科学は、如何にしてヒトを幸せにするか～ななの例～

地図をください

ゆりえは、地図が読めなかった（笑）

地図のない時代から転送されてきたのだろうかと
加藤は思ったりもしたけれど

一応、お金は勘定できるから

縄文時代でない事は明らかだ（笑）。



広告の地図を見ても「これ、どっち行くのかなー」なんて
地図をひっくり返したり。


「駅とか、線路とか、大きい目印から見つけていけば」と、加藤が丁寧に言うと


「先生になるとよかったねー」なんて笑う。


教えるの上手だもん、なんて言う。



加藤が子供だった頃の教師は

程度の差はあっても
子供の立場で考える人ばかりだった。



そういう加藤は幸せだったのだろう。



ゆりえは、地図の読み方すら
まともに教えて貰えなかったのだろうから。



あるいは、地図のない時代から転送されてきたのか（笑）などと加藤は空想する。



教えれば、でも地図は読めるようになる。
賢い子だから、勉強ができないと言うのは
教え方がおざなりなのだろうと加藤は思う。


「あたし、バカだから」と言う。



そう、誰かに言われて生きて来たのだろうか？



自分だけは、そうは言わない。

そう加藤は考える。


誤っても訂正すればいいのだし

バカ、などと言うのは余計である。




自分だけは、そんな事は言わない。



それなので、ゆりえは

「優しいね」そう言うけれども

これが普通なのだと加藤は思う。


１９６０年代の人はみんなそうだったよ、と

そう居っても

その時代を知らない人には理解は難しい（笑）。