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汝、神と金銭に兼仕う事なかれ

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クリスチャンの信仰の言葉だけれども(笑)


人を愛しいと思う気持ちに、お金の有無は
関係ないって

そんな風に思うふたり。




生物なので、食べないといけないから
その程度の利得があればいい。


そう思う加藤は、昭和の人である。



友梨絵は平成の人、
なのだろうけれども(笑)


タイムトラベラー、なのかもしれないと
加藤が空想するくらいに


あまり、お金に頓着がない。



でも、友梨絵も

お店じゃなくて、どこかで

ふたりきりでいたい、と
思うようにもなった。



「おつかれさま~」って
バイトが終わる朝9時に



加藤が店を出る。



友梨絵も後を追って、店の駐輪場で
名残惜しそうに話していたり。



そんな時間が長くなった。



「お休みの日は、何してるの?」友梨絵が尋ねても


加藤は「ほとんど寝てるね。郵便局は
休みにならないし」掛け持ちアルバイトだと

休みを合わせるのは難しかった。



と、言うよりも

休む暇があるなら、働かないと
お金が足りないのだった。


時給800円で8時間働いても
一日6400円。
30日働いても18万円にもならない。

税金や保険を引くと、ぎりぎりだった。


掛け持ちだと、一日8時間働くのは
難しい。


それなので、休んでデート、なんてのは
無理だった。




友梨絵もまた、学校と仕事で
土日は昼間もアルバイトだったから
似たようなもので




「お正月かクリスマスくらいかな」と、友梨絵が言っても


「そうだね」と、加藤は曖昧に微笑むくらいだった。




いつまで続くとも知れない生活だけれども

加藤は、再就職をするまでと考えていた。
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