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お弁当を作ろう
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ダイニングに戻った俺は彼氏達に向かって呼びかけた。
「料理出来る人~」
半数が手を挙げた。このやり方では絞れないな。
「レイは出来ないだろ」
「出来るっすよ! ちょっと焦がしちゃったり味付け間違えたりしちゃうだけで……! 今も修行中っすし、出来るっす!」
それを出来ないと言うんだ。今欲しいのはやる気がある者ではなく即戦力、レイのように微妙な者は弾かなければ。
「シュカは毎日自分で作ってるんだよな、頼む」
「はい」
「リュウ……お前はたこ焼きを綺麗にひっくり返せるだけだろ」
「お好み焼きも綺麗にひっくり返せんで」
カップケーキの話しろよ、アレちゃんと美味しかったんだから。
「天正さんはほうれん草切る時に定規使いたいとか言い出して面倒なので要りません」
「そっか、じゃあ却下。サンは……慣れてるな、頼む」
ハル、アキ、セイカ、歌見は手を挙げていなかった。カンナは不在。
「……ネザメさんは出来ないでしょ」
「ミフユも水月くんもそちらに居るんだろう? ならそっちに行きたいな」
「アキに構ってやってください、暇そうなので」
アキは鬱陶しそうな表情のセイカに何かを囁きながら頬をつつき回している。ネザメの視線がアキに向いた隙をつき、俺はサンを連れてキッチンに戻った。
「何すればいいの?」
「サン殿、おにぎりは握れますか?」
「おにぎりかぁ、得意だよ」
「ではこちらの手袋をお付けになって……」
ミフユは使い捨てのビニール手袋をサンに渡し、冷蔵庫から出した鮭フレークの瓶の中身を小皿に持った。同じように昆布、梅干しも準備する。
「鳴雷一年生、ゆで卵を回収した後ツナマヨを作れ。ツナ缶はそこのダンボールに入っている」
「あ、はいっ」
「サンどの、この小皿に乗せたものが具です。このスプーンにひとすくいずつ入れてください。海苔はこちらです」
ミフユはサンの手首を掴み、皿の位置を手で触れさせて教えた。
「米はこの釜にある分全て使ってください。熱いのでお気を付けて。鳴雷一年生、ツナマヨが完成したらこの小皿に入れろ」
「……年積さん、私は何をすれば?」
「このパンの耳を切り落とし、三角に切ってくれ。終わったらローストポーク、レタスも頼む」
「分かりました、が……切るだけなら自称料理上手共でもいいのでは」
「ヤツらにはゆで卵の殻剥きを頼む」
ミフユはそういうと俺がボウルに移したゆで卵をダイニングに持っていった。戻ってくるとツナマヨ制作中の俺に向かって──
「鳴雷一年生、ツナマヨが完成したらゆで卵を潰してマヨネーズと混ぜ、サンドイッチの具を作れ」
──と言い付けた。指示を終えたミフユは完成した犬用の料理を皿に移し、ダイニングの机に置いた。
「狭雲、冷めたらメープルに与えてくれ」
傍に居るネザメを無視してセイカに頼むとは、ネザメの信頼度の低さが伺える。
「ぁ……は、はい」
《何これ食っていいの?》
《ダメだ! 犬の餌だぞ》
《はぁ~? 犬畜生がこんな豪華な飯食うのかよ、日本は豊かだなぁオイ》
《この家が特別金持ちなだけだ、俺の昔の飯は余裕でこれ以下だからな》
アキは構って欲しそうなネザメを無視してセイカと話してるし…………ネザメ、がんばれ!
「あっ」
「あーっ! 歌見先輩また殻入れたっすね!? もー、どこっすか、ちゃんと回収してくださいっすよ? ジャリジャリしちゃうっす」
「すまない……」
ツナマヨは完成したが、たくさんのゆで卵はまだ剥かれ切っていないようだ。少し暇が出来たな。
「わっ……サン、めちゃくちゃ手際いいね」
ちょっと目を離していた隙にサンはおにぎりを大量に作っていた。形もサイズも全て同じ、具がはみ出ていたりもしない。
「慣れてるからね~。水月暇なら海苔巻いてってよ」
「ぁ、うん、分かった」
ゆで卵の殻剥きはまだ終わりそうにない。俺はサンの隣に立って海苔を開封した。
「水月、左から鮭、昆布、梅干し、だからバラバラにしないでね。ツナマヨ出来た? これ? じゃあ隣並べてくからね」
「分かった」
海苔を巻き、弁当箱に詰めていく。つまみ食いをしたくなってきたが、我慢だ。
「あ、そういえば……ミフユさーん、おかかってないんですか?」
「鰹節は混ぜ込みおにぎりにする。昨日のうちに醤油と鰹節を混ぜておいた米がタッパーに入れてあるからそっちの米が終わったらそれをレンジで温めて握ってくれ」
「分かりましたー……いやぁみんな手際いいなぁ……」
十二人という大所帯の食事を賄う上で最も大切なことかもしれない。もし不器用系彼氏ばかりだったら俺が全てやらなければならなかっただろう、俺の段取りの悪さではみんな飢えてしまう。料理が上手い子が居てよかった。
「……サン、料理得意なのは一人暮らしだから分かるけどさ、なんでおにぎりも慣れてるの? 家で食べる時ってあんまりおにぎりにしなくない?」
「兄貴にお弁当作ってあげてるからそれに入れてるんだよ。片手で食べれるのがいいってワガママ言うからわざわざ握ってんの」
「へぇ……」
「留守にしちゃってるけど兄貴ちゃんとご飯食べてるかなぁ……たまに食べるの忘れて倒れたりとかするんだよね~」
とても二十代後半の兄弟に向けているとは思えない心配事だな。
「大丈夫だよ、フタさんも大人なんだし」
「……今話してたのヒト兄貴のことだけど」
「えっ」
「フタ兄貴にも作ってるけど、フタ兄貴は別におにぎりじゃなくても食べるし……フタ兄貴は食べたこと忘れて食べはするけど食べるの忘れたりはしないし」
食い意地張ってるんだな。可愛い。
「そ、そっか……ヒトさんとは仲悪そうだからそういうのないと思ってた」
「……ヒト兄貴はあんまり好きじゃないから作りたくないんだけどね~、まぁフタ兄貴のついでだし……お腹空かせて倒れるのは流石に可哀想だし」
「ヒトさんしっかりしてそうなのに食べるの忘れちゃうなんて……」
ちょっと萌える。
「仕事とかに熱中しちゃうタイプだからね」
「あー、そういう忘れ方……それはしそう」
なんて話しているうちに釜の米を全て使い切った。俺はミフユの言いつけ通り混ぜこみご飯をレンジに入れ、温まったら取り出して使うようサンに言い、剥き終えたらしいゆで卵の回収に向かった。
「料理出来る人~」
半数が手を挙げた。このやり方では絞れないな。
「レイは出来ないだろ」
「出来るっすよ! ちょっと焦がしちゃったり味付け間違えたりしちゃうだけで……! 今も修行中っすし、出来るっす!」
それを出来ないと言うんだ。今欲しいのはやる気がある者ではなく即戦力、レイのように微妙な者は弾かなければ。
「シュカは毎日自分で作ってるんだよな、頼む」
「はい」
「リュウ……お前はたこ焼きを綺麗にひっくり返せるだけだろ」
「お好み焼きも綺麗にひっくり返せんで」
カップケーキの話しろよ、アレちゃんと美味しかったんだから。
「天正さんはほうれん草切る時に定規使いたいとか言い出して面倒なので要りません」
「そっか、じゃあ却下。サンは……慣れてるな、頼む」
ハル、アキ、セイカ、歌見は手を挙げていなかった。カンナは不在。
「……ネザメさんは出来ないでしょ」
「ミフユも水月くんもそちらに居るんだろう? ならそっちに行きたいな」
「アキに構ってやってください、暇そうなので」
アキは鬱陶しそうな表情のセイカに何かを囁きながら頬をつつき回している。ネザメの視線がアキに向いた隙をつき、俺はサンを連れてキッチンに戻った。
「何すればいいの?」
「サン殿、おにぎりは握れますか?」
「おにぎりかぁ、得意だよ」
「ではこちらの手袋をお付けになって……」
ミフユは使い捨てのビニール手袋をサンに渡し、冷蔵庫から出した鮭フレークの瓶の中身を小皿に持った。同じように昆布、梅干しも準備する。
「鳴雷一年生、ゆで卵を回収した後ツナマヨを作れ。ツナ缶はそこのダンボールに入っている」
「あ、はいっ」
「サンどの、この小皿に乗せたものが具です。このスプーンにひとすくいずつ入れてください。海苔はこちらです」
ミフユはサンの手首を掴み、皿の位置を手で触れさせて教えた。
「米はこの釜にある分全て使ってください。熱いのでお気を付けて。鳴雷一年生、ツナマヨが完成したらこの小皿に入れろ」
「……年積さん、私は何をすれば?」
「このパンの耳を切り落とし、三角に切ってくれ。終わったらローストポーク、レタスも頼む」
「分かりました、が……切るだけなら自称料理上手共でもいいのでは」
「ヤツらにはゆで卵の殻剥きを頼む」
ミフユはそういうと俺がボウルに移したゆで卵をダイニングに持っていった。戻ってくるとツナマヨ制作中の俺に向かって──
「鳴雷一年生、ツナマヨが完成したらゆで卵を潰してマヨネーズと混ぜ、サンドイッチの具を作れ」
──と言い付けた。指示を終えたミフユは完成した犬用の料理を皿に移し、ダイニングの机に置いた。
「狭雲、冷めたらメープルに与えてくれ」
傍に居るネザメを無視してセイカに頼むとは、ネザメの信頼度の低さが伺える。
「ぁ……は、はい」
《何これ食っていいの?》
《ダメだ! 犬の餌だぞ》
《はぁ~? 犬畜生がこんな豪華な飯食うのかよ、日本は豊かだなぁオイ》
《この家が特別金持ちなだけだ、俺の昔の飯は余裕でこれ以下だからな》
アキは構って欲しそうなネザメを無視してセイカと話してるし…………ネザメ、がんばれ!
「あっ」
「あーっ! 歌見先輩また殻入れたっすね!? もー、どこっすか、ちゃんと回収してくださいっすよ? ジャリジャリしちゃうっす」
「すまない……」
ツナマヨは完成したが、たくさんのゆで卵はまだ剥かれ切っていないようだ。少し暇が出来たな。
「わっ……サン、めちゃくちゃ手際いいね」
ちょっと目を離していた隙にサンはおにぎりを大量に作っていた。形もサイズも全て同じ、具がはみ出ていたりもしない。
「慣れてるからね~。水月暇なら海苔巻いてってよ」
「ぁ、うん、分かった」
ゆで卵の殻剥きはまだ終わりそうにない。俺はサンの隣に立って海苔を開封した。
「水月、左から鮭、昆布、梅干し、だからバラバラにしないでね。ツナマヨ出来た? これ? じゃあ隣並べてくからね」
「分かった」
海苔を巻き、弁当箱に詰めていく。つまみ食いをしたくなってきたが、我慢だ。
「あ、そういえば……ミフユさーん、おかかってないんですか?」
「鰹節は混ぜ込みおにぎりにする。昨日のうちに醤油と鰹節を混ぜておいた米がタッパーに入れてあるからそっちの米が終わったらそれをレンジで温めて握ってくれ」
「分かりましたー……いやぁみんな手際いいなぁ……」
十二人という大所帯の食事を賄う上で最も大切なことかもしれない。もし不器用系彼氏ばかりだったら俺が全てやらなければならなかっただろう、俺の段取りの悪さではみんな飢えてしまう。料理が上手い子が居てよかった。
「……サン、料理得意なのは一人暮らしだから分かるけどさ、なんでおにぎりも慣れてるの? 家で食べる時ってあんまりおにぎりにしなくない?」
「兄貴にお弁当作ってあげてるからそれに入れてるんだよ。片手で食べれるのがいいってワガママ言うからわざわざ握ってんの」
「へぇ……」
「留守にしちゃってるけど兄貴ちゃんとご飯食べてるかなぁ……たまに食べるの忘れて倒れたりとかするんだよね~」
とても二十代後半の兄弟に向けているとは思えない心配事だな。
「大丈夫だよ、フタさんも大人なんだし」
「……今話してたのヒト兄貴のことだけど」
「えっ」
「フタ兄貴にも作ってるけど、フタ兄貴は別におにぎりじゃなくても食べるし……フタ兄貴は食べたこと忘れて食べはするけど食べるの忘れたりはしないし」
食い意地張ってるんだな。可愛い。
「そ、そっか……ヒトさんとは仲悪そうだからそういうのないと思ってた」
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