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◆悪役令嬢の処罰◆
3 ※
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「姫――」
その声に、ローザはベッドの上で身を起こした。
カルミネ・カモミールはローザを見つめてくる。あの図書館で――いや、その前から生徒会室でもしばしば目にした、不思議なまなざしだ。
今のローザにはそれが、憧憬のような愛なのだとわかる。彼はずっと、自分のことが好きだったのだ。
こんな――。
こんな、婚約者たちと激しいセックスをしている女だというのに、どうしてそんな眩しそうに見つめてくるのか。
「……カルミネさまは、わたくしを買いかぶりすぎですわ。わたくしは見ての通り、貴族の家に生まれただけのしょうもない女です。あなたのように未来ある素敵な男性が、今から婚約者だなんて……」
しかも、三番目の婚約者だ。二番目以降は公平な立場とはいえ、誰かと結ばれるなら一対一のほうが良いに決まっている。
カルミネは微笑んだ。
「しかし姫は、私のことが厭じゃないと、おっしゃいましたね。あの図書館で」
「っ」
カルミネは立ち上がり、ベッドへと近づいてくる。相手は女性的に整った優しい顔立ちの優雅な青年だというのに、まるで狼にでも狙われたような心地だった。
ローザは乱れたシーツの上に座り込んだまま、身をすくめた。自分の心臓の音が響く。
「姫は、私に何もかも見せてくださいました。そして……この綺麗な身体のすべてを触らせてくださった……」
耳元に顔を寄せたカルミネは、着崩れたネグリジェの裾をめくってローザの足の間に手を伸ばした。汗と精液で濡れたところに、指先が近づく。
「……あ……」
「普通は、嫌いな男にこんなところを舐めさせたりはなさらないですよね?」
まるで蝶を掴まえる時のように、彼はそっと茂みへと触れ、撫でた。
「それに普通は、嫌いな男のモノをあんな顔でしゃぶったりはいたしません……。少しは私も自惚れてよろしいですか?」
柔らかな声が鼓膜を犯す。
「ローザ様、私のことを三番目の婚約者として愛してくださいますか? 私は、姫のほかに結ばれたい相手はいないのです」
茂みの奥へと手が進んでくる。
「……ふ、あ」
ほかの婚約者たちが――エドアルドとチェリオが見ているというのに。
いや、それならばなぜ自分は逃げないのだろう。いくら婚約者たちの激しい愛撫で疲れているとはいえ、どうしてベッドから離れることもなく、この手を喜んで受け入れてしまっているのだろうか。
「愛しております、姫。どうか私を婚約者として迎えてください」
馬車の中の、エドアルドとの会話。
「君はカルミネのことは好きかい?」
どうやらエドアルドは、ローザの婚約者が増えても構わないと思っているらしい。
思えば、チェリオの時からそうだった。
処罰され、すべてを失って異国へ送られる覚悟でこの部屋に来たのに、どうしてこんな話になっているのだろうか……。
カルミネの指に犯されながら、エドアルドに視線をやる。
「ローザ、嘘はつかないでくれ。カルミネのことも愛しているんだろう? そいつを守りたいなら、次の婚約者として迎えればいい。……それとも、図書館でのことは、君が望んだことではなかったのか?」
チェリオは肩をすくめた。
「それなら、彼は処刑ですね。しかたない」
「そうですね。私のこの恋が実らないならば、首を落とされても仕方がございません」
カルミネもうなずく。片手で、ローザの陰唇をもてあそびながら。
「……ふぁ、んっ」
「どうする、ローザ?」
「っ、あ、本当によろしいのですか?」
花びらの奥までカルミネの指が突き入れられて、腰が動いてしまう。しかしエドアルドはうなずいた。
「知らない相手ではないからね。信頼してなければ、最初から生徒会に入れないとも。それに前にも言ったけれど、みんなに愛されているままの君を丸ごと受け入れることにしたんだ。……今のようにね」
ならば……。
「わ、わたくし、カルミネさまも婚約者にしたいですわ。わたくし、わがままですの。っあ、エドアルドさまもチェリオさまも手放したくない、のに、ふあっ、カルミネさまのことも、大好きですのっ」
なんて贅沢で、
なんてわがままで。
なんて恥ずかしくて。
なんて淫乱なんだろう。
ローザはぽろぽろと泣きながらイッた。
→次章に続く
その声に、ローザはベッドの上で身を起こした。
カルミネ・カモミールはローザを見つめてくる。あの図書館で――いや、その前から生徒会室でもしばしば目にした、不思議なまなざしだ。
今のローザにはそれが、憧憬のような愛なのだとわかる。彼はずっと、自分のことが好きだったのだ。
こんな――。
こんな、婚約者たちと激しいセックスをしている女だというのに、どうしてそんな眩しそうに見つめてくるのか。
「……カルミネさまは、わたくしを買いかぶりすぎですわ。わたくしは見ての通り、貴族の家に生まれただけのしょうもない女です。あなたのように未来ある素敵な男性が、今から婚約者だなんて……」
しかも、三番目の婚約者だ。二番目以降は公平な立場とはいえ、誰かと結ばれるなら一対一のほうが良いに決まっている。
カルミネは微笑んだ。
「しかし姫は、私のことが厭じゃないと、おっしゃいましたね。あの図書館で」
「っ」
カルミネは立ち上がり、ベッドへと近づいてくる。相手は女性的に整った優しい顔立ちの優雅な青年だというのに、まるで狼にでも狙われたような心地だった。
ローザは乱れたシーツの上に座り込んだまま、身をすくめた。自分の心臓の音が響く。
「姫は、私に何もかも見せてくださいました。そして……この綺麗な身体のすべてを触らせてくださった……」
耳元に顔を寄せたカルミネは、着崩れたネグリジェの裾をめくってローザの足の間に手を伸ばした。汗と精液で濡れたところに、指先が近づく。
「……あ……」
「普通は、嫌いな男にこんなところを舐めさせたりはなさらないですよね?」
まるで蝶を掴まえる時のように、彼はそっと茂みへと触れ、撫でた。
「それに普通は、嫌いな男のモノをあんな顔でしゃぶったりはいたしません……。少しは私も自惚れてよろしいですか?」
柔らかな声が鼓膜を犯す。
「ローザ様、私のことを三番目の婚約者として愛してくださいますか? 私は、姫のほかに結ばれたい相手はいないのです」
茂みの奥へと手が進んでくる。
「……ふ、あ」
ほかの婚約者たちが――エドアルドとチェリオが見ているというのに。
いや、それならばなぜ自分は逃げないのだろう。いくら婚約者たちの激しい愛撫で疲れているとはいえ、どうしてベッドから離れることもなく、この手を喜んで受け入れてしまっているのだろうか。
「愛しております、姫。どうか私を婚約者として迎えてください」
馬車の中の、エドアルドとの会話。
「君はカルミネのことは好きかい?」
どうやらエドアルドは、ローザの婚約者が増えても構わないと思っているらしい。
思えば、チェリオの時からそうだった。
処罰され、すべてを失って異国へ送られる覚悟でこの部屋に来たのに、どうしてこんな話になっているのだろうか……。
カルミネの指に犯されながら、エドアルドに視線をやる。
「ローザ、嘘はつかないでくれ。カルミネのことも愛しているんだろう? そいつを守りたいなら、次の婚約者として迎えればいい。……それとも、図書館でのことは、君が望んだことではなかったのか?」
チェリオは肩をすくめた。
「それなら、彼は処刑ですね。しかたない」
「そうですね。私のこの恋が実らないならば、首を落とされても仕方がございません」
カルミネもうなずく。片手で、ローザの陰唇をもてあそびながら。
「……ふぁ、んっ」
「どうする、ローザ?」
「っ、あ、本当によろしいのですか?」
花びらの奥までカルミネの指が突き入れられて、腰が動いてしまう。しかしエドアルドはうなずいた。
「知らない相手ではないからね。信頼してなければ、最初から生徒会に入れないとも。それに前にも言ったけれど、みんなに愛されているままの君を丸ごと受け入れることにしたんだ。……今のようにね」
ならば……。
「わ、わたくし、カルミネさまも婚約者にしたいですわ。わたくし、わがままですの。っあ、エドアルドさまもチェリオさまも手放したくない、のに、ふあっ、カルミネさまのことも、大好きですのっ」
なんて贅沢で、
なんてわがままで。
なんて恥ずかしくて。
なんて淫乱なんだろう。
ローザはぽろぽろと泣きながらイッた。
→次章に続く
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