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夏休み
がまんがまん、ご
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……ッパァアアン! と、破裂音が部屋に響いた。音は俺に当たるよりも前に鳴っていた、本当に音速の壁とやらを超えているらしい。
「あっあぁあああっ!? ぁ、あぁぁぁ……ひっ、ぁ、あぁ……くっ、ぅぅぅ……ぅ、あぁぁ……」
鞭は俺の胸の下の方を打った。わざと乳首を避けたのだろう。皮膚が裂けてしまったのかと間違った認識をするほどに痛い、血が溢れる胸を容易に想像できる痛みだった。だが当然、雪兎は俺に怪我を負わせるようなヘマはしない。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………ぁぐっ、ぅ、あ……は、ぁぁ……」
無意識のうちに呼吸を浅く早くして痛みを逃がそうと努力する。痛みに身をよじればベッドの柵に紐を短く繋がれた首輪が首を絞める。
「……流石に痛そうだね」
余裕ぶりながらも雪兎が俺を心配しているのが分かる。
「痛い……です。めちゃくちゃ…………めちゃくちゃ、気持ちいい……最高に、痛くて気持ちいい」
不安げだった雪兎はパァっと花が開くように笑顔になり、それから安堵のため息をつき、聖母のような微笑みを見せた後、慌てて冷徹な目付きを作った。
「そ、そう……本当に変態だね、君は」
「もっとぉ……」
「ダメ! ポチ、今は自分の胸見えてないだろうけど……跡ついてるんだよ。つけようとしてつけた跡だから、僕の失敗じゃないからね」
負け惜しみなどではなく、本当だ。雪兎はそのくらいの加減は容易にこなす、俺の皮膚を裂こうと思えばやれただろうし、跡も残さないようにも打てただろう。
「だから、これは今日は一発だけ」
「そんなぁっ……お願いしますユキ様、別の場所ならいいですよね? 太腿、太腿にくださいユキ様っ!」
脇腹ならともかく、腹は微妙だ。内臓に響く打撃なら腹に欲しいが、皮膚だけを痛めつけるのは腹は微妙だ。尻、胸、太腿、背中……これが俺が鞭で打たれたいランキングだ。仰向けの今は尻も背中は不可能なので、太腿に欲しがってみた。
「太腿かぁ……太腿って結構敏感なんだよ? 太腿の骨折ってショック死することだってあるんだからね」
「知ってますよ叩かれてるんだから。その上で好きなんです。ユキ様なら俺を失神させるようなことすらせず、痛みを堪能させてくれますよね?」
「その信頼嬉しいよ」
嫌味っぽく言っているが、きっと本心だ。俺は雪兎の犬だから飼い主の機嫌は本能で分かるのだ。
「……打つよー?」
あわよくば陰茎に当たってくれないか、そんなよこしまな考えを持って首が絞まるのも構わず腰を突き出す。
「ひっ……あぁあぁあああぁああっ!? あぁっ、あぁあっ! ぁ、足、足とれたっ、足ちぎれたぁっ……はっ、はっ、はっ……あ、足、ある、ある……ぁああ……痛いぃ……はぁんっ、最高……ユキ様、愛してますぅ……」
残念ながら陰茎には当たらなかったが、しっかりと太腿のド真ん中を切るように鞭が振り下ろされた。
「……こっちのまだ痛い?」
「んぁっ! ぁ、はぁっ……はい、痛いですぅ……最高、です」
鞭の持ち手で胸の鞭跡をグリグリとえぐるようにされ、被虐欲を満たされる快感を膨らませながら感想を呟く。
「全く、君のせいで変な特技習得しちゃったよ」
長い鞭を巻きながら雪兎は楽しげに笑う。その笑顔は無邪気に遊ぶ子供のもので、とても歳上の男を鞭で打った直後とは思えなかった。
「あっあぁあああっ!? ぁ、あぁぁぁ……ひっ、ぁ、あぁ……くっ、ぅぅぅ……ぅ、あぁぁ……」
鞭は俺の胸の下の方を打った。わざと乳首を避けたのだろう。皮膚が裂けてしまったのかと間違った認識をするほどに痛い、血が溢れる胸を容易に想像できる痛みだった。だが当然、雪兎は俺に怪我を負わせるようなヘマはしない。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………ぁぐっ、ぅ、あ……は、ぁぁ……」
無意識のうちに呼吸を浅く早くして痛みを逃がそうと努力する。痛みに身をよじればベッドの柵に紐を短く繋がれた首輪が首を絞める。
「……流石に痛そうだね」
余裕ぶりながらも雪兎が俺を心配しているのが分かる。
「痛い……です。めちゃくちゃ…………めちゃくちゃ、気持ちいい……最高に、痛くて気持ちいい」
不安げだった雪兎はパァっと花が開くように笑顔になり、それから安堵のため息をつき、聖母のような微笑みを見せた後、慌てて冷徹な目付きを作った。
「そ、そう……本当に変態だね、君は」
「もっとぉ……」
「ダメ! ポチ、今は自分の胸見えてないだろうけど……跡ついてるんだよ。つけようとしてつけた跡だから、僕の失敗じゃないからね」
負け惜しみなどではなく、本当だ。雪兎はそのくらいの加減は容易にこなす、俺の皮膚を裂こうと思えばやれただろうし、跡も残さないようにも打てただろう。
「だから、これは今日は一発だけ」
「そんなぁっ……お願いしますユキ様、別の場所ならいいですよね? 太腿、太腿にくださいユキ様っ!」
脇腹ならともかく、腹は微妙だ。内臓に響く打撃なら腹に欲しいが、皮膚だけを痛めつけるのは腹は微妙だ。尻、胸、太腿、背中……これが俺が鞭で打たれたいランキングだ。仰向けの今は尻も背中は不可能なので、太腿に欲しがってみた。
「太腿かぁ……太腿って結構敏感なんだよ? 太腿の骨折ってショック死することだってあるんだからね」
「知ってますよ叩かれてるんだから。その上で好きなんです。ユキ様なら俺を失神させるようなことすらせず、痛みを堪能させてくれますよね?」
「その信頼嬉しいよ」
嫌味っぽく言っているが、きっと本心だ。俺は雪兎の犬だから飼い主の機嫌は本能で分かるのだ。
「……打つよー?」
あわよくば陰茎に当たってくれないか、そんなよこしまな考えを持って首が絞まるのも構わず腰を突き出す。
「ひっ……あぁあぁあああぁああっ!? あぁっ、あぁあっ! ぁ、足、足とれたっ、足ちぎれたぁっ……はっ、はっ、はっ……あ、足、ある、ある……ぁああ……痛いぃ……はぁんっ、最高……ユキ様、愛してますぅ……」
残念ながら陰茎には当たらなかったが、しっかりと太腿のド真ん中を切るように鞭が振り下ろされた。
「……こっちのまだ痛い?」
「んぁっ! ぁ、はぁっ……はい、痛いですぅ……最高、です」
鞭の持ち手で胸の鞭跡をグリグリとえぐるようにされ、被虐欲を満たされる快感を膨らませながら感想を呟く。
「全く、君のせいで変な特技習得しちゃったよ」
長い鞭を巻きながら雪兎は楽しげに笑う。その笑顔は無邪気に遊ぶ子供のもので、とても歳上の男を鞭で打った直後とは思えなかった。
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