いた周防くんがいる事に気付くと眉を顰めた。
「何で神薙くん、クマを抱っこしてるの?」
「ちょっとした理由でな」
「……まぁどうせ湊なんでしょうけど。あ、これあげる」
「?」
「誕プレ」
床に置かれた大きなクッションに寄り掛かって座っていた薫が、ソファに腰を下ろした周防くんに何かを渡す。
怪訝そうな顔をして受け取った周防くんが包みを開けると、何枚かの写真が出てきた。
「え!」
「うわ、かーわいー」
「可愛いでしょー? これが三歳の時で、こっちが四歳。五歳になったら一緒に着てくれなくなったんだよね」
「ちょ、薫! 何でこんな写真!」
「え? 神薙くんが一番喜ぶのなんて湊関連なんだからむしろこれが正解でしょ?」
「マジでそれ」
俺で一番喜んでくれるのは嬉しいけど、何でよりにもよって薫とお揃いのドレスを着てる写真なの?
小さい頃の俺は薫に言われるがままに行動してて、この時もドレスを着せられてお姫様ごっこをやらされてた。五歳になってどうにかこれは男が着るものじゃないって気付けたけど、写真に写ってる頃の俺はノリノリだったんだよね。
でもそれをプレゼントにするって……。
「サンキュー」
「え、ホントに貰うの?」
「せっかくのプレゼントだしな」
本当にそれでいいのって思ったけど、周防くんは嬉しそうで俺の方が拍子抜けしてしまう。何か、ピアスより喜んでるような気がするのは俺の思い違い、かな?
「あ、俺もお前にやるもんある」
「え?」
「ゲーセンで取れたキーホルダー」
「うわぁ…欠片も気持ち篭ってないの丸分かりだわ」
周防くんがポケットから取り出したのはクリスタルブルーの小さなイルカがぶら下がったキーホルダーで、先日行ったゲーセンで一回プレイしたら雪崩てきて三個取れたものだ。色が被ってたのがあったからそれを周防くんとお揃いにして、残った色は薫にでもって話してたんだよね。
もしかして最初からプレゼントにするつもりだったのかな?
「せめて包装くらいしてよ」
「え、めんどい」
「ほんっとに湊以外どうでもいいんだから」
それでも一応受け取るらしく、薫は苦い顔をしてブツブツ言いながら輪っかの部分に指を通した。何だかんだで人から貰ったものは大事にするから、キーホルダーも何かに付けてくれるはず。
自分の用意した薫へのプレゼントであるポーチはあとで渡す事にして、汚さないようパーカーを脱いだ俺は、キッチンに行くと最近買って貰ったばかりのエプロンを身に着け、誕生日用のご馳走を用意するお母さんの手伝いを開始した。
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