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第十九章 植物の国と奴隷商
久しぶりの料理
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部屋の隅に置かれた大きな飲食店にでもありそうな冷蔵庫。肉も魚も野菜も、なんでも揃っているように思える。これならいいものが作れそうだ。
『料理ができたのか、知らなかったぞ』
「母さんも父さんもすっごく忙しくなった時期があってさ、作り置きもしてくれなくて、お金だけ渡されたんだよ。僕外に出たくなかったから、にいさまに頼んで材料買ってきてもらって作ってたんだ」
『理由が想像以上にくだらない、まぁ技術が上達するのならきっかけなど何でもいいのですがね』
「だって……外に出ると微妙に聞こえる声で悪口言われたし、酷い時は足引っ掛けられたし、もっと酷い時は路地裏で殴られてお金盗られたし」
『…………そうですか』
僕を馬鹿にしたように見つめていたベルゼブブの顔が呆れに変わる。当然だ、主人の情けない話を聞けば幻滅するだろう。
「にいさまが取り返してくれたんだけどね」
『それはよかった』
「よかったのかなぁ、あの時は普通に喜んで、憧れてたけどさ、今考えると……何したんだろって怖くなるんだよね、お金増えてたし」
兄の性格からして、自分の玩具で勝手に遊んだ人間を後遺症無しで済ますとは思えない。殺していなければ上出来だ。
『よかったと思いますよ?』
「うーん……うん、そうだね」
肉だけを見ても何の肉か分からなければ使いたくはない、種類によって調理法は変わるのだ。野菜は見た目に分かりやすいが、ここには見覚えのないものも多い。魚はもっと分からない。
「アル、何食べたい?」
『生肉』
「料理で」
『何が作れるのか言った方がいいのでは?』
ベルゼブブは僕の肩に顎置いて、僕の顔と冷蔵庫を覗き込む。
「何がって……んー、家庭料理?」
『ハンバーグとか好きですよ、私。よく焼いてください』
ベルゼブブの好きなハンバーグ、材料は人なのだろう。お菓子の国で見た調理風景を思い出して食欲が減退した。
「アルに聞いてるんだけど、それに僕ハンバーグとか作ったことないし」
『それでよく料理するとか言いましたね。ハンバーグ作れないくせに料理が出来るとか舐めてるんですか? 家庭料理って知ってます?』
「厳しいなぁ。ほら、作ってたの小さい頃だし……煮込むのなら得意だよ」
ハンバーグは全ての料理の祖でも無ければ、基礎でもない。もちろん家庭料理の代名詞でもない。
僕はそう考えるから、ベルゼブブとは大したことのない齟齬が生じる。
『なら煮込みハンバーグですね』
『ヘル、私は生肉が好きだ。特に牛だな』
二人には僕に料理させる気はないのか。久しぶりに作ってみたかったし、出来ることもあるのだと見せたかったのだが。いや、ここは諦めず強引に行こう。
『ボクは食べてみたいな、普通のご飯やっぱり恋しいよ。血だけだとなんか、ねぇ』
図らずの援護射撃を行ってくれたセネカを心の中で賞賛し、うんうんと首を振る。
『咀嚼って大事ですよね。私はハンバーグが食べたい』
「アル、好きな味付けとかある?」
『生はそのままに限る』
「じゃあ僕の得意なやつにするね」
肉を取り出して観察する。手のひらほどの大きさにカットされた肉は見ただけでは何の動物か分からない。気乗りはしないが肉が無ければアルを喜ばせられない。まぁ、煮込んで不味くなることはないだろう。
「まずはダシだよね」
『本格的ですね、なら私はこちらの肉の解凍を』
「あ、コウモリないか見てくれない?」
『そんな物は無いだろう、冷蔵庫だぞ』
確かに、コウモリは干物が多い。冷蔵庫や冷凍庫には入っていないか。棚の奥にしまい込んだ桐箱から古くなった干物が見つかるのは魔法の国の一般的な家庭風景だ。
「えー……あっ」
『なっ、何? 嫌な予感するんだけど』
視線をやっただけでセネカはびくりとその身を跳ねさせる。
「セネカさん、ちょっと鍋に浸かってくれませんか?」
『嫌だよ! 死んじゃうよ! ひとごろ……悪魔殺し!』
「強そうですね」
言ってみただけだと付け加えても、セネカは物陰に隠れて出てこない。
『ダシなら魚からとるのが定石では?』
「……魔法の国ってね、周りに海ないんだ」
『川はあっただろう』
「そうなんだけどさ、調理面倒って聞いてたから」
鱗を取り、頭を切り、背骨を外し──ほかの食材に比べて工程が多い。だからずっと避けていて、僕に魚の調理経験は無い。
「ヤモリとかある?」
『……ベルゼブブ様、嫌な予感がしてきました』
『魔法料理ですよね、これ。しかも効能しか気にしていないもの』
僕には魔法料理は作れない、魔法が使えないのだから当然だ。食べさせればベルゼブブも勘違いだと気付くだろう。
『へ、ヘル? やはり私は生肉が……』
「アルは僕の料理食べたくないの?」
『そんな事は無いぞ!』
食べたいと言ってもらえるのはやはり嬉しい、自然と口角が上がる。あとは美味しいと言ってもらえれば最高だ。
『……貴方、押しに弱いんですか?』
『ヘルがあんな無邪気な笑顔を見せるのは珍しいのです……すみません』
『まぁいいですよ、ヘルシャフト様は貴方に食べさせたいみたいですから、私はハンバーグ以外食べたくないと駄々をこねます』
『それは……品が無いのでは』
『ハンバーグと駄々、どちらもこねる。と言葉遊びをすれば品性は保たれます』
保たれているとは思えない、アルはそう言えないまま調理風景を眺めた。
『ヘル? その、野菜がまるごとに見えるのだが』
スープのようなものを作る為に鍋に野菜を放り込んでいると、アルが不安そうに見つめてくる。
「大丈夫だよ、ちゃんと煮込むから。アルも食べられるって」
『根菜は切ってほしいですね、芯が硬いと目立ちますよ』
「ちゃんと煮込むって」
『何で切らないんですか?』
「包丁使っちゃ危ないって言われてたから使い方わからないんだ」
お菓子の国で使ったのは人に対してだし、と思い出して嫌な気分になる。刺したくて刺したんじゃない、なんて言い訳を心の中で意味もなく唱えた。
『……皮も剥かないんですか』
「皮剥き危ないって言ってた、指に掠ったらめちゃくちゃ痛いらしいよ」
『せめて……芋の芽は、取った方が』
「後でスプーンとかで抉って」
ベルゼブブは黙って首を振り、アルの横に移動する。口出しは諦めたらしい。
解凍が終わった肉をそのまま鍋に放り込み、かき混ぜる。あとは味付けだけだ、ろくにダシを取れていないので、これには力を入れなければ。
「キノコ……これでいいか。あれ、マンドラゴラないの? 仕方ないか……目玉、爬虫類なら何でもいいから目玉……」
『あの、ベルゼブブ様。魔法料理とはどのようなものなのでしょうか』
『他国からすればゲテモノばかりですよ、それを集めて煮込むんです。鍋に描いた魔法陣やかき混ぜる時の動き、煮込みながら唱える呪文によって食材が持つ魔力を引き出すのです。病気や怪我に効くものから、記憶力が良くなるものや筋力が増すもの、若返りや催淫の効果なども。しかし、ヘルシャフト様は魔法使いとしての力はないので食材の魔力は引き出せないでしょう。ただのゲテモノ鍋です』
『ゲテモノ…………そ、それは珍しくて見た目が悪い、という意味ですよね? 味が悪くては魔法使いも食べませんよね?』
『まぁ、魔法使いも人間ですし。味覚に問題はないと思いますよ。ですが効果が期待できる薬草ほど不味いもの、多少は我慢しているところもあるのでしょう』
『味覚……』
『そもそも魔法料理は主食ではありませんよ。効果が欲しい時にだけ食べるもので、魔法使いも普通にただの料理を食べます』
味、それを考えていたアルは今までのヘルの食事を思い出していた。調味料を料理が隠れるまで振りかけ、味が薄いと様々な調味料を混ぜたりもしていた事を。
『あの、ベルゼブブ様。ヘルの味覚は独特でして』
『そうですか、なら私は駄々をこねます。もう決めました』
ヘルが鍋をかき混ぜる光景が、グツグツという音が、アルに恐怖を感じさせた。本来なら微笑ましいはずの手料理。だが、少し先の未来を思い描いたアルは耳を垂らした。
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「にいさまが取り返してくれたんだけどね」
『それはよかった』
「よかったのかなぁ、あの時は普通に喜んで、憧れてたけどさ、今考えると……何したんだろって怖くなるんだよね、お金増えてたし」
兄の性格からして、自分の玩具で勝手に遊んだ人間を後遺症無しで済ますとは思えない。殺していなければ上出来だ。
『よかったと思いますよ?』
「うーん……うん、そうだね」
肉だけを見ても何の肉か分からなければ使いたくはない、種類によって調理法は変わるのだ。野菜は見た目に分かりやすいが、ここには見覚えのないものも多い。魚はもっと分からない。
「アル、何食べたい?」
『生肉』
「料理で」
『何が作れるのか言った方がいいのでは?』
ベルゼブブは僕の肩に顎置いて、僕の顔と冷蔵庫を覗き込む。
「何がって……んー、家庭料理?」
『ハンバーグとか好きですよ、私。よく焼いてください』
ベルゼブブの好きなハンバーグ、材料は人なのだろう。お菓子の国で見た調理風景を思い出して食欲が減退した。
「アルに聞いてるんだけど、それに僕ハンバーグとか作ったことないし」
『それでよく料理するとか言いましたね。ハンバーグ作れないくせに料理が出来るとか舐めてるんですか? 家庭料理って知ってます?』
「厳しいなぁ。ほら、作ってたの小さい頃だし……煮込むのなら得意だよ」
ハンバーグは全ての料理の祖でも無ければ、基礎でもない。もちろん家庭料理の代名詞でもない。
僕はそう考えるから、ベルゼブブとは大したことのない齟齬が生じる。
『なら煮込みハンバーグですね』
『ヘル、私は生肉が好きだ。特に牛だな』
二人には僕に料理させる気はないのか。久しぶりに作ってみたかったし、出来ることもあるのだと見せたかったのだが。いや、ここは諦めず強引に行こう。
『ボクは食べてみたいな、普通のご飯やっぱり恋しいよ。血だけだとなんか、ねぇ』
図らずの援護射撃を行ってくれたセネカを心の中で賞賛し、うんうんと首を振る。
『咀嚼って大事ですよね。私はハンバーグが食べたい』
「アル、好きな味付けとかある?」
『生はそのままに限る』
「じゃあ僕の得意なやつにするね」
肉を取り出して観察する。手のひらほどの大きさにカットされた肉は見ただけでは何の動物か分からない。気乗りはしないが肉が無ければアルを喜ばせられない。まぁ、煮込んで不味くなることはないだろう。
「まずはダシだよね」
『本格的ですね、なら私はこちらの肉の解凍を』
「あ、コウモリないか見てくれない?」
『そんな物は無いだろう、冷蔵庫だぞ』
確かに、コウモリは干物が多い。冷蔵庫や冷凍庫には入っていないか。棚の奥にしまい込んだ桐箱から古くなった干物が見つかるのは魔法の国の一般的な家庭風景だ。
「えー……あっ」
『なっ、何? 嫌な予感するんだけど』
視線をやっただけでセネカはびくりとその身を跳ねさせる。
「セネカさん、ちょっと鍋に浸かってくれませんか?」
『嫌だよ! 死んじゃうよ! ひとごろ……悪魔殺し!』
「強そうですね」
言ってみただけだと付け加えても、セネカは物陰に隠れて出てこない。
『ダシなら魚からとるのが定石では?』
「……魔法の国ってね、周りに海ないんだ」
『川はあっただろう』
「そうなんだけどさ、調理面倒って聞いてたから」
鱗を取り、頭を切り、背骨を外し──ほかの食材に比べて工程が多い。だからずっと避けていて、僕に魚の調理経験は無い。
「ヤモリとかある?」
『……ベルゼブブ様、嫌な予感がしてきました』
『魔法料理ですよね、これ。しかも効能しか気にしていないもの』
僕には魔法料理は作れない、魔法が使えないのだから当然だ。食べさせればベルゼブブも勘違いだと気付くだろう。
『へ、ヘル? やはり私は生肉が……』
「アルは僕の料理食べたくないの?」
『そんな事は無いぞ!』
食べたいと言ってもらえるのはやはり嬉しい、自然と口角が上がる。あとは美味しいと言ってもらえれば最高だ。
『……貴方、押しに弱いんですか?』
『ヘルがあんな無邪気な笑顔を見せるのは珍しいのです……すみません』
『まぁいいですよ、ヘルシャフト様は貴方に食べさせたいみたいですから、私はハンバーグ以外食べたくないと駄々をこねます』
『それは……品が無いのでは』
『ハンバーグと駄々、どちらもこねる。と言葉遊びをすれば品性は保たれます』
保たれているとは思えない、アルはそう言えないまま調理風景を眺めた。
『ヘル? その、野菜がまるごとに見えるのだが』
スープのようなものを作る為に鍋に野菜を放り込んでいると、アルが不安そうに見つめてくる。
「大丈夫だよ、ちゃんと煮込むから。アルも食べられるって」
『根菜は切ってほしいですね、芯が硬いと目立ちますよ』
「ちゃんと煮込むって」
『何で切らないんですか?』
「包丁使っちゃ危ないって言われてたから使い方わからないんだ」
お菓子の国で使ったのは人に対してだし、と思い出して嫌な気分になる。刺したくて刺したんじゃない、なんて言い訳を心の中で意味もなく唱えた。
『……皮も剥かないんですか』
「皮剥き危ないって言ってた、指に掠ったらめちゃくちゃ痛いらしいよ」
『せめて……芋の芽は、取った方が』
「後でスプーンとかで抉って」
ベルゼブブは黙って首を振り、アルの横に移動する。口出しは諦めたらしい。
解凍が終わった肉をそのまま鍋に放り込み、かき混ぜる。あとは味付けだけだ、ろくにダシを取れていないので、これには力を入れなければ。
「キノコ……これでいいか。あれ、マンドラゴラないの? 仕方ないか……目玉、爬虫類なら何でもいいから目玉……」
『あの、ベルゼブブ様。魔法料理とはどのようなものなのでしょうか』
『他国からすればゲテモノばかりですよ、それを集めて煮込むんです。鍋に描いた魔法陣やかき混ぜる時の動き、煮込みながら唱える呪文によって食材が持つ魔力を引き出すのです。病気や怪我に効くものから、記憶力が良くなるものや筋力が増すもの、若返りや催淫の効果なども。しかし、ヘルシャフト様は魔法使いとしての力はないので食材の魔力は引き出せないでしょう。ただのゲテモノ鍋です』
『ゲテモノ…………そ、それは珍しくて見た目が悪い、という意味ですよね? 味が悪くては魔法使いも食べませんよね?』
『まぁ、魔法使いも人間ですし。味覚に問題はないと思いますよ。ですが効果が期待できる薬草ほど不味いもの、多少は我慢しているところもあるのでしょう』
『味覚……』
『そもそも魔法料理は主食ではありませんよ。効果が欲しい時にだけ食べるもので、魔法使いも普通にただの料理を食べます』
味、それを考えていたアルは今までのヘルの食事を思い出していた。調味料を料理が隠れるまで振りかけ、味が薄いと様々な調味料を混ぜたりもしていた事を。
『あの、ベルゼブブ様。ヘルの味覚は独特でして』
『そうですか、なら私は駄々をこねます。もう決めました』
ヘルが鍋をかき混ぜる光景が、グツグツという音が、アルに恐怖を感じさせた。本来なら微笑ましいはずの手料理。だが、少し先の未来を思い描いたアルは耳を垂らした。
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