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プロローグ
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「──これで終わったのか...」
「そのようだね、ミカドくん」
「遂にやりましたね、ミカドさん」
「感無量でござるな、ミカド殿」
どんよりとした雲に覆われた空
乾いた土はひび割れ、大地は荒廃していた
草木はなく、そこにあるのは砂と岩...
そしておびただしい数の異形の死体が転がっていた
絶望を体現したかのようなその土地の小さな丘の上に
まだ息をしている複数の人影があった
その内の1つ
ミカドと呼ばれる青年の持つ剣の先にある"それ"
おおよそ人の形を成してはいるが
紫色の表皮、鋭利な爪、そして背中より生える漆黒の翼が
それが人ではないことを証明していた
しかしその身体に頭部はなく、首元は黒く焼け焦げている
「ついに、魔王を討伐したな...」
"それ"は異形達を統べる王として名高い存在『魔王』だった
・・・・・・・・・・・・・
少しの静寂を挟み、頭のない魔王の身体はドサリと倒れる
その身体は砂のようにサラサラと朽ち果てていった
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
最後のひと欠片が消え去ったその場所に、一筋の光が差し込む
「・・・」
光を辿り、青年が顔を上げると、暗くどよめく天に青空が取り戻されていた
差し込む光がもたらしたのは青空だけではなかった
「来たな...じじぃ」
青年の目線の先、雲の切れ目からは1人の老人がゆっくりと降りてきていた
不思議な力で空中に浮かぶ老人の姿は
白く輝く長いヒゲと、純白の衣を纏い、まるで神話の中から飛び出してきたかのように神秘的な光に包まれていた
老人は静かに地面に降り立ち、ゆっくりとした動作で呼吸を整える
そして、その豊かな白ヒゲに隠れた口を開き、柔らかく温かな声で話し始めた
「皆、ご苦労じゃったのう」
「久しぶりだな、神様。これで俺らは元の世界に帰れるのか?」
「あ、うーん...その件なんじゃが...ちょっと予想外の感じっちゅうか...」
ミカドの問いに、神と呼ばれる老人はどこか歯切れの悪い様子で答える
白髭をなぞりながら少しの沈黙を挟む神
「ワシの予感だと500年後にまた別の魔王が誕生するっぽくてな?次はけっこうヤバめのやつ」
わざとらしく自身の腰をとんとん叩き神は続ける
「ワシももう歳じゃろ?500年後にまたお主らみたいなのを召喚できるか分からんからのぅ、こう考えたんじゃ...」
・・・・・・・・・・・・・
「このまま、もう一回お主らに世界救ってもらった方がコスパよくね?っとな」
「おい」
「え?」
「は?」
「ん?」
4人が状況を理解する暇はなかった
神様はどこからともなく杖を取り出すと4人に向かって光を放つ
光に包まれた4人はゆっくりと宙に浮かび上がる...
「これから500年、お主らは封印しておくから...心配せんでも時期が来たら勝手に目覚める。次の魔王バカ強いかもだけど...皆のステータスもバカ強化しといたから余裕のよっちゃんよ...ほなワシは別の世界の管理があるんで、バイバ~イ」
「おい、じじぃ!!ちょっとま────」
ミカド達が反論する間も無く彼らを光の中へ封印すると
神は消えていった────
「そのようだね、ミカドくん」
「遂にやりましたね、ミカドさん」
「感無量でござるな、ミカド殿」
どんよりとした雲に覆われた空
乾いた土はひび割れ、大地は荒廃していた
草木はなく、そこにあるのは砂と岩...
そしておびただしい数の異形の死体が転がっていた
絶望を体現したかのようなその土地の小さな丘の上に
まだ息をしている複数の人影があった
その内の1つ
ミカドと呼ばれる青年の持つ剣の先にある"それ"
おおよそ人の形を成してはいるが
紫色の表皮、鋭利な爪、そして背中より生える漆黒の翼が
それが人ではないことを証明していた
しかしその身体に頭部はなく、首元は黒く焼け焦げている
「ついに、魔王を討伐したな...」
"それ"は異形達を統べる王として名高い存在『魔王』だった
・・・・・・・・・・・・・
少しの静寂を挟み、頭のない魔王の身体はドサリと倒れる
その身体は砂のようにサラサラと朽ち果てていった
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
最後のひと欠片が消え去ったその場所に、一筋の光が差し込む
「・・・」
光を辿り、青年が顔を上げると、暗くどよめく天に青空が取り戻されていた
差し込む光がもたらしたのは青空だけではなかった
「来たな...じじぃ」
青年の目線の先、雲の切れ目からは1人の老人がゆっくりと降りてきていた
不思議な力で空中に浮かぶ老人の姿は
白く輝く長いヒゲと、純白の衣を纏い、まるで神話の中から飛び出してきたかのように神秘的な光に包まれていた
老人は静かに地面に降り立ち、ゆっくりとした動作で呼吸を整える
そして、その豊かな白ヒゲに隠れた口を開き、柔らかく温かな声で話し始めた
「皆、ご苦労じゃったのう」
「久しぶりだな、神様。これで俺らは元の世界に帰れるのか?」
「あ、うーん...その件なんじゃが...ちょっと予想外の感じっちゅうか...」
ミカドの問いに、神と呼ばれる老人はどこか歯切れの悪い様子で答える
白髭をなぞりながら少しの沈黙を挟む神
「ワシの予感だと500年後にまた別の魔王が誕生するっぽくてな?次はけっこうヤバめのやつ」
わざとらしく自身の腰をとんとん叩き神は続ける
「ワシももう歳じゃろ?500年後にまたお主らみたいなのを召喚できるか分からんからのぅ、こう考えたんじゃ...」
・・・・・・・・・・・・・
「このまま、もう一回お主らに世界救ってもらった方がコスパよくね?っとな」
「おい」
「え?」
「は?」
「ん?」
4人が状況を理解する暇はなかった
神様はどこからともなく杖を取り出すと4人に向かって光を放つ
光に包まれた4人はゆっくりと宙に浮かび上がる...
「これから500年、お主らは封印しておくから...心配せんでも時期が来たら勝手に目覚める。次の魔王バカ強いかもだけど...皆のステータスもバカ強化しといたから余裕のよっちゃんよ...ほなワシは別の世界の管理があるんで、バイバ~イ」
「おい、じじぃ!!ちょっとま────」
ミカド達が反論する間も無く彼らを光の中へ封印すると
神は消えていった────
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