50 / 58
第5章。「魔族の血が宿りし者」
4、魔族の血が宿りし者(012)ー毒入りカレーつづきーー
しおりを挟む
--魔族の血が宿りし者(012)--
--毒入りカレー(3)--
裕也は、食堂の席に着いた。
カレーライスをテーブルに置く。
ゆっくり座る。
なにげない見慣れた風景である。
彼はカレーライスを一口食べる。
(味は、まぁまぁかなぁ)
彼は、一口、二口、…、半分食べた。
彼は、意識が遠のいていく。
(だめだ、目眩がする。)
(でも、最後まで食べないと食べ物を粗末にしてはいけない)
彼は、思った。
もう一口食べようとする。
(無理だ)
裕也は、ふらつきながらも立ち上がり、
カレーライスを捨て、食器を定位置に置いた。
そして、食堂をでた。
(うぅ。吐き気がする)
お手洗いに向かった。
彼は大きい方を出す個室のトイレに入った。
「バタン」
体は、素直にカレーを拒否した。
裕也は、便器の淵に両手をつき体を支えた。
苦しさとは別に喉からカレーライスは出ていく。
--毒入りカレー(4)--
裕也は、食べたものを便器に吐いた。
「オエェ オエェ オエェ」
(何かにあたったのかなぁ)
全部吐き終わると、ふらつきながらも自分の部署まで戻った。
(熱が出てる。でも、先よりましになった)
裕也の体の中では、魔族の血が、毒と戦っていた。
魔族の血と言っても、リアルに裕也の血が何か変わったわけではない。
しかし、裕也の血に妖精と言うか、神と言うか。
そのようなものが乗りついたと言うか。
魔力を持ったというか。要は、魔族の血が宿り超自然の抵抗力を持ったのである。
それは、仏様の守護でもある。
しかし、彼は熱が出て気分が悪い。
裕也は、冷静になれない頭で必死に考えようとした。
やり残した仕事があった。
でも、それが出来ないことは、裕也自身よく分かっていた。
(普通の腹痛ではない。
問題は、お腹と言うより、頭がふらつく)
(しかたない)
裕也は決断した。
彼は、仕事を早退することを決めたのである。
「係長。気分が悪いので帰ります」
「気を付けて帰りなさい」
係長は、素直に受け入れた。
何かを知ってる様子で裕也を哀れんだ。
(彼、最近、おかしな宗教をしているらしい)
裕也は、壁にしがみつき、会社のビルをやっとのことで出た。
残念なことに、
彼は、貧乏性と言うべきか病院に行くという気は、少しも浮かばなかった。
--毒入りカレー(5)--
裕也は、もうろうと霞む意識の中、帰りの電車の中に座っていた。
(今日は、電車がすいてるな。
あ。そうか。
早退だからか)
ふと、向かいの左隅を見た。
白衣の人が座っている。
(彼は、私を見てる。
どっかで見たようなぁ。
あ。食堂の従業員の人。かな。
彼は、私を心配して私を見に来たのだろう)
裕也は、微笑んでみせた。
暗殺僧ヤァーは、結果を見届けに来たのだ。
(彼は、生きている。
私を見ている。
なんで、微笑んでいるんだ。
なぜだ。死にかけているんだぞ。
不安も。恐怖心も感じていないのか。
あの人は、本当に普通の人だ。
そう言うより守られている)
ヤァーは、敗北を感じた。
自分が悲しくなった。
(俺は、誰を殺そうとしているんだ。
あの人は、悪魔などではない)
ヤァーは、裕也を殺せなくて良かったと考えた。
つづく。
--毒入りカレー(3)--
裕也は、食堂の席に着いた。
カレーライスをテーブルに置く。
ゆっくり座る。
なにげない見慣れた風景である。
彼はカレーライスを一口食べる。
(味は、まぁまぁかなぁ)
彼は、一口、二口、…、半分食べた。
彼は、意識が遠のいていく。
(だめだ、目眩がする。)
(でも、最後まで食べないと食べ物を粗末にしてはいけない)
彼は、思った。
もう一口食べようとする。
(無理だ)
裕也は、ふらつきながらも立ち上がり、
カレーライスを捨て、食器を定位置に置いた。
そして、食堂をでた。
(うぅ。吐き気がする)
お手洗いに向かった。
彼は大きい方を出す個室のトイレに入った。
「バタン」
体は、素直にカレーを拒否した。
裕也は、便器の淵に両手をつき体を支えた。
苦しさとは別に喉からカレーライスは出ていく。
--毒入りカレー(4)--
裕也は、食べたものを便器に吐いた。
「オエェ オエェ オエェ」
(何かにあたったのかなぁ)
全部吐き終わると、ふらつきながらも自分の部署まで戻った。
(熱が出てる。でも、先よりましになった)
裕也の体の中では、魔族の血が、毒と戦っていた。
魔族の血と言っても、リアルに裕也の血が何か変わったわけではない。
しかし、裕也の血に妖精と言うか、神と言うか。
そのようなものが乗りついたと言うか。
魔力を持ったというか。要は、魔族の血が宿り超自然の抵抗力を持ったのである。
それは、仏様の守護でもある。
しかし、彼は熱が出て気分が悪い。
裕也は、冷静になれない頭で必死に考えようとした。
やり残した仕事があった。
でも、それが出来ないことは、裕也自身よく分かっていた。
(普通の腹痛ではない。
問題は、お腹と言うより、頭がふらつく)
(しかたない)
裕也は決断した。
彼は、仕事を早退することを決めたのである。
「係長。気分が悪いので帰ります」
「気を付けて帰りなさい」
係長は、素直に受け入れた。
何かを知ってる様子で裕也を哀れんだ。
(彼、最近、おかしな宗教をしているらしい)
裕也は、壁にしがみつき、会社のビルをやっとのことで出た。
残念なことに、
彼は、貧乏性と言うべきか病院に行くという気は、少しも浮かばなかった。
--毒入りカレー(5)--
裕也は、もうろうと霞む意識の中、帰りの電車の中に座っていた。
(今日は、電車がすいてるな。
あ。そうか。
早退だからか)
ふと、向かいの左隅を見た。
白衣の人が座っている。
(彼は、私を見てる。
どっかで見たようなぁ。
あ。食堂の従業員の人。かな。
彼は、私を心配して私を見に来たのだろう)
裕也は、微笑んでみせた。
暗殺僧ヤァーは、結果を見届けに来たのだ。
(彼は、生きている。
私を見ている。
なんで、微笑んでいるんだ。
なぜだ。死にかけているんだぞ。
不安も。恐怖心も感じていないのか。
あの人は、本当に普通の人だ。
そう言うより守られている)
ヤァーは、敗北を感じた。
自分が悲しくなった。
(俺は、誰を殺そうとしているんだ。
あの人は、悪魔などではない)
ヤァーは、裕也を殺せなくて良かったと考えた。
つづく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる