冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
167 / 2,304

五十分プラス十分強

しおりを挟む
シュカに顔や陰茎だけでなく性格も気に入られていると知った俺は泣いてしまった。嬉しさのあまりなのかどうかすらもよく分からない。

「水月、水月……ほら、泣いてないで仕上げをしてくださいよ」

「ぁ、あぁ……うん、ごめん。仕上げって具体的には何をすればいいんだ?」

「ローションまだ残ってますよね? それを注いで蓋をするんです」

開封済みの小袋にはローションが半分ほど残っている。蓋というのはアナルプラグのことだろう。

「さ、どうぞ」

シュカは身体を小さく折り曲げて自身の尻肉を鷲掴みにし、後孔を拡げた。俺は残ったローションを後孔に注ぎ、小袋の内側を擦り付けて濡らしたアナルプラグをそっと挿入した。

「んぅっ……!」

アナルプラグは丸みのある三角錐のような形をしており、全て挿入すると大きな円形の取っ手部分以外は見えなくなる。

「……これでいいのか?」

「はい、及第点です」

外の様子を伺ってから共に個室を出て手を洗う。しっかりと手を拭いてからシュカの後頭部に手を添え、唇を重ねるだけのキスをする。

「…………人目に付くかもしれないところではやめてください」

「人が居ないことは確認してるよ」

「全く……」

シュカは頬を染めて顔を逸らした。腰を抱いて頬にキスをすると鬱陶しそうに手と顔を払われた。

「嫌だったか? ごめんな」

シュカにどう対応すればいいか、段々分かってきた。あんまりツンツンされた時は落ち込んだフリをして少し引いてみるのだ、冷たい態度が本当に苛立っているからではなかった場合、シュカは──

「嫌じゃありませんっ……その、そういうのは、家とか……そういうところでがいいんです」

──慌ててフォローを始める。これが可愛いんだ。

「今は二人きりだけど、家がいいって……二人きりじゃなきゃダメって意味じゃないのか?」

「……もうすぐ教室に帰らなければならないでしょう? 単純なセックスやその準備以外の、その……イチャイチャ? とでも言うんでしょうか、そういう触れ合いは……ゆっくり、したいんです。だから家がいい……前に水月の家に行った時、眠ってしまう前にしたようなのがいいんです」

「…………中途半端にイチャつくと欲求不満になっちゃう?」

「そう、ですね。半端で終わらせられるのは嫌です」

覚えておくと伝え、何もせずにトイレから出る。手も繋がずに廊下を歩いて教室に戻るのだ。

(腰抱かれたりちゅっちゅされたりすると甘えん坊モードが発動して、ずーっとしてて欲しくなるからってことですよなぁ? ふほほっ、可愛いでそ~。怒られると怖いのでやりませんが、もっとちゅっちゅしまくってあげたら授業悶々と「水月に甘えたいよぅ」ってなるワケですか? カァーッ!)

内心大興奮早口、外面はすまし顔。つまりいつもの俺だ。

(教室到着~、授業開始でそ。テストで悪い点取って彼氏達に呆れられたくないですし、赤点取って補習に時間取られるの嫌ですし、真面目にやりますかな。しかしさっきのシュカたま可愛かったですなぁ、ムラムラしてきましたぞ……後五十分我慢とかキツすぎますぞ!)

五十分間の授業を悶々として過ごし、体感時間はいつもの数倍に至った。そして昼休みになり、昼食の時間すら惜しいなと思いつつも屋上への扉前の踊り場に集まる。

「しぐー、これと卵焼き交換してぇな」

「な……そ、れ」

「うずらの卵フライにして串に刺してソースかけたん」

「……いし、そ……ぅん、こーかん……す……」

リュウとハルがお弁当の交換会を開いている。俺も参加したいが、カロリー計算が狂うので出来ない。口惜しい。

「自分またサラダだけなん? よぉ飽きひんなぁ」

「飽きるとか飽きないとか、俺はそういう次元に居ないから」

「ほーん……? 他のん食いたならんの? ほれほれソースの匂い食欲そそるやろ、一個くらいやったらやってもええで」

「要らないしそそられない。ソースの匂い別に好きじゃないし。ってかアンタこそいっつもいっつもソース系ばっかで飽きないワケ?」

「ソースは飽きるとかそういう次元に居らんやろ」

ハルとリュウって何だかんだ仲良いよな。

「……ごちそうさまでした」

昼食開始後、十分と少し経っただろうか。三つの弁当を食べ終えたシュカが手を合わせた。

「はっや。ゆっくり食べないと消化に悪いよー?」

「いつも通りですよ、あなたが遅いんです。水月、ヤりましょう」

「ごめん俺まだ食べてる」

みんなの様子を眺めながら食べているせいか俺の箸の進みは遅い。早く食べると太りやすいぞと母に脅されたのもある。

「……早く食べてくださいよ」

チッと舌打ちをされてしまった。元キモオタデブスの俺にとって舌打ちは机叩きはとても恐ろしいものだ、やめて欲しい。

「せか……ちゃ、だめっ……! みーくん……ゆっくり、食べ……て」

「あぁ、ありがとうなカンナ。ごめんなシュカ、ちょっと待っててくれ」

「……五十分以上、いえ……もう一時間は待たされているんですよ」

「何、またヤんの? もう昼休み完全にアンタの時間じゃん、俺らもみっつんとイチャつきたいんだけど~。ね!」

ハルはリュウに同意を求めるが、リュウはフライを頬張っていて話せないようで顔の前で手を振った。

「シュカ? えっと……まだ食べてる」

「見れば分かりますよ」

俺は足を伸ばして座っているのだが、シュカは俺の太腿の上に跨って俺のベルトに手をかけた。俺の隣にピッタリ座っていたハルはため息をついて立ち上がり、リュウの隣に移った。

「お、おい……まだ食べてるって」

「見れば分かりますって」

「なんで脱がすんだよ!」

「食べ終わるまでに勃たせておけばすぐ始められるかと思いまして」

シュカは俺が何を言っても手を止めない。白米を咀嚼しているのに陰茎を引っ張り出されるなんて経験、世界で何人の男が体験しただろう。

「なーんかさぁ……しゅーって生きる世界違うって言うか……なんか、ってなんで脱いでんのりゅー!」

「やっとこ思て」

「何を!?」

「ナニを」

昼食を終えた途端にリュウは下を脱いでバイブを使った自慰を始めた。ハルはカンナの隣に移り、深い深いため息をついた。
しおりを挟む
感想 530

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~

液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿 【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】  アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。  巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。  かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──  やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。  主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ ⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌ ⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。 ⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 1000 Thank_You!!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

処理中です...