1,142 / 2,304
ジャングル風レストラン
しおりを挟む
フリーフォールの次に選んだアトラクションはバイキングと呼ばれる、振り子のようなものだった。
「水生の恐竜に襲われて揺れる船をイメージした、か。水生の恐竜……? 絵はプレシオサウルスとかその辺っぽいけど、首長竜って何か温厚なイメージありますよね」
「……キリンの仲間?」
「全部爬虫類なのでトカゲの仲間ですよ。恐竜は鳥に進化したって話ですけどね」
フタは首を傾げている。俺だって分類や進化についてはちゃんと理解している訳ではないのだ、他人に噛み砕いて説明するなんて芸当出来やしない。
「遠心力かかるんだろうなぁ……楽しそう」
今度は酔いませんように、そう願って船を模したアトラクションに乗り込んだ。だが、願い虚しくアトラクションを降りた後俺はその場に座り込んでしまうほど弱ってしまった。
「ぅう……」
「みつきやばくねー? びょーいん近くにあるかなぁ」
フタに肩を借りてアトラクションから離れ、運行の邪魔にはならないように気を付けた。
「病院なんて大袈裟な……大丈夫ですよ」
「そっかぁ、んじゃ次行こっか」
しまった。フタは素直なんだった。態度や顔色がどんなものであろうとフタは大丈夫だと聞いたら大丈夫なんだなと素直に受け止めてしまうのだ。
「は、はい……」
まぁ、そんなに重症ではないから歩くくらいなんてことないし、次のアトラクションに乗るために並んでいる間に回復しきるだろうから、問題はあんまりないけど。
(大丈夫って言ってるけど大丈夫じゃないの! 察してよ! なんて面倒臭いこと言うつもりはありませんが……大丈夫って言ったら即そっかぁと信用され、その後一切体調を気遣われないというのは、なんだかなぁって感じでそ)
複雑な思いを抱えたまま次のアトラクションに向かって歩いていると、フタのスマホが鳴った。
「電話ですか? アラーム?」
「昼飯の時間……飯食わなきゃ」
朝、昼、晩、全て時間を決めてアラームを設定してあるのだろうか。意外とマメな人だな。
「お腹空きました? じゃ、レストラン行きましょっか」
「腹は減ってねぇけど……」
「そうですか? じゃあまた後でいいですかね」
「んゃ、食べる」
「じゃあ行きましょ」
チュロスやポップコーンを売っている屋台はあるが、ちゃんと食事が出来るレストランは園内に一つしかない。迷わなくていいな。
「なんかごちゃごちゃしてる……」
「恐竜居そうですね」
ジャングル風の内装が気分を盛り上げてくれる。
「何食べます?」
「これ」
「早……俺は、んー……ハンバーグにしようかな」
「押していい?」
「何を……あぁ、呼び出しベルですか。はい、どうぞ」
フタはチキンステーキ、俺は卵が乗ったハンバーグを注文し、しばらく待った。待っている間フタは内装を気にしているようだったが、一言も発さなかった。
(黙ってても怒ってたり退屈がってる訳じゃないとサンさんから聞いてはいますが、不安ですなぁ)
サンいわくフタはあまり会話を楽しむタイプではないらしい。じゃあどうやって楽しませればいいんだ? 部屋の素っ気なさを見た後では物を喜ぶタイプでもないと分かるし、ファッションにも無頓着と来たものだ。今回のような体感型の施設へのデートが一番なのだろうか。
(……セックスめっちゃ好きとかないですかな)
味の薄いハンバーグを食べながら、美味そうにチキンステーキを食べるフタを眺める。じっと見つめていたら他の彼氏なら「何?」と聞いてきたり照れたりするものだけれど、フタは俺の視線に気付くと何も言わずに見つめ返してきた。
(フタさんの髪は外ハネがすごいですよな、サンさんも毛先だけはくりんっと外側に巻いてますが……フタさんももう少し伸ばせば巻くんでしょうか。兄弟で前髪の白メッシュお揃いってのが可愛いですよな。ヒトさんもお揃いなのは意外と言うか……仲悪いんじゃないの? と疑問に思ってしまいますな)
もぐもぐと口を動かしているけれど、今は頬は痛くないのだろうか。頬に貼ったガーゼはいつの傷を手当したものなのだろう、やはりヒトに殴られたのだろうか。腕の包帯も痛々しい、指の骨折の調子はどうだろう、見えないところにも傷があるのだろうか。気になることばかりだ。
「……フタさん、じっと見てても何も言わないんですね。普通気になると思うんですけど……見られてるの、気になりません?」
あまりにも見つめ合う時間が長いので、つい尋ねてしまった。
「えー? だってさぁ、みつきと俺は恋人だろ?」
「はい……」
「恋人はさぁ、好き同士なんだからー……好きなもんって見てたくなるもんだからぁー、こういうのが、何? その、アレ、さほー? ってヤツかなって。デートの。デートのさほー」
食事中に見つめ合うのはデートの作法? あぁ、なんて可愛らしい考え方だろう。
「いいですね! その作法すごくいいと思います。食べながら喋るの行儀悪いですし、可愛くて見てるだけなのに何ーとか聞かれても困りますしね。不思議そうな顔とか照れた顔も可愛いんですけど」
「……? ふーん。俺デート初めてだからさぁー……分かんないんだよね色々」
「俺もまだまだ分からないことだらけですよ、人によっても変わりますし」
「へぇー……?」
興味なさげな、退屈そうな返事に聞こえてしまうけれど、そんなことはないのだろうか? やっぱりよく分からない。
「……あの、最初から気になってたんですけど……ほっぺた、大丈夫ですか?」
「ほっぺた……?」
「顔の、ここの……怪我。やっぱりヒトさんですか?」
自分の頬をつつきながら言うと、フタは自分の頬に触れてガーゼを見つけた。
「…………何だっけこれ」
「えぇー……ヒトさんに殴られたんじゃないんですか?」
「うーん……どうだったっけ。ちょっと見て」
「えっ、ちょ、剥がしちゃダメっ……」
俺の静止は遅く、ガーゼはべりっと剥がされてその下の傷が顕になった。蚯蚓脹れらしき細長い傷だ。
「血ぃ止まってる?」
「は、はい……」
「んじゃもういいや」
フタはガーゼをポケットに突っ込んだ。
「……痛みは?」
「んー、ないかな」
どうやって付けられたものなのだろう。ヒトは殴るだけじゃなく、引っ掻きもするのか……ん? 引っ掻く?
「あの、フタさん。猫ちゃん達に引っ掻かれたりします?」
「ん? たまにー……かな?」
引っ掻くと言えば猫だ。まだヒトへの疑いが消えた訳ではないが、頬の傷は猫によるものという可能性が大きいだろう。
「水生の恐竜に襲われて揺れる船をイメージした、か。水生の恐竜……? 絵はプレシオサウルスとかその辺っぽいけど、首長竜って何か温厚なイメージありますよね」
「……キリンの仲間?」
「全部爬虫類なのでトカゲの仲間ですよ。恐竜は鳥に進化したって話ですけどね」
フタは首を傾げている。俺だって分類や進化についてはちゃんと理解している訳ではないのだ、他人に噛み砕いて説明するなんて芸当出来やしない。
「遠心力かかるんだろうなぁ……楽しそう」
今度は酔いませんように、そう願って船を模したアトラクションに乗り込んだ。だが、願い虚しくアトラクションを降りた後俺はその場に座り込んでしまうほど弱ってしまった。
「ぅう……」
「みつきやばくねー? びょーいん近くにあるかなぁ」
フタに肩を借りてアトラクションから離れ、運行の邪魔にはならないように気を付けた。
「病院なんて大袈裟な……大丈夫ですよ」
「そっかぁ、んじゃ次行こっか」
しまった。フタは素直なんだった。態度や顔色がどんなものであろうとフタは大丈夫だと聞いたら大丈夫なんだなと素直に受け止めてしまうのだ。
「は、はい……」
まぁ、そんなに重症ではないから歩くくらいなんてことないし、次のアトラクションに乗るために並んでいる間に回復しきるだろうから、問題はあんまりないけど。
(大丈夫って言ってるけど大丈夫じゃないの! 察してよ! なんて面倒臭いこと言うつもりはありませんが……大丈夫って言ったら即そっかぁと信用され、その後一切体調を気遣われないというのは、なんだかなぁって感じでそ)
複雑な思いを抱えたまま次のアトラクションに向かって歩いていると、フタのスマホが鳴った。
「電話ですか? アラーム?」
「昼飯の時間……飯食わなきゃ」
朝、昼、晩、全て時間を決めてアラームを設定してあるのだろうか。意外とマメな人だな。
「お腹空きました? じゃ、レストラン行きましょっか」
「腹は減ってねぇけど……」
「そうですか? じゃあまた後でいいですかね」
「んゃ、食べる」
「じゃあ行きましょ」
チュロスやポップコーンを売っている屋台はあるが、ちゃんと食事が出来るレストランは園内に一つしかない。迷わなくていいな。
「なんかごちゃごちゃしてる……」
「恐竜居そうですね」
ジャングル風の内装が気分を盛り上げてくれる。
「何食べます?」
「これ」
「早……俺は、んー……ハンバーグにしようかな」
「押していい?」
「何を……あぁ、呼び出しベルですか。はい、どうぞ」
フタはチキンステーキ、俺は卵が乗ったハンバーグを注文し、しばらく待った。待っている間フタは内装を気にしているようだったが、一言も発さなかった。
(黙ってても怒ってたり退屈がってる訳じゃないとサンさんから聞いてはいますが、不安ですなぁ)
サンいわくフタはあまり会話を楽しむタイプではないらしい。じゃあどうやって楽しませればいいんだ? 部屋の素っ気なさを見た後では物を喜ぶタイプでもないと分かるし、ファッションにも無頓着と来たものだ。今回のような体感型の施設へのデートが一番なのだろうか。
(……セックスめっちゃ好きとかないですかな)
味の薄いハンバーグを食べながら、美味そうにチキンステーキを食べるフタを眺める。じっと見つめていたら他の彼氏なら「何?」と聞いてきたり照れたりするものだけれど、フタは俺の視線に気付くと何も言わずに見つめ返してきた。
(フタさんの髪は外ハネがすごいですよな、サンさんも毛先だけはくりんっと外側に巻いてますが……フタさんももう少し伸ばせば巻くんでしょうか。兄弟で前髪の白メッシュお揃いってのが可愛いですよな。ヒトさんもお揃いなのは意外と言うか……仲悪いんじゃないの? と疑問に思ってしまいますな)
もぐもぐと口を動かしているけれど、今は頬は痛くないのだろうか。頬に貼ったガーゼはいつの傷を手当したものなのだろう、やはりヒトに殴られたのだろうか。腕の包帯も痛々しい、指の骨折の調子はどうだろう、見えないところにも傷があるのだろうか。気になることばかりだ。
「……フタさん、じっと見てても何も言わないんですね。普通気になると思うんですけど……見られてるの、気になりません?」
あまりにも見つめ合う時間が長いので、つい尋ねてしまった。
「えー? だってさぁ、みつきと俺は恋人だろ?」
「はい……」
「恋人はさぁ、好き同士なんだからー……好きなもんって見てたくなるもんだからぁー、こういうのが、何? その、アレ、さほー? ってヤツかなって。デートの。デートのさほー」
食事中に見つめ合うのはデートの作法? あぁ、なんて可愛らしい考え方だろう。
「いいですね! その作法すごくいいと思います。食べながら喋るの行儀悪いですし、可愛くて見てるだけなのに何ーとか聞かれても困りますしね。不思議そうな顔とか照れた顔も可愛いんですけど」
「……? ふーん。俺デート初めてだからさぁー……分かんないんだよね色々」
「俺もまだまだ分からないことだらけですよ、人によっても変わりますし」
「へぇー……?」
興味なさげな、退屈そうな返事に聞こえてしまうけれど、そんなことはないのだろうか? やっぱりよく分からない。
「……あの、最初から気になってたんですけど……ほっぺた、大丈夫ですか?」
「ほっぺた……?」
「顔の、ここの……怪我。やっぱりヒトさんですか?」
自分の頬をつつきながら言うと、フタは自分の頬に触れてガーゼを見つけた。
「…………何だっけこれ」
「えぇー……ヒトさんに殴られたんじゃないんですか?」
「うーん……どうだったっけ。ちょっと見て」
「えっ、ちょ、剥がしちゃダメっ……」
俺の静止は遅く、ガーゼはべりっと剥がされてその下の傷が顕になった。蚯蚓脹れらしき細長い傷だ。
「血ぃ止まってる?」
「は、はい……」
「んじゃもういいや」
フタはガーゼをポケットに突っ込んだ。
「……痛みは?」
「んー、ないかな」
どうやって付けられたものなのだろう。ヒトは殴るだけじゃなく、引っ掻きもするのか……ん? 引っ掻く?
「あの、フタさん。猫ちゃん達に引っ掻かれたりします?」
「ん? たまにー……かな?」
引っ掻くと言えば猫だ。まだヒトへの疑いが消えた訳ではないが、頬の傷は猫によるものという可能性が大きいだろう。
10
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 1000 Thank_You!!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる