魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

246『契約成立』

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 アンナリーナの元いたバルトニェク大陸では、四大属性魔法とは単に火、水、風、土といった属性を分類するためのもので、術者の元々の相性の良さにより使える属性が決まるものだった。
 システム的にはよくわからないが、そういうものだったのだ。
 だが、このブエルネギア大陸では違う。
 実際に精霊がいて、その精霊を召喚、契約する事でその属性の魔法が使えるようになる。ただしこれも相性があるようで、皆が四大属性の精霊と契約出来るわけではなく、魔力の低いものは1つしか契約出来なかったりする。

 それでも、この目の前の状況は異常だ。
 各属性の、何人かいる精霊王のうちの1人がアンナリーナとの契約を望んで押しかけて来ている。

「マスターの魔力はふるいつきたくなるほど美味そうなんだ。
 早く契約して、思い切り味わいたい」

 完全に食欲?ありきである。

「ええと、その契約と言うのはどうしたらいいのかな?」

「普通の召喚術と同じように、名付けをしてくれたらよい。
 ……我が筆頭だと忘れないでくれよ、マスター」

 西風の精霊王はぐいぐいと押してくる。
 彼らの力関係はわからないが、アンナリーナとしては早く契約をして属性魔法を手に入れたいところだ。
 それにこの後にはセトとイジの契約も控えている。

「では、始めようか」


 通常この祠で行われる、仰々しい儀式はなく、あっさりと名前をつけて、それは終わった。

 西風の精霊王の名は【イェルハルド】
 炎火の精霊王の名は【ユリウス】
 清水の精霊王の名は【ラーシュ=ヨーラン】
 黄土の精霊王の名は【ペール=オロフ】と決まった。
 そして、これを以って契約は締結され、アンナリーナは彼らの力を借りることで再び四大属性魔法を使う事が出来るようになった。
 このあとの、セトとイジの契約には各属性の精霊王の部下が選ばれた。
 その方が系統的に問題がないそうだ。

「ところでイェルハルド、他の属性の契約はどうなるの?」

「他の属性?」

 今、精霊王たちは空中に、腰掛けるようにして浮いている。

「そう、例えば【雷】や【氷】
 あと【聖】【光】【闇】とかね」

「【雷】は我が、【氷】は清水のが扱えるな。
 あとの連中は、我たちとは少し成り立ちが違うので、ここでは無理だな。
 だが横の繋がりはあるんだ。
 マスターの為に連絡を取ってみるよ」

「ありがとう。
 あと、あなたたちの能力を確かめておきたいから、明日にでも人のいないところで試してみましょ?」

「りょーかい、りょーかい!
 では一度、引っ込んでおく」

 そういった途端、そこにいた精霊全員の姿が消えた。
 そして未だ、ポリーナと神官は茫然としていたのだ。


 翌日、町から出て森へ行き、精霊王たちの力を借りて属性魔法を使ってみた。
 これはアンナリーナの魔力を食った精霊王が魔法を行使する形であって、例えば【サファケイト】が【真空】と言うように詠唱の言葉は置き変わるが、効果は概ね変わりなくアンナリーナはホッとする。
 この度、生活魔法に属する【ファイア】や【ウォーター】すら使えなくて不便を被っていたのだ。
 すっかり魔法に頼っていた自分を反省したアンナリーナはもしもまたこういう状況になった場合に備えて、手段を考える事にする。

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