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縄童貞を捨てる日
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七月十九日金曜日、今日は歌見の処女を頂くと約束した日だ。しかし、その前に、俺は完成させてしまった。
「……完璧」
昨晩必死に扱き、焼き、また扱いた麻縄に頬擦りをする。買った当初のザラザラチクチクゴワゴワはどこへやら、すべっすべだ。
「はぁ……気持ちいい、これなら緊縛に興味ない方でも縛ってって言いたくなる出来ですぞ」
だって俺が縛られたいくらいだもん。
「お早う御座います」
「ぅおっ、アキ……おはよう。相変わらずそれだけ発音いいなぁ。そうだ、ちょっとこれ触ってみてくれよ」
「なわー、です?」
縄に頬擦りをしてからアキに渡すと、アキは俺に倣って縄に頬を寄せた。その瞬間目を見開き、バッと顔を離して俺を見つめ、縄に視線を移し、また頬擦りをした。
「……! すごいー……ぅー……日本語分かるするしないです。すごいです、にーに」
すべすべ、が思い付かないのかな?
「だろ? これならアキの柔肌だって傷付けずに縛ってやれるぞ」
実際の皮膚の丈夫さはともかく、アキは色素が薄いから肌が弱そうに見える。
「さて、そろそろ朝ご飯か……セイカ起こさなきゃな」
昨晩、俺が風呂に入っている間にセイカはまた幻肢痛に悩まされ、アキに絞め落とされ、俺が風呂を出た時には既に眠っていた。
「セイカ、セイカ起きろ、セーイーカっ」
「……っ、ん…………ぁ? 鳴雷」
「おはよう」
「おはよ……え、朝? 今?」
絞め落とされたせいか若干の混乱が見られるが、至って健康そうだ。首に跡も残っていない。
「──って感じなのですが、幻肢痛で叫ぶ度に落とすってどうなんでしょう」
「さぁ……そんな乱暴な対処法聞いたこともないわ。まぁ柔道家とかは練習で何度も落としたり落とされたりするんだし、大丈夫じゃない?」
「うぅむ、しかし中学とかでは失神ごっこ禁止の決まりありましたぞ?」
「そんなごっこあったの? 治安の悪い学校ね。素人がやっちゃそりゃ危ないから禁止されるわよ、アキなら平気」
アキは玄人なのか。
「出来たわよ、持ってって」
「ありがとうございまそ」
朝食のプレートを持ってダイニングテーブルへ。今日も美味しそうだ。
「それでは兄様、鳴雷さん、秋風さん、行って参ります。お見送りありがとうございます」
「今日終業式なんだって?」
「はい、本日は一緒に昼食を食べられますね、兄様」
「ほむらくん、俺今日自分の部屋で作業するからさ、帰ったら秋風の部屋に行ってくれるか?」
「はい、承知しました」
口答えはもちろん、どんな作業をするのかなどの質問すらしない。ホムラは心配になるほど素直だ、実父の実家で上手く可愛がられるといいのだが。
《帰ったらお前の部屋にほむら来るってさ。俺に盛ったり裸で筋トレしたりするなよ》
《裸でしたことねぇよ》
「行ってらっしゃ~い」
セイカとアキが何やら話している中ホムラに手を振った。三人でアキの部屋に戻り、俺は完成した縄に改めて頬擦りをした。
「セーイカっ、ほらほら、すべすべ」
「……本当だ。すごいな」
「手間かけた甲斐があったぁ……さ、セイカ、縛らせてくれ」
「ぅ……うん。服脱ぐ?」
俺は縄を一人で扱うのは初めてだし、肌を傷付けないよう服を着たままの方がいいのか? いや、何のために手間をかけて縄を作ったと思っているんだ、縄の肌触りを楽しんでもらうためにも脱いでもらおう。
「うん、下着は着たままでいいよ」
「ん……」
片腕で服を脱ぐ様をじっくりと眺める。両手を使って脱ぐよりは難しそうだが、緩い服を着ているのもあってセイカはすぐに裸になった。
「…………あんまり見るなよ」
長袖や長ズボンの右手左足を包むためにある布が余っているのにも目を引かれたが、やはり切断された手足の先端が晒されている方が目を引く力が強い。空白は何よりも目立つ。
「夏休み終わる頃までにはお前好みの体型になってみせるから……」
セイカは浮いた肋骨を腕で隠している、俺は俺の傍に来てくれた彼を抱き締めて頭を撫で、ガサガサの肌のすぐ下にある骨の形を確かめた。
「……縛っていくよ。痛かったり苦しかったりしたらすぐ言ってくれ」
首に縄をかける。ネザメの手つきを思い出しながら、工程を脳内で何度も反芻させる。
「緊縛ってのは多分セイカがイメージしているよりも痛くないし、苦しくない。だから痛かったらそれは俺がミスしてる可能性が高いんだ、我慢せずに言ってくれるな?」
「……うん」
セイカのことを大切に思っているから、と説明しては痛みを我慢してしまうかもしれない。少々冷たい言い方だったかもしれないが、この方がセイカのためになる。
「感想は都度語ってくれ、恥ずかしがらずにな」
「…………うん」
時折手を止めたり、手間取ったりしながらも一昨日の記憶を頼りにセイカに縄を着させていく。反った胸の無い谷間、胸の下側などに縄を走らせていくと、巨乳の女性なら乳房を強調するようになって映えるんだろうなと思えてきた。
(雄っぱいは谷間そんなに深くなりませんからなぁ、縛って歪む度合いでも女性の方が背徳感ありそうでそ。乳房って母性の象徴ですし……ってことは男は男の象徴ことてぃんてぃん縛るといい感じなんですかな?)
緊縛された身体のまま動けば乳首が擦れてしまうだろう位置に縄を通しておく。重要なことだとネザメが語っていた。
「鳴雷……」
「痛かったかっ?」
「……ううん、感想。その……縄、全然痛くない、思ってたのと違う。きゅってなると、なんか……いい。車でシートベルト締めた時みたいな感じ」
セイカにとってシートベルトはどういった存在なのだろう、安心感があると解釈していいのかな。
「大丈夫ならよかった、続けるぞ。足の間も通すからな」
股を通す縄には一工夫加える。コブを作るのだ。後孔に食い込む位置に結び目を作り、性感を刺激する……会陰のとこにも作っとこ。
「本当ならここもちゃんと根元とかにグルって巻いたりするんだけど、今日は下着履いたままだしやめておこうな」
下着の上から陰茎を擦りながらそう話し、二本の縄で陰茎と陰嚢をまとめて挟み、下着越しのそれの形を浮き彫りにする。会陰と後孔にしっかりコブがくい込み、縄をぐっと引くとセイカは甘えた声を漏らした。
「……っ、ぁ……鉄棒跨った時のこと、思い出す」
「痛くはないか? ちょっと締めるぞ」
鉄棒などに跨ると陰嚢が痛むものだが、この縄は陰茎と陰嚢を避けているのでその問題はクリアしているはずだ。
「んぅうっ……!」
「よし……縛るぞ。緩めて欲しかったら言えよ、くくっちゃったら緩められないからな」
「だい、じょーぶ……多分ちょうどいい」
跡が残らない程度の緩い縛りだ、初めてにしては上出来だと思う。背中でしっかりと縄を止め、緊縛は完成だ。
「鳴雷ぃ……」
少し離れて全体を見たいのだが、セイカが俺のシャツの胸元をきゅっと握って離れない。
「ど、どうした? どっか痛いか?」
セイカは首を横に振る。
「……鳴雷に、抱き締められてるみたい。こんなの窮屈なはずなのに……やめたくない。しばらくほどかないで……お願い」
「あっ、あぁ! もちろん、セイカがそう言うなら……アキ、飲むする、水、持ってくる、頼む」
真っ赤な顔をしたセイカには水分が必要だと判断し、アキに頼む。彼は「だ」と聞こえる返事をして部屋を出ていった。二人きりになるとセイカの熱い呼吸音がより聞こえるようになる、襲わずに耐えるのには強い精神力が必要となるだろう。
「……完璧」
昨晩必死に扱き、焼き、また扱いた麻縄に頬擦りをする。買った当初のザラザラチクチクゴワゴワはどこへやら、すべっすべだ。
「はぁ……気持ちいい、これなら緊縛に興味ない方でも縛ってって言いたくなる出来ですぞ」
だって俺が縛られたいくらいだもん。
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「……! すごいー……ぅー……日本語分かるするしないです。すごいです、にーに」
すべすべ、が思い付かないのかな?
「だろ? これならアキの柔肌だって傷付けずに縛ってやれるぞ」
実際の皮膚の丈夫さはともかく、アキは色素が薄いから肌が弱そうに見える。
「さて、そろそろ朝ご飯か……セイカ起こさなきゃな」
昨晩、俺が風呂に入っている間にセイカはまた幻肢痛に悩まされ、アキに絞め落とされ、俺が風呂を出た時には既に眠っていた。
「セイカ、セイカ起きろ、セーイーカっ」
「……っ、ん…………ぁ? 鳴雷」
「おはよう」
「おはよ……え、朝? 今?」
絞め落とされたせいか若干の混乱が見られるが、至って健康そうだ。首に跡も残っていない。
「──って感じなのですが、幻肢痛で叫ぶ度に落とすってどうなんでしょう」
「さぁ……そんな乱暴な対処法聞いたこともないわ。まぁ柔道家とかは練習で何度も落としたり落とされたりするんだし、大丈夫じゃない?」
「うぅむ、しかし中学とかでは失神ごっこ禁止の決まりありましたぞ?」
「そんなごっこあったの? 治安の悪い学校ね。素人がやっちゃそりゃ危ないから禁止されるわよ、アキなら平気」
アキは玄人なのか。
「出来たわよ、持ってって」
「ありがとうございまそ」
朝食のプレートを持ってダイニングテーブルへ。今日も美味しそうだ。
「それでは兄様、鳴雷さん、秋風さん、行って参ります。お見送りありがとうございます」
「今日終業式なんだって?」
「はい、本日は一緒に昼食を食べられますね、兄様」
「ほむらくん、俺今日自分の部屋で作業するからさ、帰ったら秋風の部屋に行ってくれるか?」
「はい、承知しました」
口答えはもちろん、どんな作業をするのかなどの質問すらしない。ホムラは心配になるほど素直だ、実父の実家で上手く可愛がられるといいのだが。
《帰ったらお前の部屋にほむら来るってさ。俺に盛ったり裸で筋トレしたりするなよ》
《裸でしたことねぇよ》
「行ってらっしゃ~い」
セイカとアキが何やら話している中ホムラに手を振った。三人でアキの部屋に戻り、俺は完成した縄に改めて頬擦りをした。
「セーイカっ、ほらほら、すべすべ」
「……本当だ。すごいな」
「手間かけた甲斐があったぁ……さ、セイカ、縛らせてくれ」
「ぅ……うん。服脱ぐ?」
俺は縄を一人で扱うのは初めてだし、肌を傷付けないよう服を着たままの方がいいのか? いや、何のために手間をかけて縄を作ったと思っているんだ、縄の肌触りを楽しんでもらうためにも脱いでもらおう。
「うん、下着は着たままでいいよ」
「ん……」
片腕で服を脱ぐ様をじっくりと眺める。両手を使って脱ぐよりは難しそうだが、緩い服を着ているのもあってセイカはすぐに裸になった。
「…………あんまり見るなよ」
長袖や長ズボンの右手左足を包むためにある布が余っているのにも目を引かれたが、やはり切断された手足の先端が晒されている方が目を引く力が強い。空白は何よりも目立つ。
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セイカは浮いた肋骨を腕で隠している、俺は俺の傍に来てくれた彼を抱き締めて頭を撫で、ガサガサの肌のすぐ下にある骨の形を確かめた。
「……縛っていくよ。痛かったり苦しかったりしたらすぐ言ってくれ」
首に縄をかける。ネザメの手つきを思い出しながら、工程を脳内で何度も反芻させる。
「緊縛ってのは多分セイカがイメージしているよりも痛くないし、苦しくない。だから痛かったらそれは俺がミスしてる可能性が高いんだ、我慢せずに言ってくれるな?」
「……うん」
セイカのことを大切に思っているから、と説明しては痛みを我慢してしまうかもしれない。少々冷たい言い方だったかもしれないが、この方がセイカのためになる。
「感想は都度語ってくれ、恥ずかしがらずにな」
「…………うん」
時折手を止めたり、手間取ったりしながらも一昨日の記憶を頼りにセイカに縄を着させていく。反った胸の無い谷間、胸の下側などに縄を走らせていくと、巨乳の女性なら乳房を強調するようになって映えるんだろうなと思えてきた。
(雄っぱいは谷間そんなに深くなりませんからなぁ、縛って歪む度合いでも女性の方が背徳感ありそうでそ。乳房って母性の象徴ですし……ってことは男は男の象徴ことてぃんてぃん縛るといい感じなんですかな?)
緊縛された身体のまま動けば乳首が擦れてしまうだろう位置に縄を通しておく。重要なことだとネザメが語っていた。
「鳴雷……」
「痛かったかっ?」
「……ううん、感想。その……縄、全然痛くない、思ってたのと違う。きゅってなると、なんか……いい。車でシートベルト締めた時みたいな感じ」
セイカにとってシートベルトはどういった存在なのだろう、安心感があると解釈していいのかな。
「大丈夫ならよかった、続けるぞ。足の間も通すからな」
股を通す縄には一工夫加える。コブを作るのだ。後孔に食い込む位置に結び目を作り、性感を刺激する……会陰のとこにも作っとこ。
「本当ならここもちゃんと根元とかにグルって巻いたりするんだけど、今日は下着履いたままだしやめておこうな」
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「……っ、ぁ……鉄棒跨った時のこと、思い出す」
「痛くはないか? ちょっと締めるぞ」
鉄棒などに跨ると陰嚢が痛むものだが、この縄は陰茎と陰嚢を避けているのでその問題はクリアしているはずだ。
「んぅうっ……!」
「よし……縛るぞ。緩めて欲しかったら言えよ、くくっちゃったら緩められないからな」
「だい、じょーぶ……多分ちょうどいい」
跡が残らない程度の緩い縛りだ、初めてにしては上出来だと思う。背中でしっかりと縄を止め、緊縛は完成だ。
「鳴雷ぃ……」
少し離れて全体を見たいのだが、セイカが俺のシャツの胸元をきゅっと握って離れない。
「ど、どうした? どっか痛いか?」
セイカは首を横に振る。
「……鳴雷に、抱き締められてるみたい。こんなの窮屈なはずなのに……やめたくない。しばらくほどかないで……お願い」
「あっ、あぁ! もちろん、セイカがそう言うなら……アキ、飲むする、水、持ってくる、頼む」
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