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第5章。「魔族の血が宿りし者」

3、魔族の血が宿りし者(009)(010)ーー毒入りカレーーー

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--魔族の血が宿りし者(009)--

--帝釈天たいしゃくてん加護かご--

裕也は、交差点を無事に渡った。
(今、何かが体から出たような気がする)
裕也は、それははじめて味わう不思議な感覚だった。
彼は天空から自身の心に声を感じた。
(裕也。私たちは帝釈天と言います。
 あなたは、魔族のものに仏法を教えました。
 紛れもなく仏法の行者です。
 私たちは、あなたを必ず守ります。
 安心しなさい)
帝釈天は、微笑ほほえんでいた。

裕也はそう感じた。
彼は、何も気にしない。
いつでも命を捨てる覚悟があるからである。


--魔族の血が宿りし者(010)--
--毒入りカレ(1)--

デアーは、暗殺に失敗した。


「裕也には、少しの魔物の気配もなく。
 殺意もない。
 彼は普通の人間だ」デアーは、言った。

「それならなぜ殺せなかった?」暗殺僧は言う。

「仏法の守護神しゅごしんに守られている。
 裕也は、悪魔ではない」デアーは、言った。

「だが今度は、俺の番だ。
 彼が毒を飲んだらどうだ。
 彼は、死ぬだろう。
 なさけはなしだ。」暗殺僧ヤァーは、言った。

--魔族の血が宿りし者(011)--
--毒入りカレ(2)--

裕也は、午前中の仕事が終わり、会社の食堂に向かう。
エレベーターが着く。
中は食道に向かう人で一杯である。
いつもの何気ない風景である。
裕也は、ぎゅうぎゅうめなエレベーターに乗り込んだ。
「チン」エレベータが7階の食堂についた。
どっと人が流れ出る。
裕也も流れ出てそのまま注文窓口に並ぶ。
(何を食べようかなぁ)
裕也は、ウキウキ、これから起こることを何も知らない。
厨房ちゅうぼうの中をみると見慣れない人がいる。
 彼は海外の人かな?流行はやりだな)裕也は、思った。

「お兄さん。今日は、カレーが美味しいよ。
 どうしますか?」ヤァーが誘う。

暗殺僧ヤァーは、食堂の受付として潜り込んだのである。
潜り込むのは、簡単であった。
彼は食堂の従業員の後をつけ、知り合いになり、彼に毒の水を飲ませた。
毒と言ってっも2日ぐらい腹をこわす程度である。そして、まんまと、わりに入った。
裕也は、カレーが好きでよく食べる。
「じゃー。カレーライス」
「これをかけると凄く美味しくなります。」
ヤァーは、粉状のものを振りかけた。
「そうなの。サンキュー」
裕也は、カレーライスを持って席に向かった。


つづく。
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