冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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ステゴとトリケラ

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薄いゴムに包まれた陰茎二本をそっと握る。フタはまだ半勃ちだ、ちゃんと手で支えてやらないといけない。

「こうやって、おちんちん同士を……擦り、合わせることをっ……兜合わせって、言うんですよ」

フタの手にはスマホが握られている。行為中にスマホ弄りなんてその場で別れ話に発展しかねないが、フタの場合は俺が話した用語をメモしているのが可愛いので問題ない。

「……っ、はぁ……だんだん大きくなってきましたね。もうすぐ完勃ち……んっ、ふ……フタさん、フタさん……ね、キスしましょ」

「ん、何……みつきぃ、ちゅー? いいよぉ」

フタに頭を抱き締められ、舌を絡ませ合う。唾液に熱い吐息と声未満の喘ぎが混じり、口と口の隙間で溶け合う。

「んっ、ん……んんっ……!」

両手で作った筒に陰茎二本を包み、腰を振って自分の手とフタの陰茎に陰茎を擦り付ける。キスは激しく、言葉は交わせないが、フタは息継ぎもろくにせず一心不乱に舌を絡ませてくれているから、彼の気持ちは十二分に伝わってくる。

「んっ、ふ……ぅっ……!」

ゴムの中に精液を吐き出す。フタより先に絶頂してしまったのを誤魔化すように俺は両手で彼の陰茎を責め立てた。幹部分を激しく扱きつつ、亀頭をカリカリと爪で刺激した。尿道をほじるように人差し指で先端を責め、カリを弾いた。

「ぅ……あっ! はぁ……みつきぃ……出たぁ……」

「ふぅー…………はい、いっぱい出ましたね、フタさん。えらいですよ」

何となく、そう、何となく、何の考えもなく俺はフタの頭を撫でながら額にキスをした。

「……みつきぃ?」

「はい?」

「………………何言おうとしたか忘れた」

「えぇ? 気になるなぁ……」

さて、どうしようかな。俺はもう二、三発やってもいいんだが、フタはどうだ? 初めてだし、帰りの運転もあるし、今日はここまでにしておくべきかな。

「とりあえずゴム外しますね。ゴムはですね、ここに溜まった精液が零れちゃわないように、ひっくり返さないように外すんですよ」

「ふーん……」

気持ちのこもっていない返事を聞きながらゴムを外し、口を縛った。

「俺が処分しておきますから」

鞄に入れておいたビニール袋に二つの使用済みゴムを入れ、ティッシュで軽く陰茎を拭って服を整え、俺は助手席に戻った。

「…………帰るぅ?」

「そう……ですね。フタさんはどうしたいですか?」

「んぁー…………ちょっと、休憩」

「ふふ、それがいいですね。フタさんが休憩している間、ちょっと胸揉んでもいいですか?」

「胸ぇ? いいよぉ?」

倒した運転席に仰向けになり、目を閉じて休憩を始めたフタの胸に触れる。俺も席を倒して、フタの方を向いて寝転がりながら左手だけでだ。

「何が楽しいのか知んないけどぉー……」

タンクトップの上から柔らかい筋肉の揉み心地を楽しみつつ、乳首を探す。手の力を抜いて揉むのをやめ、指の腹だけでつぅっと左胸を撫で続けると、怪しい突起が現れた。

(キタキタキタァーッ! おてぃくび様でそ!)

なかなか硬くならない、全くの未開発のようだ。まぁ、ゴムの使い方も分かっていない彼の乳首が開発済みだったらもう何も信じられなくなるけれど。

(……ちょっと硬くなってきましたかな? こりこりくりくり……ふほほっ、乳首でイけるようにしてやりまそ~)

根気強く刺激し続けて、ようやく硬くなった乳首をカリカリと布越しに引っ掻く。開発済みの彼氏ならもう喘ぎ出している頃だろうが、フタは無反応だ。

「…………楽しい? それ」

「はい!」

「ふーん……そろそろ車出そうと思うんだけどぉー」

「あっ、すいません。邪魔ですよね」

パッと手を離して座席を起こすとフタもそうして、程なくして車が発進した。真っ暗な山道を下っていくのはフタの運転に不安があるのもあって怖かったが、幸い事故は起こさずサンの家の前で停まった。

「サンちゃーん、お土産~」

「こんばんは、サン。お土産持ってきたよ」

「いらっしゃい、兄貴、水月。お土産? なになに?」

俺はステゴサウルスを模したティッシュカバー、フタはトリケラトプスが胸を貫通している服をそれぞれ渡した。

「背中から出したティッシュがステゴサウルスの背鰭みたいになるんだ。背鰭っていうか、骨板……」

「二人ともお土産可愛いね。兄貴のは……セーター? だから今の季節は着れないけど」

「それねぇ、えーっと……トライアングルトップスなんだって」

「トリケラトプスです」

「仰向けにもうつ伏せにも背もたれのある椅子に座ることすら出来ないけど、まぁありがと、兄貴」

贈られたという事実以外はあんまり嬉しくないんだろうな。

「んじゃ、みつき送ったら泊まりに来るからぁ~」

「待ってるよ」

「今日お泊まりなんですか?」

「うん」

「あの……俺、ご一緒してもいいですか? 今日は帰らないかもって母さんには言ってますし……」

「水月泊まってくれるの? 嬉しい。おいで水月、お風呂沸かしてあるから一緒に入ろ。髪洗ってよ」

サンに抱きつかれ、頭に頬擦りされる。家主の歓迎に安心しつつフタを見ると、彼は緩い笑顔を浮かべて俺達を眺めていた。こちらも俺の飛び入り参加に異論はないらしい。

「サンちゃん嬉しそ~。んじゃ俺荷物と車置いてくるから」

「あっ、待ってください。俺も行きます。ごめんねサン、もう少し待ってて?」

「え~……まぁ、兄貴一人行かせるのも心配だし……じゃあ水月の着替え用意して待ってるね」

「うん、ありがとう。ばいばい」

手のひらを合わせ、指を絡めたまま手を振る。これがサンに伝わる手の振り方だ、フタがしているのを見て覚えた。

「会社の人達にお土産渡さないとですね」

再びフタの車に乗り、山道とは違う明るい街の夜道を行く。この街の明るさはただの街灯や家の灯りとは少し違う、不健全さのあるものだ。

「おー、そうだったそうだった……まだ居るかな~?」

「あ、そっか……こんな時間じゃ誰も居ないかもしれませんね」

事務所に車を停め、荷物を取るとさっさと中へ入ってくフタを慌てて追いかける。俺達の予想は外れ、事務所内には多くの社員が……フタの弟分達が居た。残業中という訳ではなさそうだ、換気扇も回さずタバコをふかし、ジャラジャラと音を鳴らして麻雀を楽しんでいる。

「フタさん、おかえりなさい」
「デートどうっしたか?」

「デートぉ……?」

「あれ、サンさんのモデルの子じゃん」
「うわめっちゃイケメン何その子誰?」

「あっ、えっと……あの」

反社会的な雰囲気漂う酒臭くタバコ臭い大人達に囲まれ、思わずフタの背に身体を半分隠してしまう。

「……フタさん? あのー……もしかして」
「最近出来た恋人って……そのガキんちょっすか」

「…………言ってなかったっけぇ?」

社員達は「聞いてないっすよ!」と示し合わせたように口を揃えて叫んだ。
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