冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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ラフな格好の彦星様

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安らかな寝顔を眺めてため息をつく。すぅすぅと大人しい寝息を立てているセイカは、ついさっきアキに絞め落とされた。幻肢痛から解放されたようだからまぁ、アキの乱暴で危険な行為も今は許容しよう。

「痛がる度にアキに落としてもらう訳にもいかないし……治していかないとな。薬ももらいに行かないと。って言うか病院行くなら保険証が……はぁ」

セイカへの応対で身も心も疲れた。ネザメとアキとの3Pが中断されてしまって射精出来ていないし、二人はそれぞれミフユとセイカに構っていて続きに誘える雰囲気ではない。

「……鏡、戻してくる」

彼氏達に疲れた顔を見せる訳にはいかない。俺は姿見を一人で母の部屋へと運んだ。元の場所に置いて、軽く伸びをして、鏡を見て表情を整えた。

「よしっ」

元気な笑顔を作れている。安心して扉を開くと、扉のすぐ側に立っていたハルが驚いたように目を見開いた。

「ぁ……やっほ、みっつん。なんか疲れた顔してたなーって思って、気になって見に来ちゃった。でもお母さんの部屋勝手に入るのはなーって迷ってたんだ」

「……そっか。気にしてくれてありがとな、ハル」

鏡の前での表情確認は見られていなかったようだ、よかった。

「うん……ねぇ、部屋行こうよ。初春さんがお疲れなみっつんを癒してあげちゃう」

魅力的なお誘いに俺は二つ返事で乗り、ハルと共に私室へ入った。父親のせいで男性恐怖症を患っている彼には弱みを見せた方が安心してくれるみたいだからという打算もあって、これまでにも何度か疲れや弱みを晒してきた。今回も甘えさせてもらおう。

「座って座って~。ぜーんぶ俺に任せてね」

射精し損ねたせいか十八禁な妄想ばかりしてしまうが、未だ処女のハルにはそういったことは期待してはいけない。頭なでなでとか、膝枕とか、そういった癒しを提供してくれるのだろう。性欲は一旦引っ込めてただただ癒しを受けようじゃないか。

「何してくれるんだ?」

俺は今一人でベッドの端に座らされている。ハルは目の前に立っていて、隣に座る様子はない。膝枕ではなさそうだ。

「俺ね~、その……見ようと思った訳じゃないんだけどさ~、見ちゃったんだよね~」

「何を?」

「…………ほ、ほら、みっつん達さぁ、アキくんとザメさんと、その……しけこんだじゃん。でその後ちょっとしてからフユさんに呼ばれて……あんま時間なかったんだよね~? だから仕方ないって言うかぁ」

「何を見たんだよ。もったいつけないでくれ」

「みっつんのが、その……勃ったままなの、気付いちゃって……辛いんじゃないかなって、してあげたいなーって」

怖がりのハルに対しては性欲を隠そうと決めていたのに、ハルの方からそんなふうに誘ってくれるとは……あぁ、ダメだ、落ち着け、飛びつきなんてしたらハルにトラウマを増やしてしまう。紳士の心を忘れるな

「めちゃくちゃ嬉しいよ」

「俺でよかった? えへへっ、じゃあ……したげるね。苦しそうだもん、早くしたげないと」

ハルに指示された訳ではないが、俺は手を後ろで組んでハルからの愛撫を待った。手コキでもしてくれるのだろうと想像していたが、予想に反して彼は自身の服の裾を持ち上げて俺に下着を見せてくれた。

「こっ、これ、ちゃんと男物なんだよ?」

ニーハイ足袋を吊るための白いガーターベルトに合わせたのだろう白い下着は、男物とは思えない布面積だ。三角形のシルエットと控えめなレースは女性下着のように見える。

「ちゃんと、その……アレ、ちゃんと収まるし」

通常の女性下着を男が履いた場合、まず間違いなく陰茎と陰嚢が上手く収まらない。真正面から見て大丈夫でも、横からだと丸見えだったりする。
だが、ハルが今履いている下着は女性下着のようなシルエットでありながらハルの性器を一切露出させていない。

「……形が結構ハッキリ浮いてるな」

「ぅ、い、言わないでよぉ~」

ぴったりと肌に張り付いた白い下着はハルの性器の形をくっきりと浮かび上がらせている。女性下着のシルエットを保つためなのか、かなり締め付ける素材のようだ、勃ったら苦しそうだな。

「俺スカートは履くけど下着はトランクス派なんだよね、でも……みっつん、こういうの好きかなって、買ってみたんだけど」

「もちろん大好きだよ! でもトランクスも好きだぞ?」

目の前で和ロリドレスをめくり上げて下着を見せてくれるということは、オカズを提供していくれていると捉えていいのだろうか。もう陰茎が痛いくらに膨らんでいて辛い、自分で扱いていいんだよな?

「で、ハル……見抜きさせてくれるってことでいいのか?」

「見抜き……? あっ、違う違う、みっつんは何もしないで。疲れてんだからさ~、今は見て欲しかっただけ」

ハルはぱっと手を離して下着をまたドレスのスカート部分で隠してしまった。とはいえこのスカートは超ミニスカ、ニーハイ足袋を吊っている紐が見える。下着が見えなくともそこさえ見られたなら俺は大興奮出来る。

「脱がすのも俺がやるから!」

「ありがとう。まぁ……脱げてるけどな」

ネザメとアキとの行為中に呼び出された俺はベルトを締めず、ベルトの辺りを掴んでスラックスを引っ張り上げながら走った。セイカの一件が落ち着いた後も締め直すのを忘れたまま歩き回り、今に至る。

「あははっ、パンツ見えちゃってるもんね~。え~っとぉ……みっつんには寝てもらおうかな? 仰向け仰向け~」

ただの手コキじゃないのかなと思いつつ、何も言わず仰向けに寝転がる。

「失礼しま~す」

ハルが俺の太腿に跨ってきた。頭の上で髪の輪っかを揺らしながら、顔を赤らめて俺の下着をスラックスごとずり下ろした。

「ぅ……じゃ、じゃあ……その、始めるね。みっつん動かないでね~?」

「あぁ、分かった。楽しみだよ」

仰向けに寝ているのに陰茎だけは天を突くように勃ち上がって卑猥に濡れているのはなんだか恥ずかしい。天女のような美しさのハルを見て気を紛らわそう。

「……美人だなぁ。その髪型と服で余計に常人離れした可愛さに見えるよ、本当に織姫様が降りてきてるみたいだ」

「もぉ~……そういうこと言う~。それならみっつんが彦星なんだからねっ」

織姫は織姫らしくめかし込んでいるのに、彦星の方はシャツにスラックスのラフな格好。一年に一度の逢瀬でこれじゃ百年の恋も冷めるというもの。

「ハルに一年に一度しか会えないなら、俺は牛飼いから橋の工事業者に転職する」

「あははっ、みっつんのそーいうとこ好き~」

だが俺達はほとんど毎日会える仲、何を着ていたってそれなりにときめきを得られる恋をしている。
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