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ハーレムは順調です (水月+カンナ・ハル・リュウ・シュカ)
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一階の階段裏のデッドスペース。カンナと俺だけの秘密の場所。そこでカンナと連絡を交換する。
「……よし、ありがとう。これでいつでもカンナと話せるんだな」
カンナはニマニマと笑いながらスマホを眺めている。
「カンナのアイコン可愛いな、ウサギか?」
「か、てる……ぷ、た……て……」
「飼ってる子か。プー太って言うのか? 可愛い名前だな」
「こん……み……く……?」
「今度見に来るかって? あぁ、ぜひ行きたいよ。その場合、目当てはウサギよりも私服のカンナになるけどな」
ボッと赤くなった頬を手で覆い、俯く。やはり可愛げではカンナが一番だな。バイトを始めて給料が入ったら何か買ってやりたい、何がいいだろう。
「そろそろ教室に行こうか」
「……て」
「あぁ、もちろんだよ」
左手を差し出すとカンナは両手で握り締めてくれる。可愛いカンナの歩幅に合わせて歩き、教室の引き戸に手をかけた瞬間、その右腕に抱きついた者が居た。
「おっはよーん、みっつん、昨日ぶり~」
「……っ!?」
「ハル……おはよう」
抱きついてきたのは赤いメッシュ入りの黒い長髪が特徴的なハルだ。ハルは俺の右腕を抱き締めたままカンナの顔をじっと見つめ始め、それに気付いたカンナは慌てて俺の腕に顔を押し付ける。
「ちょっとー、顔見せてよ」
「……!? ゃ……!」
「ハル、やめろ。カンナ嫌がってるだろ」
「みっつんがコイツがカミアに似てるとか言うから気になって仕方ないの! みっつんの責任なんだから!」
軽い気持ちでの発言だったが、ハルにはそんなに衝撃的だったのか。他人の好きなものに下手に言及するのはやはりよくないな。
「か、み……ぁ?」
「そうそう。アンタはカミア知ってる? みっつんが顔似てるとか言っててさぁ」
「……っ、似て、ないっ!」
「だよねー! あ、知ってるんだ。ねぇねぇカミアの曲で好きなの何? 俺はねー」
カンナは俺の手を離し、教室に駆け込んだ。思いっきり閉められた扉はその勢いでまた開く。
「……何? 感じ悪ーい」
「まぁまぁ……ほら行くぞ」
俺は超絶美形なので特に狙っているわけでもないクラスメイトからも挨拶はされる。その他大勢達に一気に挨拶を返し、開いたままの扉をくぐって席に向かう。
「……カンナ、どうしたんだ? 俺……嫌なこと言ったかな、ごめんな」
机に鞄を置いたらハルに抱きつかれたまま、机に伏せったカンナの肩を撫でる。カンナが不機嫌になった理由が分からない、アイドルに似てるなんて嬉しい言葉じゃないのか?
「よー、どないしたん水月」
「あ、リュウ……いや、カンナ……怒らせちゃって」
「…………おこ、て……ない」
「怒ってはないみたいだ。でも……なんか」
「いーじゃんこんな面倒臭いの、それより俺と話してよーみっつん」
ぐいぐいと俺の腕を引っ張るハルをなだめていると、リュウがポケットから黄色い輪状の飴を取り出した。
「おーい、飴ちゃんやるから顔上げ」
「…………」
カンナは伏せったままリュウの手から飴を奪い、伏せったままゴソゴソと飴を食べた。
「……しばらくほっとかんとアカンのちゃうか」
「うーん……」
それが一番だとしても、放っておくのは嫌だ。困っていると俺達に注意する声がひとつ。
「あなた達、委員長を困らせてはいけませんよ」
全員揃ったな……
「困らせてへんわ」
「俺には困ってないよねー、みっつん」
「いや、利き手を塞がれてるのが唯一の困りごとだけど」
「そろそろホームルームですよ」
「えっマジ!? じゃーねみっつん、またね!」
ハルは慌ただしく自分の席へと走り、走るなとの注意を背に受ける。
「……ほなな水月、また後で」
「では、委員長。また」
リュウと鳥待も席に戻っていく。さっきの全員集合のピリピリした空気は何だったのか、いつも通りの朝が戻ってきた。
「みぃ……くん……」
「カンナ、話す気になってくれたか?」
ようやく話しかけてくれたけれど、机に伏せったままだ。
「あの……と、きの……った、の?」
あの人と昨日会ったの? かな? あの人とはハルのことだろうか。昨日ぶりとか言ってたもんな。
「ハルのことか? あぁ、一緒に宿題やったんだよ」
「……たり?」
「あぁ、二人だよ」
「ぼ……も、た……った」
「行きたかったって言われても……連絡出来なかったし。あぁ、今日からは出来るな。次があったら誘うよ。カンナの方から言ってくれてもいいし」
カンナはようやく顔を上げ、ポケットの外から自分のスマホを握り締めた。伏せっていたのはハルに嫉妬していただけだったのか? 嫉妬を表に出さないようにした結果がアレだったのか?
「みー、くん……すき」
「俺も好きだよ、カンナ」
「…………!」
顔を真っ赤にして嬉しそうに頬を緩ませている、機嫌はすっかり戻ったようだ。激しくないが嫉妬しやすいなんて、本当に可愛らしい子だ。
「……よし、ありがとう。これでいつでもカンナと話せるんだな」
カンナはニマニマと笑いながらスマホを眺めている。
「カンナのアイコン可愛いな、ウサギか?」
「か、てる……ぷ、た……て……」
「飼ってる子か。プー太って言うのか? 可愛い名前だな」
「こん……み……く……?」
「今度見に来るかって? あぁ、ぜひ行きたいよ。その場合、目当てはウサギよりも私服のカンナになるけどな」
ボッと赤くなった頬を手で覆い、俯く。やはり可愛げではカンナが一番だな。バイトを始めて給料が入ったら何か買ってやりたい、何がいいだろう。
「そろそろ教室に行こうか」
「……て」
「あぁ、もちろんだよ」
左手を差し出すとカンナは両手で握り締めてくれる。可愛いカンナの歩幅に合わせて歩き、教室の引き戸に手をかけた瞬間、その右腕に抱きついた者が居た。
「おっはよーん、みっつん、昨日ぶり~」
「……っ!?」
「ハル……おはよう」
抱きついてきたのは赤いメッシュ入りの黒い長髪が特徴的なハルだ。ハルは俺の右腕を抱き締めたままカンナの顔をじっと見つめ始め、それに気付いたカンナは慌てて俺の腕に顔を押し付ける。
「ちょっとー、顔見せてよ」
「……!? ゃ……!」
「ハル、やめろ。カンナ嫌がってるだろ」
「みっつんがコイツがカミアに似てるとか言うから気になって仕方ないの! みっつんの責任なんだから!」
軽い気持ちでの発言だったが、ハルにはそんなに衝撃的だったのか。他人の好きなものに下手に言及するのはやはりよくないな。
「か、み……ぁ?」
「そうそう。アンタはカミア知ってる? みっつんが顔似てるとか言っててさぁ」
「……っ、似て、ないっ!」
「だよねー! あ、知ってるんだ。ねぇねぇカミアの曲で好きなの何? 俺はねー」
カンナは俺の手を離し、教室に駆け込んだ。思いっきり閉められた扉はその勢いでまた開く。
「……何? 感じ悪ーい」
「まぁまぁ……ほら行くぞ」
俺は超絶美形なので特に狙っているわけでもないクラスメイトからも挨拶はされる。その他大勢達に一気に挨拶を返し、開いたままの扉をくぐって席に向かう。
「……カンナ、どうしたんだ? 俺……嫌なこと言ったかな、ごめんな」
机に鞄を置いたらハルに抱きつかれたまま、机に伏せったカンナの肩を撫でる。カンナが不機嫌になった理由が分からない、アイドルに似てるなんて嬉しい言葉じゃないのか?
「よー、どないしたん水月」
「あ、リュウ……いや、カンナ……怒らせちゃって」
「…………おこ、て……ない」
「怒ってはないみたいだ。でも……なんか」
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ぐいぐいと俺の腕を引っ張るハルをなだめていると、リュウがポケットから黄色い輪状の飴を取り出した。
「おーい、飴ちゃんやるから顔上げ」
「…………」
カンナは伏せったままリュウの手から飴を奪い、伏せったままゴソゴソと飴を食べた。
「……しばらくほっとかんとアカンのちゃうか」
「うーん……」
それが一番だとしても、放っておくのは嫌だ。困っていると俺達に注意する声がひとつ。
「あなた達、委員長を困らせてはいけませんよ」
全員揃ったな……
「困らせてへんわ」
「俺には困ってないよねー、みっつん」
「いや、利き手を塞がれてるのが唯一の困りごとだけど」
「そろそろホームルームですよ」
「えっマジ!? じゃーねみっつん、またね!」
ハルは慌ただしく自分の席へと走り、走るなとの注意を背に受ける。
「……ほなな水月、また後で」
「では、委員長。また」
リュウと鳥待も席に戻っていく。さっきの全員集合のピリピリした空気は何だったのか、いつも通りの朝が戻ってきた。
「みぃ……くん……」
「カンナ、話す気になってくれたか?」
ようやく話しかけてくれたけれど、机に伏せったままだ。
「あの……と、きの……った、の?」
あの人と昨日会ったの? かな? あの人とはハルのことだろうか。昨日ぶりとか言ってたもんな。
「ハルのことか? あぁ、一緒に宿題やったんだよ」
「……たり?」
「あぁ、二人だよ」
「ぼ……も、た……った」
「行きたかったって言われても……連絡出来なかったし。あぁ、今日からは出来るな。次があったら誘うよ。カンナの方から言ってくれてもいいし」
カンナはようやく顔を上げ、ポケットの外から自分のスマホを握り締めた。伏せっていたのはハルに嫉妬していただけだったのか? 嫉妬を表に出さないようにした結果がアレだったのか?
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