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ゆりは、自営業の父なので
父親の働きはそのまま収入になる、リニアな
価値観の父を見て育ったから
妬む事も知らないし、焦る事もない。
それなので、ゆり自身の身の危険があっても
避けられればいい、と考える
賢さがあった。
そういうあたりが、加藤を安心させるところでもあった。
例えば、会社員や役人の父親あたりの
娘だと
父親の働きは、上司の機嫌如何で
どうにでもなる(笑)
リニアな価値観のない父親は
出世した人々を妬んだりするし
狡い手段を取ったりもするだろう。
(イジメ、と言うのはそういう妬みから
来た犯罪であるが)。
そういう女の子だったら、恨んだり
妬んだり、果ては
身の危険が生じたら
補償だ責任だ、とみみっちい騒ぎになる事
しばし(笑)で
それでいくら儲かるの?幸せなの?と
加藤は内心思うので
そういう女の子とは距離を置くようになる。
それが、ゆりと加藤が引き合う理由でもあった。
「過ぎた事は、もういいの。先生だって
どうしようもなかったんだろうと思うし」
ゆりは、自己防衛で教師をやっつけてしまったので(笑)
そんな風にも言う。
なるほど、と
加藤は納得した記憶があるが
そんな、大人なゆりに比べて
60才の井川や40才の三浦は
なんと幼稚な事だろう、とも思う
会議中の加藤、であった。
そんな時でも、加藤の心は
音楽で満たされているから
井川や三浦たちの事は、心に響いて来ない。
WALKMANを付けて歩いているようなものだ(笑)
博士だろうが何だろうが、馬鹿は馬鹿だ。
科学者の加藤はそんな冷徹さも持っている。
「超電導モータがどうして無かったのに加藤さんに作れるのですか」と、林原と言う技術者が言った。
元々科学には疎いようなので、そんな事を
聞くのだが
加藤は「リニアモーターカーがありますね。
あれは冷やすのでリニアモーターになったんです。冷やさなければ回転モータにも出来ます」原理をイメージすればわかりそうな事だけれども
加藤は微笑みながらそういう。
林原は、超電導モータを使って
電気自動車を作る企画で
研究費を確保しようと考えているらしい(笑)。
元々は工学系で構造の出身らしい。
「まあ、研究所の構造もかわりますので」
総務担当のマネージャー、平川が言う。
加藤の作ったエネルギー源のおかげで
国は税金を取らなくても良くなった。
それまでの国、と言うのは
貨幣流通経済の中に存在していたので
国民から税金を徴収して国を運営していた。
だが、自然エネルギー源が無尽蔵に得られる事で
国は、その無尽蔵なエネルギーのうち、いくらかを
分けて貰えば
税金、なんて変なものを取らなくて済む。
天引きのようなものだ(笑)。
但し、エネルギー源を個人で運営するのは
自由なので
例えば風力や太陽光発電を
個人で作ればそのエネルギーを決済に使える。
税金がないので、その豊かさはすべて個人が得られる。
そんな経済の変換を、この研究所も受ける事になる。
これまで、研究所の経済活動によって
法人税、が発生するが
利益を全て、研究所の運営費に当ててしまえば
税金は少なくて済む。
それで、例えば860万円の高級車を買ったり(笑)
する事も何でもなかった。
スーパーコンピュータも買えるし、ポルシェやフェラーリだって買えた。
例えば外務省の機密費で競走馬を買うような
ものである。
それが、税金が無くなれば
そういう必要もない。
「研究費用は、これまで以上に節約を求められます。そこで監査されて」平井は元々
井川が嫌いである。
そういう感情は仕方ない。
平井はリベラルな人だから、不正は嫌いなのだ。
「来年度から、井川さんは契約になります。
三浦さんは派遣になってもらう、と言う決定が本社から」平井は事実を伝える。
「理由は何だ」井川は怒る。
これまで、役員の後ろ盾で
平井を顎で使っていたのが、立場が逆転してしまう。
三浦にしても、派遣をイジメていたのが
イジメられる側になってしまう(笑)。
「法務の監査により、不正な予算請求が
認められ、その予算に関わるお二人には
責任が求められると言う事、です」平井は
静かに言った。
悪い事をしていたので罰が与えられると
言う事、なのだが
役員の後ろ盾、と言っても
収入の経路が変わるので
役員がお金を産む構造ではなくなった。
何よりお金と言うものが
無くなるのだ。
それは、(向こうに行った)加藤の発明によるものだったが。
父親の働きはそのまま収入になる、リニアな
価値観の父を見て育ったから
妬む事も知らないし、焦る事もない。
それなので、ゆり自身の身の危険があっても
避けられればいい、と考える
賢さがあった。
そういうあたりが、加藤を安心させるところでもあった。
例えば、会社員や役人の父親あたりの
娘だと
父親の働きは、上司の機嫌如何で
どうにでもなる(笑)
リニアな価値観のない父親は
出世した人々を妬んだりするし
狡い手段を取ったりもするだろう。
(イジメ、と言うのはそういう妬みから
来た犯罪であるが)。
そういう女の子だったら、恨んだり
妬んだり、果ては
身の危険が生じたら
補償だ責任だ、とみみっちい騒ぎになる事
しばし(笑)で
それでいくら儲かるの?幸せなの?と
加藤は内心思うので
そういう女の子とは距離を置くようになる。
それが、ゆりと加藤が引き合う理由でもあった。
「過ぎた事は、もういいの。先生だって
どうしようもなかったんだろうと思うし」
ゆりは、自己防衛で教師をやっつけてしまったので(笑)
そんな風にも言う。
なるほど、と
加藤は納得した記憶があるが
そんな、大人なゆりに比べて
60才の井川や40才の三浦は
なんと幼稚な事だろう、とも思う
会議中の加藤、であった。
そんな時でも、加藤の心は
音楽で満たされているから
井川や三浦たちの事は、心に響いて来ない。
WALKMANを付けて歩いているようなものだ(笑)
博士だろうが何だろうが、馬鹿は馬鹿だ。
科学者の加藤はそんな冷徹さも持っている。
「超電導モータがどうして無かったのに加藤さんに作れるのですか」と、林原と言う技術者が言った。
元々科学には疎いようなので、そんな事を
聞くのだが
加藤は「リニアモーターカーがありますね。
あれは冷やすのでリニアモーターになったんです。冷やさなければ回転モータにも出来ます」原理をイメージすればわかりそうな事だけれども
加藤は微笑みながらそういう。
林原は、超電導モータを使って
電気自動車を作る企画で
研究費を確保しようと考えているらしい(笑)。
元々は工学系で構造の出身らしい。
「まあ、研究所の構造もかわりますので」
総務担当のマネージャー、平川が言う。
加藤の作ったエネルギー源のおかげで
国は税金を取らなくても良くなった。
それまでの国、と言うのは
貨幣流通経済の中に存在していたので
国民から税金を徴収して国を運営していた。
だが、自然エネルギー源が無尽蔵に得られる事で
国は、その無尽蔵なエネルギーのうち、いくらかを
分けて貰えば
税金、なんて変なものを取らなくて済む。
天引きのようなものだ(笑)。
但し、エネルギー源を個人で運営するのは
自由なので
例えば風力や太陽光発電を
個人で作ればそのエネルギーを決済に使える。
税金がないので、その豊かさはすべて個人が得られる。
そんな経済の変換を、この研究所も受ける事になる。
これまで、研究所の経済活動によって
法人税、が発生するが
利益を全て、研究所の運営費に当ててしまえば
税金は少なくて済む。
それで、例えば860万円の高級車を買ったり(笑)
する事も何でもなかった。
スーパーコンピュータも買えるし、ポルシェやフェラーリだって買えた。
例えば外務省の機密費で競走馬を買うような
ものである。
それが、税金が無くなれば
そういう必要もない。
「研究費用は、これまで以上に節約を求められます。そこで監査されて」平井は元々
井川が嫌いである。
そういう感情は仕方ない。
平井はリベラルな人だから、不正は嫌いなのだ。
「来年度から、井川さんは契約になります。
三浦さんは派遣になってもらう、と言う決定が本社から」平井は事実を伝える。
「理由は何だ」井川は怒る。
これまで、役員の後ろ盾で
平井を顎で使っていたのが、立場が逆転してしまう。
三浦にしても、派遣をイジメていたのが
イジメられる側になってしまう(笑)。
「法務の監査により、不正な予算請求が
認められ、その予算に関わるお二人には
責任が求められると言う事、です」平井は
静かに言った。
悪い事をしていたので罰が与えられると
言う事、なのだが
役員の後ろ盾、と言っても
収入の経路が変わるので
役員がお金を産む構造ではなくなった。
何よりお金と言うものが
無くなるのだ。
それは、(向こうに行った)加藤の発明によるものだったが。
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