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無尽蔵の愛と精
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まだ二枚しか返ってきていないけれど、テストの結果はそれなりに良く、俺の機嫌も良くなっていた。セイカに疲弊させられた心も休み時間にトイレで彼氏と触れ合うことで回復していった。
「はぁ……可愛い。可愛いよカンナ、可愛い」
便座に座らせたカンナに抱きつきて匂いを嗅ぎながら兜合わせを楽しみつつ、愛を囁く。
「そ、の……可愛い、ど……いう、意味?」
「可愛いって意味だよ。メカクレヘアがセクシーで、アルパカみたいな可愛さもあって、すぐ夢中になった。話しかけたらすぐ懐いて、ちょっと押したらすぐ彼氏になってくれて、ちょろくて可愛かったよ。えっちなことも好きっぽかったの嬉しかったなぁ」
「……ぇへへ」
「俺の腕に抱きついてくるのが可愛いよ、そのくせ押し合いに弱くて俺の腕取られちゃうことがあるのも可愛い、嫉妬深いのが可愛くてたまらないよ、取られちゃった時のしゅんとした顔が好きで好きでたまらないよ、めちゃくちゃ可愛いんだ、ごめんなカンナは悲しいのになぁ」
「いー、よ。ぼく……みぃくん、大好き……だから」
困ったり悲しんだりしている様子が可愛いというのは人間誰しもが持っている嗜虐心だと思う。袋を頭に被ってフラフラする猫は可愛いし、巣箱の隅に隠していた餌を掃除されて呆然とするハムスターは可愛いし、猫に寝床を取られて困り果てる犬も可愛い。
もちろん楽しく過ごしている姿が一番なのだが、たまに起こるハプニングによる悲しげな表情もたまらないのだ。好きな相手の表情は全て知りたいと思うのはおかしなことではないはずだ。
「まだ、ある……?」
「あるとも! ケロイドフェチが満たされるなんて思ってもなかったからカンナに火傷があった時すごく嬉しかったんだ。俺が火傷跡に興奮するの嘘だって思ってるカンナが、本当だって分かった時のびっくりした嬉しそうな顔が忘れられないよ! 気付いてるかカンナ、カンナはお尻とか太腿撫でて褒めるよりも、背中とか頭皮撫で回して褒めた時の方がゆるっゆるの可愛い顔するんだぞ可愛いなぁ! あっ出ちゃう……まだ萎えないからもう少しいいか?」
「ぅ、ん……まだ、あるの? お話も……」
「精液も愛も尽きないっ……! 俺が気に入ってるからって整形しないとか言い出しちゃうカンナの健気なところが可愛いよ、カミアにはちょっと強気に話せるところが可愛いよ、いい化粧水とか使って肌すべすべになっては俺に気付かせて自慢げな顔するのが可愛いよ、カミアのフリして配信した時の完璧っぷりに惚れ惚れしたよ、声小さいのが可愛いよ、歩幅小さいのも可愛いよ、えっちなこと好きなの可愛いよ、気持ちいいこと実況しちゃうとこ可愛いよ。ん、また出るっ……はぁ、まだ話はあるけど……」
ようやく萎えてくれた陰茎と、精液が飛んだカンナの腹をトイレットペーパーで拭く。
「……チャイム、鳴っちゃったな」
「いそ、で……もどら、なきゃ」
「真面目なところ可愛いよ、頭いいところ可愛いよ、課題絶対忘れないところ尊敬するよ、優等生がお尻の快楽にハマってるの最高に興奮するよ」
「も、いいからっ、はや……く、戻ろっ」
「怒り顔も最高」
「もぉ、いいからぁっ……!」
テストの結果は上々、この調子で行けば歌見の処女をいただき、ミフユに園児コスプレをさせられる……というところまで来ての、昼休み。残り二教科に不安と期待が募る。
「五、六時間目はは数学と英語か……あー、不安だー……赤点取ったらどうしよう……」
「俺もう数A赤点取ったよ……今回はめちゃくちゃ頑張ったのになぁ~……このままじゃ数1もダメっぽい」
なんて話しながら生徒会室へ。今日の昼食はみんなで登校中に寄ったコンビニで買った、全員分の弁当箱があれば俺が全員分を作ってやってもよかったのだが──いや、やっぱそれは嫌だな。
「なんだ、コンビニ弁当なんて食べるつもりか? 鳴雷一年生」
鞄の中で行方知れずになっている割り箸を探していると、ミフユがこの上ないドヤ顔で弁当箱を取り出した。
「自分は貴様らが起きるよりも前、深夜と呼ぶに相応しい時間に貴様とネザメ様の弁当を用意したぞ」
ネザメとミフユの前にはいつもの弁当箱がある。彼らは生徒会の仕事があるからと先に家を出ていた、その時にミフユが眠そうに目を擦っていたのは深夜に起きていたからだなんて、想像も出来なかった。
「俺の……!? ありがとうございます! そんな、まさか、今日作ってもらえるなんて……」
感謝しかないが、出発する前に言って欲しかった。買ってしまったコンビニ弁当はどうすればいいんだ。いや、今はただミフユのサプライズを喜ぼう。
「水月、コンビニ弁当余りますよね?」
「……欲しいのか?」
「水月は二人分は食べないんでしょう? どっちかくださいよ」
「ミフユさんの手作り弁当の方は絶対やれないよ」
困っていたコンビニ弁当の処分先、いや、譲渡先が決まった。シュカは俺が与えたコンビニ弁当を自分の前に積んでいた三つの弁当の更に上に積んだ。
「本当にありがとうございますミフユさん。でも夜はちゃんと寝なきゃダメですよ」
「問題ない。自分の身体のことはよく理解している」
「大丈夫ならいいんですけど、無理だけはしないでくださいね」
「うむ、もちろんだ」
レイやセイカと違ってミフユは体調管理をしっかりしていそうだ、口を酸っぱくして言わなくても問題ないだろう。
「ザメさん達はテストどうだったんですか~?」
「うーん、いつも通りと言った感じかな」
「自分もだ」
「へ~、俺前よりよかったんですけど~……赤点なんですよね~……あ~補習で夏休み減っちゃう~、やだ~……」
夏休みの計画はハルの補習の日程を聞いてから立てた方がよさそうだな。
「はぁ……可愛い。可愛いよカンナ、可愛い」
便座に座らせたカンナに抱きつきて匂いを嗅ぎながら兜合わせを楽しみつつ、愛を囁く。
「そ、の……可愛い、ど……いう、意味?」
「可愛いって意味だよ。メカクレヘアがセクシーで、アルパカみたいな可愛さもあって、すぐ夢中になった。話しかけたらすぐ懐いて、ちょっと押したらすぐ彼氏になってくれて、ちょろくて可愛かったよ。えっちなことも好きっぽかったの嬉しかったなぁ」
「……ぇへへ」
「俺の腕に抱きついてくるのが可愛いよ、そのくせ押し合いに弱くて俺の腕取られちゃうことがあるのも可愛い、嫉妬深いのが可愛くてたまらないよ、取られちゃった時のしゅんとした顔が好きで好きでたまらないよ、めちゃくちゃ可愛いんだ、ごめんなカンナは悲しいのになぁ」
「いー、よ。ぼく……みぃくん、大好き……だから」
困ったり悲しんだりしている様子が可愛いというのは人間誰しもが持っている嗜虐心だと思う。袋を頭に被ってフラフラする猫は可愛いし、巣箱の隅に隠していた餌を掃除されて呆然とするハムスターは可愛いし、猫に寝床を取られて困り果てる犬も可愛い。
もちろん楽しく過ごしている姿が一番なのだが、たまに起こるハプニングによる悲しげな表情もたまらないのだ。好きな相手の表情は全て知りたいと思うのはおかしなことではないはずだ。
「まだ、ある……?」
「あるとも! ケロイドフェチが満たされるなんて思ってもなかったからカンナに火傷があった時すごく嬉しかったんだ。俺が火傷跡に興奮するの嘘だって思ってるカンナが、本当だって分かった時のびっくりした嬉しそうな顔が忘れられないよ! 気付いてるかカンナ、カンナはお尻とか太腿撫でて褒めるよりも、背中とか頭皮撫で回して褒めた時の方がゆるっゆるの可愛い顔するんだぞ可愛いなぁ! あっ出ちゃう……まだ萎えないからもう少しいいか?」
「ぅ、ん……まだ、あるの? お話も……」
「精液も愛も尽きないっ……! 俺が気に入ってるからって整形しないとか言い出しちゃうカンナの健気なところが可愛いよ、カミアにはちょっと強気に話せるところが可愛いよ、いい化粧水とか使って肌すべすべになっては俺に気付かせて自慢げな顔するのが可愛いよ、カミアのフリして配信した時の完璧っぷりに惚れ惚れしたよ、声小さいのが可愛いよ、歩幅小さいのも可愛いよ、えっちなこと好きなの可愛いよ、気持ちいいこと実況しちゃうとこ可愛いよ。ん、また出るっ……はぁ、まだ話はあるけど……」
ようやく萎えてくれた陰茎と、精液が飛んだカンナの腹をトイレットペーパーで拭く。
「……チャイム、鳴っちゃったな」
「いそ、で……もどら、なきゃ」
「真面目なところ可愛いよ、頭いいところ可愛いよ、課題絶対忘れないところ尊敬するよ、優等生がお尻の快楽にハマってるの最高に興奮するよ」
「も、いいからっ、はや……く、戻ろっ」
「怒り顔も最高」
「もぉ、いいからぁっ……!」
テストの結果は上々、この調子で行けば歌見の処女をいただき、ミフユに園児コスプレをさせられる……というところまで来ての、昼休み。残り二教科に不安と期待が募る。
「五、六時間目はは数学と英語か……あー、不安だー……赤点取ったらどうしよう……」
「俺もう数A赤点取ったよ……今回はめちゃくちゃ頑張ったのになぁ~……このままじゃ数1もダメっぽい」
なんて話しながら生徒会室へ。今日の昼食はみんなで登校中に寄ったコンビニで買った、全員分の弁当箱があれば俺が全員分を作ってやってもよかったのだが──いや、やっぱそれは嫌だな。
「なんだ、コンビニ弁当なんて食べるつもりか? 鳴雷一年生」
鞄の中で行方知れずになっている割り箸を探していると、ミフユがこの上ないドヤ顔で弁当箱を取り出した。
「自分は貴様らが起きるよりも前、深夜と呼ぶに相応しい時間に貴様とネザメ様の弁当を用意したぞ」
ネザメとミフユの前にはいつもの弁当箱がある。彼らは生徒会の仕事があるからと先に家を出ていた、その時にミフユが眠そうに目を擦っていたのは深夜に起きていたからだなんて、想像も出来なかった。
「俺の……!? ありがとうございます! そんな、まさか、今日作ってもらえるなんて……」
感謝しかないが、出発する前に言って欲しかった。買ってしまったコンビニ弁当はどうすればいいんだ。いや、今はただミフユのサプライズを喜ぼう。
「水月、コンビニ弁当余りますよね?」
「……欲しいのか?」
「水月は二人分は食べないんでしょう? どっちかくださいよ」
「ミフユさんの手作り弁当の方は絶対やれないよ」
困っていたコンビニ弁当の処分先、いや、譲渡先が決まった。シュカは俺が与えたコンビニ弁当を自分の前に積んでいた三つの弁当の更に上に積んだ。
「本当にありがとうございますミフユさん。でも夜はちゃんと寝なきゃダメですよ」
「問題ない。自分の身体のことはよく理解している」
「大丈夫ならいいんですけど、無理だけはしないでくださいね」
「うむ、もちろんだ」
レイやセイカと違ってミフユは体調管理をしっかりしていそうだ、口を酸っぱくして言わなくても問題ないだろう。
「ザメさん達はテストどうだったんですか~?」
「うーん、いつも通りと言った感じかな」
「自分もだ」
「へ~、俺前よりよかったんですけど~……赤点なんですよね~……あ~補習で夏休み減っちゃう~、やだ~……」
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