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第三章 執着とすれ違い
思い出の絵
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「ロベルト!」
俺が呼ぶと、馭者の隣の席から飛び降りたロベルトが、すぐに馬車を覗く。
「わかってます。たぶん、倒れたんです。どうしますか?」
「あのヨボヨボの医者に、マトモな治療ができるとは思えん。すぐに王立診療所に連れていこう!」
「……たぶん、そのまま入院になりますよ?」
俺は一瞬、考えたがすぐに頷く。
「説得する必要がないだけ、マシだ。手続きはお前に一任する。俺は――」
素早く打ち合わせ、俺はいったん馬車で待機し、この馬車でおばあ様を診療所に連れていくことにした。
しばらくして、執事とメイドに支えられたおばあ様が、胸を押さえながら家から出てきた。俺は慌てて馬車を降りる。
ついている執事は、リンドホルムでもおばあ様の執事をしていた、たしか、ジョンソンという男だ。馬車の脇に立つ俺に気づき、俺の顔をじっと見る。俺は扉を開け、おばあ様が馬車に乗るのを助ける。
――驚くほど小さく、痩せて軽くなっていた。
ひどく辛そうだったおばあ様は、俺には気づかなったようだ。――俺の外見はずいぶん変わったから、当然と言えば当然だ。メイドと医者が遠慮そうに乗り、ドアを閉める。俺はロベルトにおばあ様を託し、残った執事に挨拶した。
「悪いが、迎えの馬車が来るまで、待たせてもらいたい」
「は、はいっ! こちらでございます!」
家の中は綺麗に片付いてだが、下町の喧騒が忍び込んでくる、そんな家だった。エルシーが俺を応接室に案内しようとしたが、家具には白い布がかけられていた。――掃除の手間を省くために、余計な部屋は使わないようにしているのだろう。
「気にするな。俺はどこでも大丈夫だ。――塹壕の中で膝まで泥水に浸かったこともある。地面に座るのも平気だ」
「いくら何でも、うちはそこまでひどくありません!」
エルシーが言い返してくることで、俺は少しだけホッとしていた。
俺が食堂で構わないと言い、エルシーは俺を食堂に案内した。
そこはたぶん、この家で一番、広い部屋なのだろうが、それでもアパートメントや王宮の、俺個人の部屋より狭かった。エルシーは、ちょうど追いついた護衛たちの分もお茶を淹れると言って厨房に下がった。
俺は何となく食堂を見回して、暖炉の上の壁に飾られた額を見て、息を飲んだ。
――俺が描いた、ローズの庭の絵だった。
『ずっと暖炉の上に飾るの』
『いいけど、飽きない?』
『飽きないよ、大好きだもの』
俺の、目の奥が熱くなる。
エルシーは俺のことを、すっかり忘れ去ったわけではなかった。俺の描いた絵を大事に飾り、王都まで持ってきて――。
その後、俺はエルシーに対し、おばあ様の入院費用については心配いらないと念押しして、慌ただしく迎えの馬車に乗り、王宮へと向かった。
その夜は、王太子夫妻主催の、外国公使夫妻を招いての晩餐会があったが、王太子妃のブリジット妃は夏風邪を引いたとかで欠席だった。健康な人なので珍しいなと思いながら、俺は義姉上の代わりに兄上に付き添って公務をこなした。
「アルバート殿下が早くご結婚されれば、ブリジット妃殿下のご負担も軽くなりましょう」
そんなことを言われ、余計な世話だと内心で毒づく。
俺はおばあ様の経過とエルシーの様子が気になって、気もそぞろで一刻も早く退出したかった。しかし――。
「バーティ、この後、話がある」
兄上に呼び止められ、俺が首を傾げた。
「兄上が?」
「父上の居間に来てほしいのだ」
「……父上の?」
体調のよくない父上は、最近では夜の公務はほとんど、兄上に任せていた。
嫌な予感しかしなかったが、俺は着替えのために王宮内の自室に下がる。その日は陸軍中将の正装で、堅苦しくて早く脱ぎたかったのだ。普段なら気楽なラウンジスーツに着替えてしまうところだが、父上の部屋に伺候するのならばそうはいかない。俺は仕方なくイブニングコートに着替え、タイを結んでいたところに、ロベルトが報告に来た。
「無事に療養院に入院されましたよ。かなり危険な状態でしたが、医師薬が効いて、だいぶ落ち着きました」
「そうか……エルシーは?」
「ほんの身の回りのものと……それから食堂の暖炉の上に飾ってあった、絵を大事に抱えて、アパートメントに移りましたよ。殿下のことは警戒しているみたいだけど」
警戒されるのは当然なので、それはいい。――あまりに無防備でも不安になる。
それより――。
「あの、絵を?」
「ええ、あの変な絵。大事なものだって言って」
大事なもの――。
その言葉が、俺の胸の奥にしみわたっていく。
「リジ―」も、何もかも、忘れたわけじゃなかった。
俺の描いた絵が、大事なものだってことは、覚えていて、故郷を追われても飾り続けて――。
俺が父上の私室に入ると、すでに兄上も待っていた。
「すみません、遅くなりました」
「いや、いい。バーティの部屋はここから遠いから」
兄上も言い、俺に椅子を進める。父上は就寝の準備を整え、分厚い毛織のナイトガウンを羽織っていた。
「で、お話と言うのは――」
俺が促すと、兄上は沈んだ調子で言った。
「ブリジットが、流産した」
俺は目を見開いた。
「……そうですか。義姉上の体調は――」
「体調より、精神的にまいっている」
王太子である兄上は三十九歳、義姉上は三十五歳になるはずだ。十歳のレイチェル王女を頭に王女ばかり三人、次こそ世継ぎの男児を、というプレッシャーはすさまじいだろう。……実は義姉上は、最初の子供を流産してから、しばらく子供に恵まれなかった。離縁して他の令嬢を、なんて心無いことを言う者まで出てきて、二十五歳でやっと、レイチェルを授かった。最初の子を亡くした心の傷がようやく癒えてきたところに、再び流産して、すっかり塞ぎ込んでしまったという。
「ブリジットには、無理をしなくてもいいといったのだ。――我が家にはバーティもいる、と」
俺は反射的に眉を顰めた。
父上はもちろん、おそらく兄上も、俺が王妃の子でないと知っている。――俺が生まれた時、兄上は十三歳なのだ。さすがに王妃の突然の懐妊の、不自然さに気づくだろう。
「しかし、俺は――」
兄上は俺の言葉を制し、言った。
「王女への継承を認めるべきだという、意見も出てくるだろう」
「近隣諸国では女王を認める国もありますよ。我が国だって――」
「――苦労をさせたくない」
娘を思う兄上の本音に、俺は思わず苦笑した。
「俺なら苦労してもいいと」
「お前は男だ」
「でも――」
庶子だ。
その言葉を飲み込んで、父上を見た。父上は無言を貫いている。
「……その、お前の噂を聞いた」
「噂?」
「最近、愛人を連れ歩いていると」
「愛人じゃない。俺は彼女と結婚するつもりです!」
「バーティ!」
兄上が叫んだ。
「無茶を言うな。このままだと、お前は国王で、お前の妻は王妃になるんだ。いくら何でも王妃候補者が爵位なしは無理だ」
「俺は王位など別にいらない」
「バーティ。侯爵家以上の令嬢で、年齢が釣り合い、婚約者の決まっていないのは、ステファニーだけだ。ステファニーはお前と話し合いたいと――」
「話し合うだけ無駄です。俺はステファニーとは結婚しない」
俺はそれだけ言うと、席を立つ。
「ステファニーとの件ならば、聞くつもりはありません。もう、遅いので失礼します。……義姉上にお大事にとお伝えください」
兄上が引き留めるのを振り切って、俺は王宮を辞去した。
俺が呼ぶと、馭者の隣の席から飛び降りたロベルトが、すぐに馬車を覗く。
「わかってます。たぶん、倒れたんです。どうしますか?」
「あのヨボヨボの医者に、マトモな治療ができるとは思えん。すぐに王立診療所に連れていこう!」
「……たぶん、そのまま入院になりますよ?」
俺は一瞬、考えたがすぐに頷く。
「説得する必要がないだけ、マシだ。手続きはお前に一任する。俺は――」
素早く打ち合わせ、俺はいったん馬車で待機し、この馬車でおばあ様を診療所に連れていくことにした。
しばらくして、執事とメイドに支えられたおばあ様が、胸を押さえながら家から出てきた。俺は慌てて馬車を降りる。
ついている執事は、リンドホルムでもおばあ様の執事をしていた、たしか、ジョンソンという男だ。馬車の脇に立つ俺に気づき、俺の顔をじっと見る。俺は扉を開け、おばあ様が馬車に乗るのを助ける。
――驚くほど小さく、痩せて軽くなっていた。
ひどく辛そうだったおばあ様は、俺には気づかなったようだ。――俺の外見はずいぶん変わったから、当然と言えば当然だ。メイドと医者が遠慮そうに乗り、ドアを閉める。俺はロベルトにおばあ様を託し、残った執事に挨拶した。
「悪いが、迎えの馬車が来るまで、待たせてもらいたい」
「は、はいっ! こちらでございます!」
家の中は綺麗に片付いてだが、下町の喧騒が忍び込んでくる、そんな家だった。エルシーが俺を応接室に案内しようとしたが、家具には白い布がかけられていた。――掃除の手間を省くために、余計な部屋は使わないようにしているのだろう。
「気にするな。俺はどこでも大丈夫だ。――塹壕の中で膝まで泥水に浸かったこともある。地面に座るのも平気だ」
「いくら何でも、うちはそこまでひどくありません!」
エルシーが言い返してくることで、俺は少しだけホッとしていた。
俺が食堂で構わないと言い、エルシーは俺を食堂に案内した。
そこはたぶん、この家で一番、広い部屋なのだろうが、それでもアパートメントや王宮の、俺個人の部屋より狭かった。エルシーは、ちょうど追いついた護衛たちの分もお茶を淹れると言って厨房に下がった。
俺は何となく食堂を見回して、暖炉の上の壁に飾られた額を見て、息を飲んだ。
――俺が描いた、ローズの庭の絵だった。
『ずっと暖炉の上に飾るの』
『いいけど、飽きない?』
『飽きないよ、大好きだもの』
俺の、目の奥が熱くなる。
エルシーは俺のことを、すっかり忘れ去ったわけではなかった。俺の描いた絵を大事に飾り、王都まで持ってきて――。
その後、俺はエルシーに対し、おばあ様の入院費用については心配いらないと念押しして、慌ただしく迎えの馬車に乗り、王宮へと向かった。
その夜は、王太子夫妻主催の、外国公使夫妻を招いての晩餐会があったが、王太子妃のブリジット妃は夏風邪を引いたとかで欠席だった。健康な人なので珍しいなと思いながら、俺は義姉上の代わりに兄上に付き添って公務をこなした。
「アルバート殿下が早くご結婚されれば、ブリジット妃殿下のご負担も軽くなりましょう」
そんなことを言われ、余計な世話だと内心で毒づく。
俺はおばあ様の経過とエルシーの様子が気になって、気もそぞろで一刻も早く退出したかった。しかし――。
「バーティ、この後、話がある」
兄上に呼び止められ、俺が首を傾げた。
「兄上が?」
「父上の居間に来てほしいのだ」
「……父上の?」
体調のよくない父上は、最近では夜の公務はほとんど、兄上に任せていた。
嫌な予感しかしなかったが、俺は着替えのために王宮内の自室に下がる。その日は陸軍中将の正装で、堅苦しくて早く脱ぎたかったのだ。普段なら気楽なラウンジスーツに着替えてしまうところだが、父上の部屋に伺候するのならばそうはいかない。俺は仕方なくイブニングコートに着替え、タイを結んでいたところに、ロベルトが報告に来た。
「無事に療養院に入院されましたよ。かなり危険な状態でしたが、医師薬が効いて、だいぶ落ち着きました」
「そうか……エルシーは?」
「ほんの身の回りのものと……それから食堂の暖炉の上に飾ってあった、絵を大事に抱えて、アパートメントに移りましたよ。殿下のことは警戒しているみたいだけど」
警戒されるのは当然なので、それはいい。――あまりに無防備でも不安になる。
それより――。
「あの、絵を?」
「ええ、あの変な絵。大事なものだって言って」
大事なもの――。
その言葉が、俺の胸の奥にしみわたっていく。
「リジ―」も、何もかも、忘れたわけじゃなかった。
俺の描いた絵が、大事なものだってことは、覚えていて、故郷を追われても飾り続けて――。
俺が父上の私室に入ると、すでに兄上も待っていた。
「すみません、遅くなりました」
「いや、いい。バーティの部屋はここから遠いから」
兄上も言い、俺に椅子を進める。父上は就寝の準備を整え、分厚い毛織のナイトガウンを羽織っていた。
「で、お話と言うのは――」
俺が促すと、兄上は沈んだ調子で言った。
「ブリジットが、流産した」
俺は目を見開いた。
「……そうですか。義姉上の体調は――」
「体調より、精神的にまいっている」
王太子である兄上は三十九歳、義姉上は三十五歳になるはずだ。十歳のレイチェル王女を頭に王女ばかり三人、次こそ世継ぎの男児を、というプレッシャーはすさまじいだろう。……実は義姉上は、最初の子供を流産してから、しばらく子供に恵まれなかった。離縁して他の令嬢を、なんて心無いことを言う者まで出てきて、二十五歳でやっと、レイチェルを授かった。最初の子を亡くした心の傷がようやく癒えてきたところに、再び流産して、すっかり塞ぎ込んでしまったという。
「ブリジットには、無理をしなくてもいいといったのだ。――我が家にはバーティもいる、と」
俺は反射的に眉を顰めた。
父上はもちろん、おそらく兄上も、俺が王妃の子でないと知っている。――俺が生まれた時、兄上は十三歳なのだ。さすがに王妃の突然の懐妊の、不自然さに気づくだろう。
「しかし、俺は――」
兄上は俺の言葉を制し、言った。
「王女への継承を認めるべきだという、意見も出てくるだろう」
「近隣諸国では女王を認める国もありますよ。我が国だって――」
「――苦労をさせたくない」
娘を思う兄上の本音に、俺は思わず苦笑した。
「俺なら苦労してもいいと」
「お前は男だ」
「でも――」
庶子だ。
その言葉を飲み込んで、父上を見た。父上は無言を貫いている。
「……その、お前の噂を聞いた」
「噂?」
「最近、愛人を連れ歩いていると」
「愛人じゃない。俺は彼女と結婚するつもりです!」
「バーティ!」
兄上が叫んだ。
「無茶を言うな。このままだと、お前は国王で、お前の妻は王妃になるんだ。いくら何でも王妃候補者が爵位なしは無理だ」
「俺は王位など別にいらない」
「バーティ。侯爵家以上の令嬢で、年齢が釣り合い、婚約者の決まっていないのは、ステファニーだけだ。ステファニーはお前と話し合いたいと――」
「話し合うだけ無駄です。俺はステファニーとは結婚しない」
俺はそれだけ言うと、席を立つ。
「ステファニーとの件ならば、聞くつもりはありません。もう、遅いので失礼します。……義姉上にお大事にとお伝えください」
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