ポチは今日から社長秘書です

ムーン

文字の大きさ
156 / 566
夏休み

ゆうかい? ろく

しおりを挟む
誘拐犯に前立腺マッサージ器具を挿入され、後孔を弄られてぐちゅぐちゅと淫らな音を鳴らし、射精せずに絶頂を迎えてしまった。
射精は割と簡単にしてしまうものだ、なんとか割り切れる。でもドライオーガズムは気持ちも必要なものだと何となく思っていて、誘拐犯に負けたような気がして、俺の自己嫌悪は危険な域にまで膨らんだ。

『イったね、それもドライ……いいね、調子出てきた?』

「…………俺なんか本気で標的にするわけない、俺なんか本気で犯したくなるわけないっ、俺じゃ勃たねぇから玩具ばっか使ってんだろ! ユキ様に嫌がらせしたいのか……? じゃあもぉ殺せっ! 殺せよっ! 俺を無駄に辱める必要なんかねぇだろぉがっ!」

『え……ちょ、どうしたの、急に……』

「ユキ様……ユキ様っ、やだぁっ、ユキ様に一目も会えずに死にたくないでもユキ様にこんなの知られたくないっ! もぉ嫌ぁあっ!」

四肢に力を込めても拘束具はぎちぎちと音を立てるだけで壊れることはない。

『……もう限界かな、僕の我慢の方も』

「んぁあっ! は、ぁう……なんだよ、なんなんだよっ、クソ……」

前立腺マッサージ器具が引き抜かれた。前立腺を弾かれた快感は直後に後孔に押し当てられた熱いものにより忘れさせられた。

『入れるよ』

「は……!? ま、待てっ、本物……? やめろ、やめてくれっ、頼むやめろっ、やめてくださいっ!」

『なんでそんなに嫌がるの?』

男性器の挿入を嫌がる理由なんて一つしかない。

「ユキ様が……嫌がる。俺はユキ様の犬、その穴はユキ様専用で…………専用、だから……他の人は入れちゃダメで……」

『……どこまで行ってもユキ様ユキ様、主体性ってものがないのかな』

「俺のご主人様はユキ様……主が居るのに、なんで主体性なんか……」

ボイスチェンジャーで変えられた不気味な声がケラケラと楽しげに嗤った。

『たまらないね、抱くよ』

一通り笑って落ち着いた誘拐犯は躊躇なく俺の後孔に陰茎を挿入した。

「んゃあぁああっ!? ぁ、あっ……やら、抜いて……ゃ………………あ?」

ずぷずぷと入ってくる陰茎は硬く、熱く、太い。結構な長さもあるようだ。

『はぁ……締め付け最高。根元まで入ったよ、どう? 感想は?』

臍の少し下まで入れられた。前立腺も腸壁もきゅんきゅんとときめいている。犯して欲しいと全身の細胞が訴えている。

「…………ゆき、さま……?」

ぎゅうっ……と締め付けて感じる陰茎の形。カリ高のそれは確かに雪兎の男根だ、俺が間違えるわけがない。

「ゆきさま……ユキさまっ、ユキ様なんですかっ? ユキ様ぁ……ぁ、あっ、ユキ様、ユキ様ぁ、嬉しい、ユキ様、ユキ様のぉっ……ぁ、あぁっ……イ、くぅっ!」

数ヶ月ぶりの雪兎の陰茎に歓喜した身体はあっさりと絶頂を迎え、腸壁は痙攣しながらも必死にしゃぶりついた。

『やっぱりあっさり分かっちゃったかぁ……知らない人に犯されてる絶望で無反応になるくらいまで責めたかったのにな」

ボイスチェンジャーを外したようで、不気味な声は途中から雪兎の声になった。その声を聞くと更に身体は反応し、自分でも驚くくらいの多幸感に満たされた。

「分かっちゃいますよぉユキさまぁっ、ひどいですっ、ホントにいじわるなんですからぁ」

「いじわる好きだろ?」

「大好きですっ! でも……今回のは、ひどい……」

「ごめんね。はい、お詫び」

革手袋を外したらしい、しっとりとした素手が下腹を軽く押さえる。それだけで俺は精液を吹き、雪兎の手を汚した。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...