冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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忠犬後輩公 (水月+レイ・リュウ)

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金曜日、今日は土日に誰かと遊ぶ約束を取り付けたい。出来ることならお家デートでエロいことがしたい。

「いってきまーす」

家を出て鍵をかけ、家の前の道に出る。塀を背に黒いパーカーを着た少年がしゃがんでいた。

「……あ、おはよーございます。せーんぱいっ」

「えっ……レイ? お前、なんで」

「せんぱいにお供したくて……ふぁ、何時に出るか分からなかったんで、ちょっと早めに来て……眠いっす」

目を擦りながら立ち上がったレイの服装をよく確認すると、似た服なだけで昨日とは別物だと分かった。一度自宅に戻りはしたようだ、一日中家の前にいたなんてホラーな展開にならなくてよかった。

「無理するなよ。ってかお前学校は?」

「通信っす」

「そっか、ならいいけど……寝不足はよくないぞ、早く帰って寝ろよ」

「せんぱい学校まで送ったら帰るっす」

学校まで? それはまずいな。ハーレムはオープンにやるとは決めているが、ヤンデレ疑惑のあるレイには特別対応が必要かもしれない。ハーレムについて教えるとしても、他の彼氏と会わせるのはよくない気がする。

「目的地でもないのに電車乗って、金もったいなくないか?」

「大丈夫っすよ」

「……無理するなよ?」

「してないっす」

改札で帰すのは無理だった、強く言えば従うのかもしれないが急に刺されそうな気がして怖かった。

「あ、水月ぃー! おはようさん」

ホームで俺を待っていたリュウが手を振って走ってくる。

「おはよう、リュウ……」

ドM用の対応をしている余裕はない。リュウは一瞬不満そうな顔をしたが、レイを見つけて不満を口にはしなかった。

「この子誰?」

「俺のバイト先の後輩だ、レイっていうんだよ」

木芽このめ れいっす! せんぱいこちらの方は?」

「…………彼氏だよ」

リュウの顔が赤くなり、レイの顔から表情が消える。たった今まで満面の笑みを浮かべていたのに──あぁもう今全部説明するしかない、この場でリュウに襲いかかられでもしたら困る。

「俺には彼氏が四人いるんだ。こいつはリュウ、ドMでワガママだけど面倒見のいい善人だ。俺の大事な人なんだよ」

「そ、う……です、か。彼氏……いたんすね。そりゃいっぱいいますよね、せんぱいかっこいいですもん…………どうしよう、もっとちゃんと調べればよかった……この先闇討ちしたら僕怪しまれる……どうしよう」

独り言は小さくて聞き取りにくいが、闇討ちとか不穏なワードが聞こえた気がするなぁ。

「ちなみにまだまだ彼氏募集中だ。可愛い男子でハーレムを作るのが俺の夢なんだよ」

「いつ聞いてもアホい夢やのぉ」

「既にいる彼氏達と仲良くしてくれて、可愛い男子なら来る者拒まずなんだけど……レイ、お前は立候補してくれたりするか? 俺好みの可愛い顔してるぞ」

わざと少しバカっぽく振る舞い、泣きそうになっていたレイの頬を包むようにして顔を上げさせる。

「……っ!? 可愛い? 本当っすか? 俺せんぱいの彼氏になれますか?」

「俺の彼氏達と仲良くしてくれるなら、彼氏にしてもいいぞ」

「……! 仲良くするっす!」

レイは俺の背後で蚊帳の外の雰囲気に悶えていたリュウの手を掴み、無理矢理握手をした。

「五番目になりました木芽 麗っす、よろしくお願いします!」

「お、おぉ、俺ぁ……二番目? やんな、水月。二番目の天正てんしょう 竜潜りゅうせんや……よろしゅう」

「仰々しいお名前っすねー! リュウせんぱいとお呼びさせていただくっす!」

先輩呼びは俺だけのものじゃないのか、ちょっとショックだな。

「……なんや素直でかぁいらしい子やん、ええ子見つけたなぁ水月ぃ」

「あぁ、本当可愛い子だよ。物騒なタイプじゃなくてよかった……」

すぐに暴力的な手段を取るヤンデレはフィクションとしては好きだが、リアルで相手にするならレイくらいの軽度なヤンデレがいいな。いや、レイはヤンデレと言えるのか? 俺の待ち伏せやお供をしてしまうだけで病んでいると認識するのは過剰反応だ、まだワンコ系でどうにかなる範囲……かなぁ?

「自分ピアスめっちゃ空けとんな、耳ちぎれそぉで怖いわ。なぁ水月、水月? 何悩んどるん?」

「属性についてちょっと……ピアスか? あぁ、今日はつけてるんだな、似合ってるよレイ」

「ありがとうございますっす!」

「この子満員電車乗って大丈夫? 耳取れへん? ぶっちぃいかへん? 俺と水月の間入る?」

見た目と態度に反してリュウは面倒見がよく、優しい。彼の言葉に甘えてレイは俺達の間に入った。

「優しいせんぱい方で嬉しいっす!」

ニコニコと笑って楽しげなレイごとリュウを抱き締め、背中の皮や尻を服の上からつねったりしてやる。

「……っ、ふぅ」

弾力のある肌をつまむのは楽しいし、局所的な痛みに蕩けた顔をしているリュウの顔も楽しめる。満員電車が一気に楽しくなった。

「な、ぁ……水月ぃ、もうちょい下触ってみ?」

リュウはそう言いながら尻をつねっている俺の手を動かす。何を触って欲しいのかと不思議に思いながら尻をまさぐると、不意に手が硬いものに触れた。真ん中の方にある、足に傘でも挟んでいるのかとふざけたくなる位置だ。

「んぁっ……! へへ……分かった? バイブ入れてきてん……リモコン渡しとくわ」

やれとは言っていたが、本当に入れてくるとは思わなかった。驚く俺の胸ポケットに小さなリモコンが入れられる。

「リモコンってバイブのっすか?」

「そうやで? ぁあ……後輩に早速ケツにバイブ入れて電車乗る変態やバレてもうた、えらいこっちゃやでこれは」

勝手に羞恥プレイを楽しむリュウに気を取られていると、レイが俺の胸ポケットに勝手に触れた。布の上からスイッチを押してしまった。

「ふゔっ……!? んっ、んんっ、んゔぅっ!?」

一体どんな動きをどの強さで受けているのか、リュウは顔を真っ赤にして俯く。

「おー、マジで入れてるんすね。せんぱい、リュウせんぱいのガッチガチっすよ、腰当たってるっす」

照れも怒りもせず、自身の腰に触れている陰茎を紹介するレイには訳の分からないものへの恐怖を感じた。
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