冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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長い髪に隠れて

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満足そうに微笑んだハルは数分後、背もたれに身体を預けて目を閉じ、静かに寝息を立て始めた。一発抜いただけで眠ってしまうなんて、本番に到れるようになったとしても真っ最中に寝落ちするんじゃないかと不安だ。旅行が楽しみで昨日ろくに眠れていないとか、そういう理由があって欲しい。

「ずるいっす」

ホットパンツのファスナーを上げてやっていると、振り返って俺を睨むレイと目が合った。

「ハルせんぱいだけずるいっすよぉ、俺はイかせてくれないくせに……えこひいきはよくないっす、意義を申し立てるっすよ~」

「ハルとはまだ出来ないからな。レイはあっちに着いたらゆっくり……な?」

「……それリュウせんぱいの後っすか? 前っすか?」

「どうしようかな、着いてから決めようと思ってた。すぐバーベキューの準備始めるだろうししばらくは無理だぞ。まぁリュウはほっといてもそれはそれで喜ぶから、レイが先かな?」

「……ならいいっす」

姿勢を戻したレイは深く息を吐き、赤くなった頬に手を当てて冷やしながらまた快楽に耐え始めた。俺と話している最中もふぅふぅと苦しそうに呼吸をしていたし、焦れて苛立っているし……相当疼いているんだな。

「み~つきっ、そろそろボクに構ってくれるだろ?」

そろそろサンに手を出そうと思い、前の席に居る彼にどう触れれば運転手に妙に見られないかを考えていると、サンの方から話しかけてきてくれた。

「うん、ちょうど考えてた」

「ずーっとレイちゃんと話してたから退屈はしなかったけどね。ハルちゃん静かだけどどうしたの? 怒らせた?」

「寝ちゃったみたい」

サンの服は今日もタートルネックの長袖、生地は薄いようだが暑くはないのだろうか。

「寝たの? ふぅん……席倒していい?」

「うん」

サンはほんの少しだけシートを傾けると俺に彼の真後ろに座るよう言った。俺はシートベルトを外してハルから一つ分空いた端の席に移り、シートベルトを締め直した。

「来たよ」

「うん、じゃあ……とりあえず顔見せて」

サンは頭の後ろで手を組むように両腕を上げて肘を曲げ、俺の顔を探して手をふらふらとさまよわせた。俺はふっと笑って前の座席の背もたれの頭部分のすぐ傍へと顔を寄せ、サンの手に顔を包ませた。

「あったあった。相変わらず腫れてるねぇ……湿布貼ったんだ? 気持ちいい?」

「うん、鼻ちょっとスースーするけど」

「あはっ、顔に貼っちゃそりゃあねぇ」

くすくすと笑うサンの表情は見えないけれど、楽しげな声から表情を察することは簡単に出来る。釣られて笑顔になるとサンに頭を撫でられた。

「……ねぇ水月、どこ触りたい? 下半身は届かないねぇ……お腹も厳しいかな? 胸触る? 好きだったよね、水月。吸うのが好きなんだっけ? 手で触ってても嬉しそうだったよね。好きにしていいよ」

運転手に聞こえないよう小さな声でそう言ってくれた。

「あ、ありがとう……! じゃあ早速……ぁ、でも、胸じゃ見えちゃわないかな。バックミラーとかで……」

「髪で隠せば大丈夫じゃない? ダメそう?」

サンは左右に分けて肩から流し、身体の前面を覆った。もうサンの服の色すらも分からない。この下に俺の手があってもなくても分からないだろう。

「この服割と伸びるから服の中に手入れてもいいし、髪と服の隙間でもいいよ。どっちがいい?」

「どっちも……!」

俺は右手を服の中に、左手を髪の下に差し込んだ。サンは髪を梳いて調整し、俺の手を隠してくれる。

「……ふふ、ちょっとドキドキするね」

捲れたタートルネックはタイツのように薄い素材だ、肌着じゃないかなコレ……まぁいいや。伸縮性があり、スベスベとして触り心地抜群。服の中に入れれば心地いい締め付けを、服越しならば布の触り心地を楽しめる、素晴らしい服だ。

「はぁ……イイ雄っぱい」

ふかふかの胸筋を揉み、性欲を満たしながらも俺はどこか癒されていた。真逆のように思えるが、共存している。

「まだ触ってないんだけど、えーっと……なんかおっきい子居たよね。歩幅と声の位置的に180ちょっとくらいの子、声低かったし結構いい体格してるんじゃない?」

「歌見先輩かな……? 先輩の雄っぱいは本当にもうすごい雄っぱいだよ、体積的にはサンの方が大きいけど、カップ数なら先輩かなぁ」

「へぇ~……? 着いたら触っていいかな?」

「俺はいいけど、先輩はどうかな。ちゃんと先輩に聞いてから揉んでね?」

「うん、水月からいいおっぱいって聞いたって言ってみる」

後で俺が怒られそうだな。

「……先輩は胸揉まれるの気持ちいいみたいなんだけど、サンはどう? こうされてて……感じちゃったりしない?」

「別に……」

「そっか。じゃあ……ここは?」

乳輪をきゅっと直接つまむ。ふにっと柔らかく、勃ってはいない。服越しに転がした乳首には微かに芯を感じる。

「ちょっとムズムズ? するかな」

「……感度いいね。そのうちここつままれたらイっちゃうような身体にしてあげるね」

「あはっ、面白そう。気持ちよくイけて、それを覚えていられたら……いい絵が描けそう。どう思う? 絶頂の瞬間を表現した絵……」

「…………サンのイくところ他の人に見せたり売ったりするのはやだなぁ」

「あははっ、ボクの感覚を色と形で写し取っただけで、アンタが見てるボクの表情や反応じゃないんだよ?」

「描くなとも売るなとも言えないけどさぁ、なんかモヤる」

表情や反応を写し取る動画などではないからこそサンのより深いところを他人に渡してしまう気がして、嫌だ。

「……別に、文句は言わないけどさー?」

サンはこれまで感じたことをそのまま絵にしてきたのだろう、彼の絵は彼の感情そのものだ。今までも感情の写しを晒し、売ってきた。それがサンだ。

「嫌だやめろって言われても描くし売るけどね。閉じ込めるのは癖だけど、制限されるのは嫌いなんだ」

「身勝手……芸術家っぽいなぁ。そういうとこ好きぃ……」

惚れた弱みだ、ワガママは言えない。
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