魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

200『発見!!』

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「いたぞ!!」

 イジの大声に、エンゲルブレクトが駆け出した。

「馬鹿っ! 待て!」

 イジが警戒を怠る事なくエンゲルブレクトを追いかけて、ようやくヒトの目でも確認できる距離に近づいた。
 後ろからはテオドールとセト、そしてセトに抱かれたアンナリーナがやって来る。

「お~い! 皆、無事か?!」

 その安全地帯にいたものたちには、自分たちのクランの副クランマスターがオーガに追いかけられているように見えたのだろう。
 何人かが剣を抜いて迎え撃ってきた。

「わざわざ助けに来てやったって言うのに恩知らずな馬鹿ね。
【圧縮(微小)】」

 エンゲルブレクトの目の前で、びたんと転けた男たち、3人が地面に押し付けられて唸っている。
 一体何が起こったのかわからない、アンナリーナたち以外のものは、ただ黙って見入っている。

「大人しくしていてくれれば、潰したりしないわ。
 それよりもエンゲルブレクトさん、せっかく来てやったというのに襲いかかってくるなんてなんて無作法なんでしょう。一度、ちゃんと教育の改善をなさった方が宜しくてよ?」

 いつの間にか追いついていた、セトに抱かれたアンナリーナが言う。
 その瞳には冷たい怒りが現れていた。

「も、申し訳ない。
 皆んな! この方達は私が依頼して、ここまで護衛してきて下さった方々だ。無礼は許さんぞ!」

 エンゲルブレクトの剣幕にザッと青ざめる冒険者たち。
 対してアンナリーナは辟易としていた。

「12階層……結構奥までやって来ていたのね。
 じゃあ、エンゲルブレクトさん、私たちはここでおいとまさせていただいていいかしら?」

 エンゲルブレクトはギョッとする。
 今のアンナリーナの言葉は青天の霹靂で、慌てた彼はアンナリーナの方を振り向いた。

「君は、私たちをここに置いていくつもりか?」

「そうですよ?
 これだけの人数がいるのだから、ここからでも自力で戻れるでしょう。
 第一、私が受けた依頼は『クランのメンバーの捜索』であって、それはもう達成されたでしょう?」

「しかし! 皆、満身創痍なのだ!」

 まあ、そうだろう。
 自力で動けないからこそ、ここで缶詰になっていたのだから。

「しょうがないですね。
 依頼の追加条件は野営の時に詰めましょう。
 では出発しましょうか。
 ここは12階層……ひとつでも上に行けば、それだけ魔獣は弱くなる。
 今なら私たちが殲滅しながら通って来たので、魔獣も少ないと思うのですが?」

 そう言われてみれば一理ある。
 エンゲルブレクトは、クラン員たちと再会を果たして興奮状態だった自分を反省する。

「申し訳ない……
 リーナ殿の言う通りだ。
 だが、しばし時間を貰えるだろうか?
 点呼を取りたい」

「どうぞ。
 私は追加で、護衛の従魔を呼び出しますので」

 すでにイジがテントを出していて、アンナリーナはその中に入っていく。


「ちょっといいか?」

 腕組みをして、厳しい表情を隠さないテオドールが、点呼を待つエンゲルブレクトに声をかけた。

「こんな大人数、本来なら護衛できるはずがない。あんた、わかってるのか?」

 今にも首を締め上げんばかりのテオドールの剣幕に、エンゲルブレクトは本気で困惑している。

「俺たちならあんたたちを無事に地上に出してやれるだろう。
 だが、普通の冒険者パーティなら?
 あんた、俺たちを身代わりにして逃げるつもりだったんだろう?」

 テオドールの冷たい視線がエンゲルブレクトを射抜く。
 大手クランで百戦錬磨のエンゲルブレクトでも、耐えきれないほどの殺気に膝が笑う。

「不審な動きをしたら……殺す」

 エンゲルブレクトの足元の土が跳ねて、そこがぐずぐずと溶け出した。
 一体何が起きたのかわからなかったのだろう。
 エンゲルブレクトは弾けるようにその場から後退った。
 セトがもう一度、人差し指で指差すと、レーザービームによって地面に “ エンゲルブレクト ”と綴られた。

「これが額に向けられたら……どうなるかわかるな?」

 エンゲルブレクトは漏らしそうになった。

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