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第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち
沢田くんとやっぱり気まずい二人
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一方、その頃の空は。
【はあ、はあ……。陸くん、足が速いよー。゚(゚´Д`゚)゚。】
逃げていった陸を追い、必死で海へと走っている最中だった。
少し出遅れてしまったのには理由がある。
【矢野さんが一日に一回はオセロで対局しないと死んでしまう病にかかっていたなんて、聞いてなかった……。゚(゚´Д`゚)゚。そんな重い病を抱えながらあんなにハードな仕事をこなす矢野さん。尊敬しかない】
矢野との対局は中盤までは空が優勢だったのだが、最後はちょっぴり逆転されるという悲しい結果に終わった。しかし、勝負の行方などはどうでもいいことだ。矢野が命を長らえたことこそが重要なのだと空は考える。
「沢田ーっ!」
怒声のような大声に振り向くと、檻を壊して飛び出してきたライオンみたいな顔をした小野田が追いかけてきていた。
「面倒くせえけどついてきてやったぜ!【沢田の親友として!ヽ(*^ω^*)ノ】」
「えっ……【来なくていいのに……(;´д`)】」
見なかったことにして前を向いた空だったが、小野田はまるで24時間テレビのマラソンランナーに並走するトレーナーのように空の真横をキープする。
「……」
「……」
二人はしばし無言で走った。
【もう、気まずいな! なんかしゃべってよ(;´д`)どうでもいいこと話しかけられてもウザいけど】
【やべえ、沢田と二人で海へ向かって走る俺! アオハルかよヽ(*^ω^*)ノ】
【えっ、俺の方からなんか話しかけるべき? でもこの人との共通の話題なんて何もないよ(;´д`)趣味とか別に聞きたくないし】
【沢田、俺としゃべりたそうなツラしてるな。ドンと来い! どんなお悩みでもぶつけてきていいぜ! すぐにオシャレな回答で切り返すから!】
「【もう助けて。ごめんなさい。俺になんか期待してる圧がすごくて死にそうだよ! 息ができないよ。゚(゚´ω`゚)゚。】……グフっ」
「大丈夫か、沢田⁉︎【どうした、突然苦しそうに((((;゚Д゚)))))))】」
「……大丈夫【じゃないよ! 察して! 気づいて、自分のオーラ! 怖いよ怖いよー!。゚(゚´Д`゚)゚。】
「……【がんばれ、沢田! S・A・W・A・D・A・沢田!\\\\٩( 'ω' )و ////】」
【結局何も言わないの⁉︎ もういや、この人。゚(゚´Д`゚)゚。】
しばし二人が無言で走り続けると、やっと海が見えた。
砂浜に降りる。すると二人はさっそく陸が書いたと思われる怪しい看板を見つけた。
『佐藤さんこっち→』
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