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濁点まみれのプロポーズ
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後孔の中にお湯を注いで、気張ってお湯ごと精液を吐き出す。そんな地道な洗浄作業を終えた歌見は疲れた顔をしていた。
「人前で……俺は何を……羞恥心、尊厳……人として大切なモノを一通り失った気がする」
洗浄中も何度か絶頂を迎えてしまっていた彼の身体は酷く敏感だ。俺とアキで後孔と口を同時に犯すという串刺しプレイをした結果、連続絶頂に陥った彼は行為を終えた後もしばらく足の痙攣が止まらず、最終的には足腰が立たなくなった。
「まだ下腹がピクピクしてる気がするぞ……」
「えっちぃですなぁ。さ、パイセン、あちらにっ……ん? パイセン、立ってくだされ」
肩を貸して立ち上がらせようとするも、歌見は立たない。立つのも歩くのもある程度は自分の足でやってもらわないと、肩を貸した程度じゃどうしようもない。
「は、入らない……力が、全然」
「……少しもですか? 立ち上がる瞬間はフンヌッとしていただきたいのですが……じゃなきゃ立たせられませんし」
「むり……」
「…………ちょいと失礼。アキー! アキーっ!」
大声でアキを呼び、歌見の世話を手伝ってもらった。二人がかりで無理矢理立たせてみたが、床を踏んだ歌見の足はガクガクと震えるばかりで自身の体重を支えられなかった。
「ミツキ……なんてことを」
「とんでもないのぅみっちゃん」
背後に居る見えない二人からもドン引きされてしまった。
「セイカ……悪い、車椅子貸してくれ」
「え、あぁ……別にいいけど。玄関に置いてるからちょっと待って」
「あぁ俺が取りに行く俺が取りに行く」
俺だって腰が辛い、歌見をずっと支えて歩くのは難しい。庭を突っ切るためだけに車椅子を使った。
「パイセン頑張って! 腕力腕力!」
「ぐっ……もっと押してくれ。もっと……ぅあっ!? ズ、ズボンをくい込ませるような持ち方はやめてくれ!」
ベランダ程度の狭さとなったウッドデッキによじ登るのは歌見にも全力を尽くしてもらった。俺は上から歌見のベルトを掴んで引っ張り上げようとしたが、上手くいかなかったので下に回って足を持ち上げた。
「はぁ……はぁ、疲れる……」
ウッドデッキの上に寝転がり、歌見は疲れた顔で赤紫色の空を見上げた。
「パイセンを余裕でお姫様抱っこ出来るように鍛えていきたい所存でありまする……」
「俺が体重落とした方が早そうだが」
「とんでもない! やめてくだされ! このたまんねぇボリュームの雄っぱいと雄尻がわたくしの力不足のせいでしぼむなど……腹を! 切りたい!」
「セイカ、アキくんに俺をソファまで連れてってくれるよう頼んでくれ」
「無視しないで! わたくしに構ってぇ!」
再びアキと協力して歌見をリビングのソファまで運んだ。俺はもうクタクタだが、アキはまだまだ余力があるようでセイカを抱えてクルクルと回っていた。
「目ぇ回すなよアキ~……はぁ、ホントすみませんパイセン……流石にヤり過ぎました」
「謝るな、申し訳なさそうな顔するな、って言ったはずだが?」
ぎゅむ、と片手で顔を掴まれて頬をへこまされる。
「……ふふ、気持ちよかったよ。ダーリン」
「…………ッ、ポォオオオォッ!」
恥ずかしそうに、ふざけ半分で微笑んだ歌見への興奮を俺は奇声でしか表現出来なかった。
「うわびっくりした」
「じっ、じあわじぇに……じあわぜにっ、じまずがら……」
「あ、あぁ……ありがとう」
「げっごんじで……」
「法整備されたらな」
勢いでプロポーズしてしまったらOKをいただいてしまった。どうしよう、指輪とか用意してないや。
「あ、パイセン。大阪土産と京都土産、それからちょっと前の遊園地デート土産がありまっそ」
「へぇ」
「ちょっと待っててくだされ」
歌見をソファで待たせて取り分けておいた一人分の土産を持って戻る。
「これが京都土産の八つ橋で、こっちが遊園地デートのお土産……ペンです、恐竜のストラップ付いてるので好きなの選んでください」
「八つ橋! 何気に初めてだ、ありがとうな。ストラップ……あぁ、色々あるな。これ他の子にも配るのか?」
「はい、一本ずつです。まだセイカにしか渡せてないんですよね、リュウとハルには会ったんですけどこれ持ってくの忘れちゃって……夏休み中に会えたら渡すか、出来なかったら学校でって感じですね~」
「一本ずつかぁ……ティラノ行きたいけど、流石に遠慮するなぁ……」
「好きなの選んで欲しいんですけど、そういうもんですか?」
「みんなティラノ欲しいだろ? セイカだって遠慮したんだよな」
「……ゃ、俺は……モササウルス、好きだし」
「モッさんか。それは遠慮してないな」
歌見の中での恐竜のランク付けがよく分からない。
「じゃあ、俺も遠慮なくティラノ選ばせてもらおうかな。鳴雷に抱き潰された慰謝料だ」
「お土産ですってばぁ」
「……大阪土産は? いや、催促する訳じゃないが……あるって言ってたろ」
「冷凍食品なので帰りにお渡ししますね」
「冷凍食品を土産に……あぁ、そういやもういい時間だな、そろそろ帰らないと」
「え、晩ご飯食べていかないんですか?」
「迷惑だろ」
「もうママ上に連絡しちゃったんで帰られる方が困りますが」
歌見は目を丸くし、それから笑った。
「ったく。ありがとうな、水月。一食分でも食費が浮くのはマジで助かる……」
「頻繁に来てくださっても構いませんが」
「後輩の家に飯たかりに来るのはちょっと、プライドが」
歌見は歳上だの歳下だのを気にし過ぎだと思う。大変な時は頼って欲しい、そりゃ毎日夕飯に呼んでいたら母も内心いい顔はしないかもしれないけれど、隔日くらいなら許してくれると思いたい。
(……甘過ぎるでしょうか)
既に俺のワガママで一人扶養家族を増やしてしまっているしなぁ、とセイカを見る。
「ん……?」
アキの膝の上でセイカは不思議そうに俺を見つめ返した。そこに再会したての頃のような怯えや不安の表情はない、純粋に俺の視線の意味を不思議がっている。
「…………」
「わっ……えへへ」
少しは彼にとってのこの家の居心地がよくなっていると思いたい。頭を撫でると彼は一瞬驚いた後、幸せそうに笑った。
「人前で……俺は何を……羞恥心、尊厳……人として大切なモノを一通り失った気がする」
洗浄中も何度か絶頂を迎えてしまっていた彼の身体は酷く敏感だ。俺とアキで後孔と口を同時に犯すという串刺しプレイをした結果、連続絶頂に陥った彼は行為を終えた後もしばらく足の痙攣が止まらず、最終的には足腰が立たなくなった。
「まだ下腹がピクピクしてる気がするぞ……」
「えっちぃですなぁ。さ、パイセン、あちらにっ……ん? パイセン、立ってくだされ」
肩を貸して立ち上がらせようとするも、歌見は立たない。立つのも歩くのもある程度は自分の足でやってもらわないと、肩を貸した程度じゃどうしようもない。
「は、入らない……力が、全然」
「……少しもですか? 立ち上がる瞬間はフンヌッとしていただきたいのですが……じゃなきゃ立たせられませんし」
「むり……」
「…………ちょいと失礼。アキー! アキーっ!」
大声でアキを呼び、歌見の世話を手伝ってもらった。二人がかりで無理矢理立たせてみたが、床を踏んだ歌見の足はガクガクと震えるばかりで自身の体重を支えられなかった。
「ミツキ……なんてことを」
「とんでもないのぅみっちゃん」
背後に居る見えない二人からもドン引きされてしまった。
「セイカ……悪い、車椅子貸してくれ」
「え、あぁ……別にいいけど。玄関に置いてるからちょっと待って」
「あぁ俺が取りに行く俺が取りに行く」
俺だって腰が辛い、歌見をずっと支えて歩くのは難しい。庭を突っ切るためだけに車椅子を使った。
「パイセン頑張って! 腕力腕力!」
「ぐっ……もっと押してくれ。もっと……ぅあっ!? ズ、ズボンをくい込ませるような持ち方はやめてくれ!」
ベランダ程度の狭さとなったウッドデッキによじ登るのは歌見にも全力を尽くしてもらった。俺は上から歌見のベルトを掴んで引っ張り上げようとしたが、上手くいかなかったので下に回って足を持ち上げた。
「はぁ……はぁ、疲れる……」
ウッドデッキの上に寝転がり、歌見は疲れた顔で赤紫色の空を見上げた。
「パイセンを余裕でお姫様抱っこ出来るように鍛えていきたい所存でありまする……」
「俺が体重落とした方が早そうだが」
「とんでもない! やめてくだされ! このたまんねぇボリュームの雄っぱいと雄尻がわたくしの力不足のせいでしぼむなど……腹を! 切りたい!」
「セイカ、アキくんに俺をソファまで連れてってくれるよう頼んでくれ」
「無視しないで! わたくしに構ってぇ!」
再びアキと協力して歌見をリビングのソファまで運んだ。俺はもうクタクタだが、アキはまだまだ余力があるようでセイカを抱えてクルクルと回っていた。
「目ぇ回すなよアキ~……はぁ、ホントすみませんパイセン……流石にヤり過ぎました」
「謝るな、申し訳なさそうな顔するな、って言ったはずだが?」
ぎゅむ、と片手で顔を掴まれて頬をへこまされる。
「……ふふ、気持ちよかったよ。ダーリン」
「…………ッ、ポォオオオォッ!」
恥ずかしそうに、ふざけ半分で微笑んだ歌見への興奮を俺は奇声でしか表現出来なかった。
「うわびっくりした」
「じっ、じあわじぇに……じあわぜにっ、じまずがら……」
「あ、あぁ……ありがとう」
「げっごんじで……」
「法整備されたらな」
勢いでプロポーズしてしまったらOKをいただいてしまった。どうしよう、指輪とか用意してないや。
「あ、パイセン。大阪土産と京都土産、それからちょっと前の遊園地デート土産がありまっそ」
「へぇ」
「ちょっと待っててくだされ」
歌見をソファで待たせて取り分けておいた一人分の土産を持って戻る。
「これが京都土産の八つ橋で、こっちが遊園地デートのお土産……ペンです、恐竜のストラップ付いてるので好きなの選んでください」
「八つ橋! 何気に初めてだ、ありがとうな。ストラップ……あぁ、色々あるな。これ他の子にも配るのか?」
「はい、一本ずつです。まだセイカにしか渡せてないんですよね、リュウとハルには会ったんですけどこれ持ってくの忘れちゃって……夏休み中に会えたら渡すか、出来なかったら学校でって感じですね~」
「一本ずつかぁ……ティラノ行きたいけど、流石に遠慮するなぁ……」
「好きなの選んで欲しいんですけど、そういうもんですか?」
「みんなティラノ欲しいだろ? セイカだって遠慮したんだよな」
「……ゃ、俺は……モササウルス、好きだし」
「モッさんか。それは遠慮してないな」
歌見の中での恐竜のランク付けがよく分からない。
「じゃあ、俺も遠慮なくティラノ選ばせてもらおうかな。鳴雷に抱き潰された慰謝料だ」
「お土産ですってばぁ」
「……大阪土産は? いや、催促する訳じゃないが……あるって言ってたろ」
「冷凍食品なので帰りにお渡ししますね」
「冷凍食品を土産に……あぁ、そういやもういい時間だな、そろそろ帰らないと」
「え、晩ご飯食べていかないんですか?」
「迷惑だろ」
「もうママ上に連絡しちゃったんで帰られる方が困りますが」
歌見は目を丸くし、それから笑った。
「ったく。ありがとうな、水月。一食分でも食費が浮くのはマジで助かる……」
「頻繁に来てくださっても構いませんが」
「後輩の家に飯たかりに来るのはちょっと、プライドが」
歌見は歳上だの歳下だのを気にし過ぎだと思う。大変な時は頼って欲しい、そりゃ毎日夕飯に呼んでいたら母も内心いい顔はしないかもしれないけれど、隔日くらいなら許してくれると思いたい。
(……甘過ぎるでしょうか)
既に俺のワガママで一人扶養家族を増やしてしまっているしなぁ、とセイカを見る。
「ん……?」
アキの膝の上でセイカは不思議そうに俺を見つめ返した。そこに再会したての頃のような怯えや不安の表情はない、純粋に俺の視線の意味を不思議がっている。
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