319 / 2,013
セックスしたいって何て言う?
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胸から腹にかけてべっとりと白濁液がかかっている。アキにかけられたそれはゆっくりと俺の腹筋の溝を流れていき、先走りの汁を溢れさせている陰茎の根元に白い粒が触れた。
「……っ、あ……! はっ、ぁ……ん……! 最高っ、はぁ……アキぃっ!」
俺は自分の身体にかかった精液を手のひらで拭い、陰茎に絡めてローション代わりに使い、ぬるぬると滑るのを利用して扱き、あっという間に射精した。俺の精液はアキの身体にかかっている。
「あは……かかっちゃったな。そろそろちゃんと風呂にしよう、怪しまれる……」
シャワーヘッドに手を伸ばすとアキにその手を掴まれた。にーにと悩ましい声で呼ばれ、濡れた瞳で見つめられては、続きがしたくなる。
「……っ、アキ、お母さん……怪しい、思う……ぞ?」
《まぁ……アイツにバレんのは嫌だな、ぎゃあぎゃあ騒ぐに決まってる。親父と喧嘩した時みたいにな》
アキは俺の手を離し、シャワーヘッドを取らせてくれた。俺達はその後問題なく共にお風呂の時間を過ごした。互いの身体に興奮しつつもそれぞれの髪と身体を洗い、俺は股間に冷水をかけて萎えさせた。
《兄貴何してんの、シャワニー?》
自分の股間を責める俺を不思議そうな目で見るアキの陰茎は勃っていない。俺ほど勃ちやすくはないようだ。
手早く風呂を済ませ、着替えと歯磨きも済ませてアキと共に自室に戻る。土曜日の予定は特にナシ……のはずだったが、母に予定を告げられた。
「水月、急で悪いけど明日アキを病院に連れてってくれる?」
「アキきゅん元気そうですが」
「皮膚ガンのリスクは高いし、矯正出来ない視力障害はある、アキは致死性の合併症は今のところないけど免疫は弱めだから……まぁ、色々と検査が必要なのよ」
「…………そう、ですか」
「私が連れてく予定だったんだけど用事入っちゃってね。保険証渡しておくわ。アンタは別に何もしなくていいから。あ、病院はね、アンタが腹壊して入院したおっきい総合病院あるでしょ? あそこよ」
俺の超絶美形人生が始まった場所か。
「お願いね。おやすみ、水月、アキ、愛してるわ」
俺達の頭を両手でいっぺんに撫でた母に「おやすみ」を返し、彼女が部屋を出たら布団を敷く──
「にーにっ」
──敷けない。アキに抱きつかれた。俺の動きを邪魔するその仕草はまるでパソコンや新聞に乗ってくる猫のように思えた。
「にーに、にーにぃ、これ、いるしないです」
「俺には布団はいらない……って言ってるのか? あ、一緒に……寝る、する?」
「да!」
「だ、かぁ。そっかぁ、ふふ……可愛いな」
おそらく「はい」という意味だろうと推測している「だ」と聞こえる短い相槌。俺の推測が間違っていなければ、アキは今俺と一緒に寝たいと言っている。
「……にーに!」
アキの表情を伺いつつベッドに腰を下ろすと、アキは俺に飛びついてきた。しっかり抱きとめたけれど、アキはベッドの端に足を乗せて踏ん張り、俺を力任せに押し倒した。
「おっと……ふふふ」
笑顔で「仕方ないなぁ」みたいな態度を取ってみたけれど、俺は俺の胸に顔を擦り寄せているアキに内心戦慄していた。
(わたくし今全力で抵抗しましたぞ!? 腹筋ぷるぷるでピクピクですもの! わたくしの方がアキきゅんより身長も体格も上のはずですのに負けちゃいましたぞ。アキきゅん……っょぃ)
《んだよあっさり倒れて、非力で可愛いなぁ兄貴。ゃ、アレが本気な訳ねぇか。押し倒されてくれちゃってよぉ、掘る側だって自覚あんのか?》
単純に力で負けて押し倒されたと言うよりは、力を込めにくい角度に腕の向きを誘導されたり、力を込め続けていられず一瞬力を抜いた瞬間に一気に押されたり、技術で負けたという具合だった……なんて、こんな考察BLには必要ない。
「にーにぃ」
「んー?」
アキは天使のように微笑んだまま上体を起こし、俺の腰に跨って尻を押し付ける。美少年の尻の感触に俺の陰茎は当然むくむくと膨らみ、アキの尻にくい込んだ。
《ヤろうぜって日本語でなんて言うんだ? 調べときゃよかったな……》
ロシア語で呟いた後、アキは俺の目を見つめて残念そうに首を傾げた。
「にーに、日本語……分かるする、しないです」
「あ、あぁ……分かってる、出来るだけ分かりやすい言葉話すように俺も頑張るよ」
「今、何言うする、いいです?」
「え? 今って……」
アキは腰をくねらせ、尻で押し潰した俺の陰茎を更に刺激する。表情は今のところ何とか誤魔化せているが、頬はじんわりと熱くなってきた。きっと紅潮している。
「にーに、これ……ぼく、入れるする、欲しいです。これ、何言うする……いいです?」
まさか、まさかとは思うが、アキは今「セックスをしたい場合、日本語ではどう言えばいいのですか?」というようなことを言っているのか?
《伝わったかなー……ヤりたいんだよ兄貴ぃ、兄貴のチンポを俺のケツに突っ込んで欲しいワケ。兄貴もしたいだろ? 俺は初めはちょっと痛いらしいけど、兄貴は気持ちいいだけなんだから今すぐヤってくれるよな》
今まで何度もアキの言いたいことを勘違いしてきたけれど、俺の都合のいい妄想だと思って否定したものが合っていたりもした。なら今回こそ当ててやる、俺の都合のいい妄想を押し付けてやる。
「セックスしたいって……あっ、ま、待て! 違う! 今の、違う、ナシ!」
「……?」
多分、セックスしたいと日本語で言いたいのだろう。それは合っているはずだ。だがアキはそんな卑猥な言葉知らないのだから、俺好みの言い方を覚えさせられるのではないか? お兄ちゃんや兄さんではなく、にーにと呼ばせているように……セックスのお誘いも普通なら恥ずかしくて言えない萌え萌えな言葉を使わせられるのでは? まぁ、にーにに決めたのは俺ではないが。
(やるっきゃない! でそ)
不思議そうな顔をしているアキの目をじっと見つめる。
(えっちしたい……いや、それくらいカンナたんが言ってくれまそ。もっと特殊で言い難いこと……子作りしよう、孕ませてにーに……いやちょっとインモラル過ぎる。もうちょいライトに)
《兄貴めっちゃ悩んでる……? なんで? 俺が何聞いてるか分かってるよな兄貴、分かんなかったのかな……》
(あぁアキきゅんが不安そうでそ、早く言って差し上げねば。えぇと……おちんぽ欲しいの、おちんちんください、うーん……お尻の方も言わせちゃいます? アナルとかケツマンコとかおまんことか言わせちゃいます? いやいやいや天使、アキきゅんは天使ですから、もっと天使に相応しぁでも天使が淫語話すの最高でわ!?)
頭から煙が出そうだ。
「よ、よし……アキ、今、言う。覚える、する」
「……! 覚えるするです、頑張る聞くです」
頑張って聞いて覚えるって? あぁ、可愛いな。こんなに可愛い弟に何教えてんだろ俺。
「お……」
「お?」
「お尻」
「お尻です」
アキは自分の尻を指している。身体の部位の言い方は知っているようだ。
「…………お尻のむずむず、にーにに治して欲しいです」
俺には淫語を教える勇気はなかった、まず自分でそれを言うと思うと羞恥心で死にそうになった。結局、天使のようなアキに似合う無知っぽいセリフを教えてしまった。
「おしり、のぉ……むずー、むず? にーに、なおーし、てー……欲しいです!」
「むずむず、言えないか?」
「ずむーむ……?」
「むず、むず」
「むずーむず…………にーに、スマホ、音、撮るです、欲しいです」
俺は羞恥心で死にそうになりながらアキのスマホに向かって「お尻のむずむず、にーにに治して欲しいです」と言った。俺は何をやっているんだろう。
「……っ、あ……! はっ、ぁ……ん……! 最高っ、はぁ……アキぃっ!」
俺は自分の身体にかかった精液を手のひらで拭い、陰茎に絡めてローション代わりに使い、ぬるぬると滑るのを利用して扱き、あっという間に射精した。俺の精液はアキの身体にかかっている。
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アキは俺の手を離し、シャワーヘッドを取らせてくれた。俺達はその後問題なく共にお風呂の時間を過ごした。互いの身体に興奮しつつもそれぞれの髪と身体を洗い、俺は股間に冷水をかけて萎えさせた。
《兄貴何してんの、シャワニー?》
自分の股間を責める俺を不思議そうな目で見るアキの陰茎は勃っていない。俺ほど勃ちやすくはないようだ。
手早く風呂を済ませ、着替えと歯磨きも済ませてアキと共に自室に戻る。土曜日の予定は特にナシ……のはずだったが、母に予定を告げられた。
「水月、急で悪いけど明日アキを病院に連れてってくれる?」
「アキきゅん元気そうですが」
「皮膚ガンのリスクは高いし、矯正出来ない視力障害はある、アキは致死性の合併症は今のところないけど免疫は弱めだから……まぁ、色々と検査が必要なのよ」
「…………そう、ですか」
「私が連れてく予定だったんだけど用事入っちゃってね。保険証渡しておくわ。アンタは別に何もしなくていいから。あ、病院はね、アンタが腹壊して入院したおっきい総合病院あるでしょ? あそこよ」
俺の超絶美形人生が始まった場所か。
「お願いね。おやすみ、水月、アキ、愛してるわ」
俺達の頭を両手でいっぺんに撫でた母に「おやすみ」を返し、彼女が部屋を出たら布団を敷く──
「にーにっ」
──敷けない。アキに抱きつかれた。俺の動きを邪魔するその仕草はまるでパソコンや新聞に乗ってくる猫のように思えた。
「にーに、にーにぃ、これ、いるしないです」
「俺には布団はいらない……って言ってるのか? あ、一緒に……寝る、する?」
「да!」
「だ、かぁ。そっかぁ、ふふ……可愛いな」
おそらく「はい」という意味だろうと推測している「だ」と聞こえる短い相槌。俺の推測が間違っていなければ、アキは今俺と一緒に寝たいと言っている。
「……にーに!」
アキの表情を伺いつつベッドに腰を下ろすと、アキは俺に飛びついてきた。しっかり抱きとめたけれど、アキはベッドの端に足を乗せて踏ん張り、俺を力任せに押し倒した。
「おっと……ふふふ」
笑顔で「仕方ないなぁ」みたいな態度を取ってみたけれど、俺は俺の胸に顔を擦り寄せているアキに内心戦慄していた。
(わたくし今全力で抵抗しましたぞ!? 腹筋ぷるぷるでピクピクですもの! わたくしの方がアキきゅんより身長も体格も上のはずですのに負けちゃいましたぞ。アキきゅん……っょぃ)
《んだよあっさり倒れて、非力で可愛いなぁ兄貴。ゃ、アレが本気な訳ねぇか。押し倒されてくれちゃってよぉ、掘る側だって自覚あんのか?》
単純に力で負けて押し倒されたと言うよりは、力を込めにくい角度に腕の向きを誘導されたり、力を込め続けていられず一瞬力を抜いた瞬間に一気に押されたり、技術で負けたという具合だった……なんて、こんな考察BLには必要ない。
「にーにぃ」
「んー?」
アキは天使のように微笑んだまま上体を起こし、俺の腰に跨って尻を押し付ける。美少年の尻の感触に俺の陰茎は当然むくむくと膨らみ、アキの尻にくい込んだ。
《ヤろうぜって日本語でなんて言うんだ? 調べときゃよかったな……》
ロシア語で呟いた後、アキは俺の目を見つめて残念そうに首を傾げた。
「にーに、日本語……分かるする、しないです」
「あ、あぁ……分かってる、出来るだけ分かりやすい言葉話すように俺も頑張るよ」
「今、何言うする、いいです?」
「え? 今って……」
アキは腰をくねらせ、尻で押し潰した俺の陰茎を更に刺激する。表情は今のところ何とか誤魔化せているが、頬はじんわりと熱くなってきた。きっと紅潮している。
「にーに、これ……ぼく、入れるする、欲しいです。これ、何言うする……いいです?」
まさか、まさかとは思うが、アキは今「セックスをしたい場合、日本語ではどう言えばいいのですか?」というようなことを言っているのか?
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今まで何度もアキの言いたいことを勘違いしてきたけれど、俺の都合のいい妄想だと思って否定したものが合っていたりもした。なら今回こそ当ててやる、俺の都合のいい妄想を押し付けてやる。
「セックスしたいって……あっ、ま、待て! 違う! 今の、違う、ナシ!」
「……?」
多分、セックスしたいと日本語で言いたいのだろう。それは合っているはずだ。だがアキはそんな卑猥な言葉知らないのだから、俺好みの言い方を覚えさせられるのではないか? お兄ちゃんや兄さんではなく、にーにと呼ばせているように……セックスのお誘いも普通なら恥ずかしくて言えない萌え萌えな言葉を使わせられるのでは? まぁ、にーにに決めたのは俺ではないが。
(やるっきゃない! でそ)
不思議そうな顔をしているアキの目をじっと見つめる。
(えっちしたい……いや、それくらいカンナたんが言ってくれまそ。もっと特殊で言い難いこと……子作りしよう、孕ませてにーに……いやちょっとインモラル過ぎる。もうちょいライトに)
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頭から煙が出そうだ。
「よ、よし……アキ、今、言う。覚える、する」
「……! 覚えるするです、頑張る聞くです」
頑張って聞いて覚えるって? あぁ、可愛いな。こんなに可愛い弟に何教えてんだろ俺。
「お……」
「お?」
「お尻」
「お尻です」
アキは自分の尻を指している。身体の部位の言い方は知っているようだ。
「…………お尻のむずむず、にーにに治して欲しいです」
俺には淫語を教える勇気はなかった、まず自分でそれを言うと思うと羞恥心で死にそうになった。結局、天使のようなアキに似合う無知っぽいセリフを教えてしまった。
「おしり、のぉ……むずー、むず? にーに、なおーし、てー……欲しいです!」
「むずむず、言えないか?」
「ずむーむ……?」
「むず、むず」
「むずーむず…………にーに、スマホ、音、撮るです、欲しいです」
俺は羞恥心で死にそうになりながらアキのスマホに向かって「お尻のむずむず、にーにに治して欲しいです」と言った。俺は何をやっているんだろう。
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