科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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天気

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そんな加藤を、神様は
天から見ていて


「あれは、神の領域に近いのぉ」と
微笑みながらひとりごと。


人間は争いを好む。それは
争って自分の子孫を残そうと言う
動物の生存プログラムのせいだが


簡単に言えば、雄だったら
精子が自動で作られるので(笑)
放出しないと苛立つし


放出すると快感があるようにプログラムされているので

その快感が無いとき、それを求めて苛立つ。


そんな単純なシステムである。


食べたい、眠りたいなんて
システムも同様だから


そのせいで、人々は争う。


あの三浦や、井川たちのような人々は
争いの中で育ってきたので
[優れなければならない]と命令されて
それだけで生きてきた。から、優れていないと
自認した時にどうしようもなくなってしまう(笑)それで悪い事をするのは変、なのだが。

肝心な事を親から教わっていないのである。悪い事をしてはいけない。
悪い事をされたら嫌だろう?と。

戦後の混乱に育った子供達は
無教育なので、井川のように
ものがあれば奪っていい、と言う感覚(笑)


実際、井川も
自動車免許はゴールドではない(笑)。





神様の視点では「あの加藤は、どちらかと言うと仏の領域かな。アジアンだし」


神様であれば、罪とか罰とか契約とか
割と正邪を分けて、悪い者を淘汰する。


仏はどちらかと言うと、自ら反省する事を
期待して、仏様は何もしない。

環境を整えて、悪い人々でも
やがて反省して良い行いをするように、などと
願う。



「優しいんだの」神様は
遠い青空を見ながら。


「あの加藤も、そろそろ天国に呼ぶかのぉ」


「ゆりちゃんはどうするんですか?」その声は
天使クリスタさんだった。



「おお、クリスタ。都合のいい時だけくるな」神様は笑顔になった。


天使クリスタさんは、柔和に


「ここは天国ですから、いつでもわたしは
ここに居ます」


天国は、座標がない。
どこにでもあるし、どこにもない。


人々が愛を感じる時、そこは天国であろう。

「うむ。あの、ゆりと言う娘も天使にしたらどうかの」神様は言った。


「神様は、かわいい女の子に甘いです」
クリスタは手厳しい(笑)。




加藤の家は、代々男は早出する。
55才で死んだ祖父、62で死んだ父。
38で死んだ兄。


江戸時代なら長命であったろうから

江戸の頃の魂が使われたのかな、と
神様は思った。






だが、加藤も夢には見る。


悪い奴らをみんな、ショットガンで撃ち殺してしまう夢。



別に、恐ろしいとは思わないが
現実にはできない。



母やゆりがいるからだ。



それに、殺したいような相手も
いつも悪党ではないだろう。


井川も、悪い役員に騙されて
使われている下っ端にすぎない。

本当に悪いのは、不正を許す制度なのだ。



そう考えるあたりが、神様の言う
仏のような公正、と言うあたりなのだろう。



加藤は、理論的な人物である。
科学者でもあるし、法律家でもあった。


そんな理由は、父母や兄が
どちらかと言うと主張の強い方だったせいもある(笑)



理論的に基準を示せば、彼らの命令を
退ける事が出来たから、でもあって(笑)


幼い加藤は理論家であった。



それゆえ、小学校一年の時に

担任女教師を論破してしまい

教師が逆上、なんて事もあったが



そんな経験を経て加藤は思うのである。



論争しても反省しない。


感情的になる人々は、言っても無駄なので


環境を変えてやるしかない。



そういう感覚である。





それを、神様は

仏陀の視点と言ったのだろう。





日本人の加藤だから、差別的感覚がない。
ひとそれぞれに生きていけば、狭い島なんだから。


豊かな自然の下に生きてきた日本人の感覚である。


対して、寒い大陸では
食べ物がないから分けない、自分が食う。
その為に差別化する。

差別された方は奪う、侵略する。


つまり、イジメや差別は日本人の感覚ではなく
寒い大陸から持ち込まれたものだ(笑)。



優れていなくてはならない、と言う
井川や三浦の強迫観念も、そういう大陸系である(笑)。



優れていなくてはならない。
無根拠であると論理的な人間なら思う(笑)。


教育された優劣などたかが知れている。
沢山の先人の教え、であるからで


従って、優れていても
先人に敬意を表し、謙虚であるべきなのだが


優れていたとしても、劣っているものを
卑下するのは間違いだし


滑稽な事である。



たまたま、その場で多少利得があったと
言うだけの事であるのだし
先人の偉業を使わせて頂いているだけ、である。

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