ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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雪の降らない日々

おとーさんと、なな

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探り当てた後孔に唾液を絡めた右手中指を押し当てる。キスの影響か後孔は物欲しそうに震えていて、まだ縁に触れただけなのに吸い付いてきた。

「んぅっ……!」

後孔に触れると舌の反応が鈍くなり、口を離して見つめ合うと赤い瞳に期待の光が灯っているのが分かった。

「さっさとしろよ真尋ぉ」

雪風は甘ったるい声を出して俺を煽る。勝負は十分以内に雪風が挿入をねだるかどうか、キスや愛撫のおねだりはノーカウントだ。

「ひっ……ぁあんっ!」

唾液を絡めておいた中指を簡単に飲み込んだ後孔はほどよく柔らかい。慣れてはいるが、最近は使っていないといった具合だ。他人にも玩具にも浮気していない証拠だ。

「んっ、ぁ、んんっ!」

「……硬いな」

「お前、がっ……ぁんっ、ん、玩具も使うなって、言ったからぁっ、そう、してやってんだよぉっ」

俺ではない男に調教されて淫乱にされた雪風は全身とても敏感で、前立腺を避けて腸壁を押し撫でているだけで喘いでくれる。嬉しいし愛おしいのに、悔しくて虚しい。

「うん……我慢してくれてて嬉しい」

「……っ、たまにそういうガキっぽいとこ出すよなお前……タチ、悪いっての。なぁ、もっかいキス」

今日はやけにキスを欲しがるな。タイムロス狙いではないのかもしれない、雪風も寂しかったのかもしれない、案外と素直な雪風の心情を予想しつつ口内を犯す。

「んっ、んんっ……!」

柔らかい粘膜なのは口内も後孔も同じだ。濡れ具合は口の方が上だが、後孔も今分泌が盛んになり始めたところだ。

「んっ、はぁっ……ぁ?」

男には愛液なんてないはずなのになと考えつつ、濡れるように躾けられた後孔に指を入れたままキスを終える。雪風のものか俺のものか分からないが、濡れた唇を雪風の耳の縁に触れさせる。

「……雪風」

「んっ……!? ぅ、ふっ……」

少し声を低くして名前を囁いただけで雪風はビクンと身体を跳ねさせ、俺の中指をきゅうっと締め付けた。

「…………本当、お前俺の声好きだな」

「ぁあぁあっ……耳だめっ、耳はぁっ、ぁあぁっ、真尋の声しゅきぃいっ、ゾワゾワするっ、ゾクゾクするぅっ」

ふーっと息を吹きかけたり、耳たぶをはむはむと唇で挟んでみたり、唾液をたっぷり含ませた舌で耳の中を舐め回してみたり、後孔をほぐしながら耳を責めた。

「ぁ、ふっ……ふぁあっ、やらぁっ、耳っ、俺耳はよわ、ぁんっ、ん、下もぐちゅぐちゅ鳴って……ぃやっ、ゃああぁっ、んっ、ふっ、ふぅっ、うぅう……? なんでやめんだよぉ、もうちょいでイけたのに……」

雪風は心底残念そうに赤い瞳を潤ませる。雪風に挿入をねだらせなければならないのだから、焦らしプレイをして当然だ、逆の立場なら雪風だってそうしただろう。

「んぁっ! あ、そこっ、そこ好きっ」

下がった眉尻と潤んだ瞳に罪悪感を煽られた俺は、ご機嫌取りのために中指で前立腺を弄った。まずは軽く押し、次に指先を押し付けてコリコリと撫で転がした。

「ひぁああんっ! んっ、んんっ! 好きっ、そのくりくりすんの好きっ! もっと強くぅっ、ぐりぐりってしてぇっ!」

「……指よりもっと太いの欲しくないか?」

「ん、んんっ……!? その手にはっ、乗らねぇよ。指増やせっ、そぉだ、増やせ、もっと前立腺いじめろよ、腰立たなくしてくれよ、真尋ぉ」

ほどよく引き締まった雪風の手足が首と腰に絡みつく。俺は前立腺を責めるのをやめ、後孔の縁を指の腹で擦った。後孔はすぐに指に吸い付くようになって、入口を上下左右に微かに曲げるだけの愛撫になっていった。

「ん、だよぉっ、前立腺やれよ、けちっ……ひあっ!?」

雪風の頭の横にあるスマホを覗く。制限時間が残り二分半だと分かった俺は雪風の後孔から指を離し、代わりに陰茎を押し当てた。

「んっ……十分以内に入れたらお前の負けだぞ?」

「…………入れたい」

低い声を作って雪風の耳元で甘えるように囁く。そうしながら腰を揺らし、亀頭に吸い付かせた後孔の縁をぷにぷにと押して刺激を与える。

「なぁ、雪風……入れてって言ってくれよ、入れさせてくれ」

勝敗を決めるのは雪風が挿入をねだるかどうかだけ、俺が挿入させろとねだるのは何も問題ない。俺の懇願と実物を使った誘惑に耐えられたらもう次の手はない、これで雪風が陥落するかこのまま時間切れになるかの二択だ。
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