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たどたどしいえっちなお兄さん
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前立腺の快感を理解してくれたのは嬉しいのだが、何故か後孔から指を抜かされてしまった。気に入ってくれたようなのに何故……
「シャワー浴びていいか?」
「あ、はい。ご自由にどうぞでそ」
歌見は足に垂れていた精液を洗い流し、頭からシャワーを浴びて汗も軽く流した。
「……湯、浸かっていいか? 洗わないとダメなタイプの家か?」
「軽く流してくれたらOKなタイプの家ですぞ。どうぞお入りくだされ」
歌見はすぐに湯に浸かり、深いため息をついた。
「悪いな、寒かったんだ」
「はぁ……あ、もしかしてさっさと中断させたのって寒かったからですかな?」
「バレたか」
風呂場は温かい湿気た空気に包まれているように感じる。それなのに寒いだなんて、歌見は寒がりなのだろうか。だとしたら萌えポイントが増えたな。
「……嫌だった訳じゃない、それは分かっててくれよ? 恥ずかしいが……本当に気に入った。だから、その……上がったら、ぁ、いや、お前は明日も学校だったな」
「パイセン……お尻気に入ったなんてやっぱりエロエロですな! わたくしのことはお気になさらず、寒がりなのでしたら着衣プレイと洒落込みましょうぞ!」
「学生の本分は勉強! テスト前だろ? そうだ、七夜お兄さんが勉強見てやろうか」
大学生の歌見が勉強を見てくれるというのはとても頼もしい、是非お願いしなければ。
「ななな、七夜お兄さんがぁ!? はぁーっ! その言い方好きぃ~!」
おっと、お願いをするつもりが心の声がそのまま叫びになってしまった。他の彼氏だったら大変なやらかしだが、歌見はくすくすと笑ってくれている。
「ちょっと恥ずかしい言い方だったんだが……気に入ってもらえたか」
「萌えまっそ~。いいですよな、歳上で巨乳のえっちなお兄さん!」
「……もっとセクシーに振る舞った方がいいか? 自惚れて気持ち悪く見えないか?」
「自然体でいてくだされ、わたくしも自然体でいさせてもらってますし……何よりパイセンのえっちさは天然ものですので!」
複雑そうな顔だが、笑ってくれているのでよしとしよう。
「自然体も大事だが、好きな人の好きな振る舞いをしたいってのも大事だろ? じゃあ……ぇ、えっちなお兄さんらしく、ひとつ言っておこうかな」
「おや、楽しみですな。録音の準備を整えたいでそ」
「……テストが終わるまで俺はお預け。平均点以上を取れたら何でもひとつ、言うことを聞いてやる」
「…………っ、ポォオォオオオーッ!」
浴槽の縁に肘をついて俺に色っぽい視線を向けていた歌見の目に幼さと丸みが宿る。驚いて目を見開いているようだ。
「な、何……なん、なっ…………なんだ、今の、何……?」
「テスト終わるまで寝ずに勉強致しますぞ!」
「……多分、点数下がるだろうな」
お預けという発言通り、その後歌見は俺にほとんど身体を触れさせなかった。頭や身体を洗う際にそれとないお触りを狙ったのだが、ダメだった。
「よっしゃ、勉強しますぞ」
風呂を上がり服を着替え、部屋に戻った俺は勉強道具を広げて椅子に座ろうとしたが、歌見に阻止された。
「もう寝る時間だ、歯を磨いてさっさと寝ろ」
「まだ十時過ぎでそ」
「明日何時に起きるんだ? 高校生は八時間睡眠が理想、俺を理由にそんなにやる気を出してくれるのは嬉しいが……不摂生は肌荒れ、肥満の元だぞ? お前の美貌はお前にとって大切な──」
「今すぐ寝ますぞ!」
肥満という言葉は俺にスピードアップのバフをかける呪文となり、ベッドに飛び込んで頭から毛布を被った俺を歌見は先程までとは逆に叩き起こした。
「まだ寝るな! 歯を磨け! ったく、その綺麗な歯を虫歯にする気か?」
「わたくしこれでも歯医者に行ったことがないのが自慢でそ、一日くらいどーってことねーでそ」
「……キスをする時に口臭が気にならないか?」
ピク、と身体が反応する。
「…………歯磨きをちゃんとしないヤツは太ると聞いたことも」
「歯磨きしませい! パイセンのも用意してあるので来てくだされ!」
洗面所に走り、彼氏を泊まらせた際に使ってもらおうと買っておいた歯ブラシを開封する。マスキングテープに「七」と書いて持ち手に巻き、歌見専用の歯ブラシとした。
「あら、アンタ達もう寝るの?」
「使います?」
「使いゃしないんだけど、ちょっと水月に話が……まぁ長くなるから明日でいいわ。水月、明日は彼氏の家に遊びに行ってもいいけど泊まっちゃダメよ、話があるから」
「御意」
「重たかったり硬かったりする話じゃないから、気楽にね」
歯磨き中に現れた母は歯磨き中に消え、母からの話に全く予想がつかないまま歯磨きを終えた。
「俺の歯ブラシもそこに立てといていいのか?」
「しょっちゅう泊まらない方の歯ブラシはよく洗って別で保管してまそ」
「へぇ……この電動はお母さんのかな、これは親父さんか?」
「レイどのでそ」
ピンク色の歯ブラシの持ち手には「レ」と書かれたマスキングテープが巻いてある。
「……そうか」
「ちなみにわたくしパパ上は居ませんぞ。死んだとかじゃなく、ガチで誰か分かんないのでそ。ママ上もわたくしに負けず劣らず多情ですからな~、まぁわたくしがデキちまった反省からか、昔はバイだったのが現在レズ寄りになっちゃいますが」
「…………そう、か」
「気にしないでくださいませ。ハナから居ないもん寂しがり方がありませんし、不自由したこともありません。ママ上のスペックは天井知らずですからな!」
歌見は優しく微笑んで俺の頭を撫でてくれた。その手つきはどこか母に似ていて、もし父が居ればこんなことをしてもらえたかもなと柄にもなく考えてしまった。
「……好きだぞ、水月。お前のバカなガキらしさが、たまにいじらしくてどうしようもなくなる。好きで、好きで……その気持ちが爆発しそうで、少し怖い」
「わたくしに向けて爆発してくだされば問題ありませんが?」
「ふっ……だな。でも、テストが終わるまではお預けだ」
「爆発ってえっち系なんですか!? ふぉおおぉお……ぉおオォ…………ポォオォーッ!」
再び奇声を発した瞬間、走ってきた母にハリセンで殴られたのは言うまでもない。
「シャワー浴びていいか?」
「あ、はい。ご自由にどうぞでそ」
歌見は足に垂れていた精液を洗い流し、頭からシャワーを浴びて汗も軽く流した。
「……湯、浸かっていいか? 洗わないとダメなタイプの家か?」
「軽く流してくれたらOKなタイプの家ですぞ。どうぞお入りくだされ」
歌見はすぐに湯に浸かり、深いため息をついた。
「悪いな、寒かったんだ」
「はぁ……あ、もしかしてさっさと中断させたのって寒かったからですかな?」
「バレたか」
風呂場は温かい湿気た空気に包まれているように感じる。それなのに寒いだなんて、歌見は寒がりなのだろうか。だとしたら萌えポイントが増えたな。
「……嫌だった訳じゃない、それは分かっててくれよ? 恥ずかしいが……本当に気に入った。だから、その……上がったら、ぁ、いや、お前は明日も学校だったな」
「パイセン……お尻気に入ったなんてやっぱりエロエロですな! わたくしのことはお気になさらず、寒がりなのでしたら着衣プレイと洒落込みましょうぞ!」
「学生の本分は勉強! テスト前だろ? そうだ、七夜お兄さんが勉強見てやろうか」
大学生の歌見が勉強を見てくれるというのはとても頼もしい、是非お願いしなければ。
「ななな、七夜お兄さんがぁ!? はぁーっ! その言い方好きぃ~!」
おっと、お願いをするつもりが心の声がそのまま叫びになってしまった。他の彼氏だったら大変なやらかしだが、歌見はくすくすと笑ってくれている。
「ちょっと恥ずかしい言い方だったんだが……気に入ってもらえたか」
「萌えまっそ~。いいですよな、歳上で巨乳のえっちなお兄さん!」
「……もっとセクシーに振る舞った方がいいか? 自惚れて気持ち悪く見えないか?」
「自然体でいてくだされ、わたくしも自然体でいさせてもらってますし……何よりパイセンのえっちさは天然ものですので!」
複雑そうな顔だが、笑ってくれているのでよしとしよう。
「自然体も大事だが、好きな人の好きな振る舞いをしたいってのも大事だろ? じゃあ……ぇ、えっちなお兄さんらしく、ひとつ言っておこうかな」
「おや、楽しみですな。録音の準備を整えたいでそ」
「……テストが終わるまで俺はお預け。平均点以上を取れたら何でもひとつ、言うことを聞いてやる」
「…………っ、ポォオォオオオーッ!」
浴槽の縁に肘をついて俺に色っぽい視線を向けていた歌見の目に幼さと丸みが宿る。驚いて目を見開いているようだ。
「な、何……なん、なっ…………なんだ、今の、何……?」
「テスト終わるまで寝ずに勉強致しますぞ!」
「……多分、点数下がるだろうな」
お預けという発言通り、その後歌見は俺にほとんど身体を触れさせなかった。頭や身体を洗う際にそれとないお触りを狙ったのだが、ダメだった。
「よっしゃ、勉強しますぞ」
風呂を上がり服を着替え、部屋に戻った俺は勉強道具を広げて椅子に座ろうとしたが、歌見に阻止された。
「もう寝る時間だ、歯を磨いてさっさと寝ろ」
「まだ十時過ぎでそ」
「明日何時に起きるんだ? 高校生は八時間睡眠が理想、俺を理由にそんなにやる気を出してくれるのは嬉しいが……不摂生は肌荒れ、肥満の元だぞ? お前の美貌はお前にとって大切な──」
「今すぐ寝ますぞ!」
肥満という言葉は俺にスピードアップのバフをかける呪文となり、ベッドに飛び込んで頭から毛布を被った俺を歌見は先程までとは逆に叩き起こした。
「まだ寝るな! 歯を磨け! ったく、その綺麗な歯を虫歯にする気か?」
「わたくしこれでも歯医者に行ったことがないのが自慢でそ、一日くらいどーってことねーでそ」
「……キスをする時に口臭が気にならないか?」
ピク、と身体が反応する。
「…………歯磨きをちゃんとしないヤツは太ると聞いたことも」
「歯磨きしませい! パイセンのも用意してあるので来てくだされ!」
洗面所に走り、彼氏を泊まらせた際に使ってもらおうと買っておいた歯ブラシを開封する。マスキングテープに「七」と書いて持ち手に巻き、歌見専用の歯ブラシとした。
「あら、アンタ達もう寝るの?」
「使います?」
「使いゃしないんだけど、ちょっと水月に話が……まぁ長くなるから明日でいいわ。水月、明日は彼氏の家に遊びに行ってもいいけど泊まっちゃダメよ、話があるから」
「御意」
「重たかったり硬かったりする話じゃないから、気楽にね」
歯磨き中に現れた母は歯磨き中に消え、母からの話に全く予想がつかないまま歯磨きを終えた。
「俺の歯ブラシもそこに立てといていいのか?」
「しょっちゅう泊まらない方の歯ブラシはよく洗って別で保管してまそ」
「へぇ……この電動はお母さんのかな、これは親父さんか?」
「レイどのでそ」
ピンク色の歯ブラシの持ち手には「レ」と書かれたマスキングテープが巻いてある。
「……そうか」
「ちなみにわたくしパパ上は居ませんぞ。死んだとかじゃなく、ガチで誰か分かんないのでそ。ママ上もわたくしに負けず劣らず多情ですからな~、まぁわたくしがデキちまった反省からか、昔はバイだったのが現在レズ寄りになっちゃいますが」
「…………そう、か」
「気にしないでくださいませ。ハナから居ないもん寂しがり方がありませんし、不自由したこともありません。ママ上のスペックは天井知らずですからな!」
歌見は優しく微笑んで俺の頭を撫でてくれた。その手つきはどこか母に似ていて、もし父が居ればこんなことをしてもらえたかもなと柄にもなく考えてしまった。
「……好きだぞ、水月。お前のバカなガキらしさが、たまにいじらしくてどうしようもなくなる。好きで、好きで……その気持ちが爆発しそうで、少し怖い」
「わたくしに向けて爆発してくだされば問題ありませんが?」
「ふっ……だな。でも、テストが終わるまではお預けだ」
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