11 / 38
スーパーGR
しおりを挟むでも、バイクに乗ると全てを忘れられた。
GR50は、改造を重ねて。
シリンダーヘッドを外し、テーブルに硝子板を置き
そこに#400くらいの耐水サンドペーパーを貼る。
オイルを滴らし、慎重に当たり面を削ると
圧縮が上がる。
シリンダも外し、空気の通るポート、を拡大したり
タイミングを早めたり。それも、手作業で削った。
キャブレターは、京浜工業の20φにした。
エア・ファンネルをつけた。
マフラーも、レーシングチャンバーをつけた。
あまりにも音が煩い。
エンジンのパワーが、8000rpmくらいから出る言う
お化けバイクになってしまって。
125ccの4サイクルより早かった。
100km/hまでスピードメータを振り切り、タコメータも
12000rpmを超えて、回ろうとした。
とても危ないので、マフラーは純正の
サイレンサーをストレートにしたものにした。
そうすると、音は低くなって良かったし
低速トルクがあるので、乗りやすくなった。
それで、ギア比を下げて
ノーマルで12-41なのを
一時は13-33まで下げた。
ちょっとやりすぎかな、と
12-39にしたけれど
登り坂でもぐんぐん登る。
5速のまま、箱根くらいなら平気で登れた。
エンジンは面白いと思った。
バイクに乗っている間、何も考えなくていいので
それが好きだった。
ヘッドフォーンで音楽を聴いている時みたいに。
陽子さんからも手紙が来るようになり、ますます母の詮索が...(笑)
家に手紙を置いて置くと、読まれそうだから
バイト先のロッカーに仕舞うようにして。
手紙は郵便局止めにして貰ったり。
時々、お話したい時は
電話ボックスから掛けたり。
バイトが休みの日、たまーに
軽音楽部に行くと、音楽好きの連中と話ができて。
楽しかった。
ジャズ、クロスオーバーが好きな人は
そうはいなかったけど
同じ1年の上杉くんは
「ラリー・カールトン、ギターへた」
なんて落書きする、面白いやつで
結構、ジョージ・ベンソンの話をしたり。
ギター借りて、彼がジョージ、僕が
フィル・アップチャーチのマネして
「ブリージン」を弾いたり。
アルバイトの初めての給料で、買ったLPが「ブリージン」だったっけ。
文化祭で演れば、と言われたけど
そんな曲だと、紙テープの代わりに
トイレットペーパーを投げられそうだった。
実際に、「サウンド・オブ・サイレンス」を演った柿崎くんは
トイレットペーパーをぶつけられていた(笑)。
いい歌だったけど。
柿崎は、大学在学中に
アメリカを放浪。
ホンダXL250sで、あちこち走って来たらしい。
上杉くんとは、ずっと付き合いが続き
音楽スタジオに一緒に行ったりした。
後に上杉くんは、スタジオミュージシャンになり
何曲かアイドルの作曲もした。
だから、楽器は上手かっただろうと思う。
絵が上手だったから、絵描きになるかとも思って
イラストコンテストのエントリーを、僕が勝手に送ったりして
上杉くんは、それでも真面目に書いていた。
「誰だ!俺の名前で送りやがって」
とかいいながら。
それでも入賞したから、大したもんだと思う。
3年の時、僕のSR400で
シンセを運ぼうとして。
SRが大事な僕は、拒否して
喧嘩になった事もあった。
その話は、またあとで。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる