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吸引器と手どっちが好み?

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ボタンを一つも留めていないシャツはそのままに、歌見は自らタンクトップをめくり上げた。ペールオレンジの肌と日焼けした褐色の肌との境目を指で辿り、歌見の顔をじっと見つめる。

「水月……? 早く」

「先輩のためにいいもの買ったって言いましたよね、使っていいですか?」

「……玩具か何かか? 別にいいが……俺は水月の手がいい」

体格に似合わない弱々しさで俺の手を握る。彼の太腿に跨っている俺に対する上目遣いには素晴らしいギャップがあり、俺を狂わせた。

「んっ……!」

興奮で荒くなる呼吸を誤魔化す努力もせず左胸を鷲掴みにする。声を漏らした歌見は数秒俯き、濡れた瞳で再び俺を見上げた。

「先輩って本当ウブな反応見せてくれますよね。彼女とか居なかったんですか?」

「……触られるのは慣れてないんだよ」

「こんなおっきな雄っぱい、男女問わず揉みたがると思いますけど」

良質な胸筋は柔らかく、ふにふにと俺の指に合わせて歪む。触り心地はもちろん、揉むうちに乳輪がぷくっと膨れてくる様子も眺めて楽しめる。もちろん欲情を深めていく歌見の表情もだ。

「そんな……特殊性癖っ、お前……だけだ」

「巨乳好きはトップオブザ一般性癖でしょう」

「男の胸筋を乳呼ばわりする時点で特殊だ!」

「……なら、揉まれて喜ぶ先輩はもっと特殊ですね」

「喜んでなんてっ……ぁ、ぅんっ!」

胸を強めに揉んでやると歌見は素直に喘いでくれた。元ノンケのくせに快楽に否定的ではないし、口では乗り気でないような態度なのに身体は大人しく明け渡してくれるんだよな。これも超絶美形の力か?

「…………ねぇ先輩、俺の母さん見てどう思いました?」

「え……? 若くて、お前に似てて、母と言うより姉に見えるなと……」

「へぇ、母さん喜びますよ。俺は嫉妬しちゃいますけど」

歌見は目を見開いた後、クスッと笑って俺の頭を抱き寄せた。背を曲げさせられて歌見の唇が額に触れ、頭に巻きついていた腕が離れる。

「……俺はお前一筋だよ」

「…………先輩、ノンケでしょ。男には元々興味ないじゃないですか……母さんに誘われたらコロッといっちゃいません?」

「バカ言うな、俺はコブ付き歳上美女より俺を理由に一喜一憂する可愛い浮気男がいい」

「……嬉しいです」

今度は俺の方からキスをして、一旦彼から離れてベッドの下を漁り、彼のために購入しておいた器具を引っ張り出した。

「件の玩具か?」

「はい、でも玩具じゃないですよ? 医療品……になるんですかね」

箱から取り出した未使用品の玩具もどきを歌見に一つ渡したが、見ても触っても何なのか分からないようだ。

「なんだこれ、吸盤か……? 壁に引っ付けて何か吊るヤツだろ? これが玩具?」

「乳首吸引器です」

「……は?」

「陥没乳首を吸い出すための物です」

箱を見せながら用途を説明すると歌見は耳まで真っ赤になった。

「俺個人的にはせっかくの陥没乳首を治しちゃうのは嫌なんですけど、やっぱり外気にもほとんど触れてない箱入り娘を弄り回してやりたいという男の欲望には勝てない訳で」

「訳で、じゃない……」

「そういう訳でーす」

先輩に一つ渡したまま、もう一つの乳首吸引器を歌見の右乳輪に装着した。

「ひっ……!?」

「どうですか?」

「すっ、すごい……吸われてる、けど」

半透明のシリコン素材は器具内の乳輪の様子を見せてくれる。どうやら歌見の乳首はまだ顔を見せる気はないようだ。

「強情な乳首ちゃんですねぇ」

「ひぁっ!? ぁ、そっちも、ぉっ……ぁああ……!」

左の乳輪をすりすりと撫で、吸引器を使っても引っ張り出すことが出来なかった悔しさを紛らわす。

「中にはあるのになぁ」

「ぁひっ……! ひ、ぁ……」

乳輪をぎゅっと掴み、埋まっている乳首を探る。ぐり……ぐり……と念入りにこねてみると歌見は大きく口を開け、声を出さずに荒く息をした。

「あぁ、そうそう。確かワセリン使うといいって書いてたんですよ。試していいですか?」

「ぁ……? あぁ、もう……好きにしろ」

勉強机の引き出しに入れてあったはずのワセリンを探しに行くと歌見はベルトを緩め、ファスナーを下ろし、下着をズラして陰茎を引っ張り出した。先端は既に先走りの汁でてらてらと輝いていた。

「先輩、身体起こしてるの辛かったらベッドに行っていいですよ」

ティッシュを箱ごと持ちながらそう言うと歌見はベッドの真横に移動し、ベッドを背もたれとして使った。

「ベッドに寝ていいって意味だったのに……」

「…………それは、まだ……ちょっと」

「まだ?」

「……お前は未成年だし、今日は親が居るし……ダメだ」

「そのうちベッドでしたいことがあるってことですよね」

からかうように煽るように、半笑いで尋ねる。歌見は顔を真っ赤にして俯き、胸を突き出して「早く」と小さく呟いた。

「はぁい……一回外しますね」

「……んっ」

乳首吸引器を一旦外し、ワセリンをすくった中指と親指で右乳輪をつまんだ。

「ひ、ぁ……つめ、たいっ」

乳輪に塗り込むうちに白く濁った色をしていたワセリンは溶け広がり透明になり、ベタついていった。

「ぁ、あっ……水月ぃっ、水月、水月ぃ……」

不安そうな目で俺を見る歌見の手を握り、もう片方の手は作業を継続させた。中指にたっぷりとワセリンをすくって乳輪の横線の中──歌見の乳首があるはずの場所に押し込んだ。

「んひぃっ!? 冷たっ、ぁあっ! 水月っ、だめだ、指入れちゃぁっ……ぁ、あっ、あぁあっ……!」

指の先端も先端だが、ほんの少しだけ入ることが出来た。歌見は震える手でティッシュ箱を引っ掴み、中身を何枚か乱暴に抜き取った。

(ニップルファックなんざ二次元限定だと思ってましたが……その通りですな、こんなもん綿棒くらいしか入れませんぞ)

深爪にはしているが爪で引っ掻いてしまわないか心配なのですぐに抜き、陥没した穴部分には指の腹を擦り付けることにした。

「……くちゅくちゅ鳴ってますよ、聞こえてますか先輩。すっごくえっちです」

「そんなっ、こと……言うなぁっ! ぁ、あっ……嫌だっ、ダメだっ、出る、出るっ……水月、水月っ、水月ぃいっ!」

歌見はティッシュ越しに自身の亀頭を掴み、僅かに腰を浮かせて絶頂を迎えた。ベッドにもたれかかって開いたままの口から微かに唾液を垂らし、射精の余韻に浸る歌見の顔はもう見ただけで射精出来そうなほど扇情的だった。
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