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第三章
120『ゴロツキ』
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本来は夕食も、屋台での買い食いを予定していたアンナリーナたちは、先ほどの男の事が気になって早い目に宿に戻ることにした。
そのかわり……屋台無双である。
片っ端から覗いて、大量買い。
もちろん、後から来るお客さんに迷惑がかからないように主人に確かめながらである。
熱々をアイテムバッグに入れながら、アンナリーナは上機嫌で市を後にした。
宿では想像通り、ダージェが不機嫌な様子でアンナリーナたちを待っていた。
「やはり、君たちのところにも行ったのか」
げんなりとした様子で座るように指し示した。
「あの、アルゴとかいう人ですね?」
アンナリーナはアイテムバッグから茶器一式を取り出して、紅茶を淹れ始める。
「ああ、ギルドに行って苦情を申し入れて来たが……はっきり言って対応が緩いな。きちんと注意してくれないようだ」
この町だけでなく、冬の間冒険者たちの仕事は極端に少なくなる。
ひと握りの上位の者以外は、依頼の取り合いになり、個人的な売り込みなども容認しているのだ。
「でも、あれはないわぁ」
アンナリーナは、そのステータスを鑑定しているのだ。
「ゴロツキって出てましたよ。
何をやらかすかわからないから、今夜は馬車の見張りをした方がいいかもしれません」
夕食は4人揃って宿の食堂で摂り、テオドールには宿の部屋で休むように言うとアンナリーナは厩舎を兼ねた馬車置き場に向かった。
『ナビ、近くに不審者はいないようね?』
『はい、今のところは……
昼の無礼者をマークしておけばよかったですね』
『まさかここまでの問題児だとは思わなかったしね。
とりあえずテントを出して、と』
厩舎の中には余分なスペースがなかったので、アンナリーナはその入り口前にテントを張って、全体を結界で包んだ。
「イジ、連日になって悪いけど今夜も見張りをお願いしたいの。
なんか悪い予感がするのよ……
すぐにセトも合流させるわ」
ツリーハウスにいたセトをあちらに向かわせ、ネロの方を見る。
「今夜は多分戦闘にはならないから、ネロも一度あちらに行ってみようか。
【体力値供与】【魔力値供与】【スキル供与】威圧、そして【鑑定】」
ネロ(スケルトン、雄)
体力値 300
魔力値 240
スキル
威圧
そしてアラーニェに作ってもらっていた【リッチのローブ】を手渡した。
限りなく黒に近い濃灰色の、すっぽりと頭を覆うフード付きのローブだ。
「さて、イジとセト、そしてネロの威圧に耐えられるかな?ゴロツキさん」
真夜中、馬車に潜り込もうとやって来たアルゴが厩舎の前で見たのは、爛々と光る6つの目だった。
途端に襲われた寒気に足が止まる。
灯りを持たずに月の光だけを頼りにやってきた彼は、幸いにもそれらの姿を見る事はなかったが、結界越しにも漏れてくるその威圧感に早々に逃げ出した。
だが早朝、アンナリーナたちはまた煩わされる事になる。
「なんか、数日前のあの天候が何だったんだろうっていうくらい、いい天気だね」
早朝の冷え切った空気の中、太陽は燦々と輝いている。
「この後はまた森林地帯を通って峠を越え、下ったら川に出る。
その川を越えたらやっとアグボンラオール国に入る」
アンナリーナたちに遅れて、馬車にやってきたダージェが説明してくれた。
「まあ、そこからが長いんだがな。
国境から王都まであと10日あまり……距離で言えばやっと半分だ。
それに多分野営が続くと思うが、それは心配なさそうだな」
「任せて下さい! ダージェさん」
ボリスの横にテオドールが座り、出発する。
イジは馬車の後部で、不届き者の無断乗車を牽制するため、睨みを利かせていた。
手を振る門番の兵士に手を振り返し、アンナリーナは窓から乗り出していた頭を引っ込めた。
馬と馬車に軽い目の結界を張り、気持ちよく走り出したと思っていたら、ガクンと馬車が揺れ、馬車の速度が急激に落ちた。
「何事だ?!」
ダージェが御者台と繋がる小窓を開けて、ボリスに情報を求める。
「旦那様、またあいつです」
アンナリーナが首を出すと、そこには道の真ん中で両手を広げて立ちはだかっている、昨日見たあの男がいた。
そのかわり……屋台無双である。
片っ端から覗いて、大量買い。
もちろん、後から来るお客さんに迷惑がかからないように主人に確かめながらである。
熱々をアイテムバッグに入れながら、アンナリーナは上機嫌で市を後にした。
宿では想像通り、ダージェが不機嫌な様子でアンナリーナたちを待っていた。
「やはり、君たちのところにも行ったのか」
げんなりとした様子で座るように指し示した。
「あの、アルゴとかいう人ですね?」
アンナリーナはアイテムバッグから茶器一式を取り出して、紅茶を淹れ始める。
「ああ、ギルドに行って苦情を申し入れて来たが……はっきり言って対応が緩いな。きちんと注意してくれないようだ」
この町だけでなく、冬の間冒険者たちの仕事は極端に少なくなる。
ひと握りの上位の者以外は、依頼の取り合いになり、個人的な売り込みなども容認しているのだ。
「でも、あれはないわぁ」
アンナリーナは、そのステータスを鑑定しているのだ。
「ゴロツキって出てましたよ。
何をやらかすかわからないから、今夜は馬車の見張りをした方がいいかもしれません」
夕食は4人揃って宿の食堂で摂り、テオドールには宿の部屋で休むように言うとアンナリーナは厩舎を兼ねた馬車置き場に向かった。
『ナビ、近くに不審者はいないようね?』
『はい、今のところは……
昼の無礼者をマークしておけばよかったですね』
『まさかここまでの問題児だとは思わなかったしね。
とりあえずテントを出して、と』
厩舎の中には余分なスペースがなかったので、アンナリーナはその入り口前にテントを張って、全体を結界で包んだ。
「イジ、連日になって悪いけど今夜も見張りをお願いしたいの。
なんか悪い予感がするのよ……
すぐにセトも合流させるわ」
ツリーハウスにいたセトをあちらに向かわせ、ネロの方を見る。
「今夜は多分戦闘にはならないから、ネロも一度あちらに行ってみようか。
【体力値供与】【魔力値供与】【スキル供与】威圧、そして【鑑定】」
ネロ(スケルトン、雄)
体力値 300
魔力値 240
スキル
威圧
そしてアラーニェに作ってもらっていた【リッチのローブ】を手渡した。
限りなく黒に近い濃灰色の、すっぽりと頭を覆うフード付きのローブだ。
「さて、イジとセト、そしてネロの威圧に耐えられるかな?ゴロツキさん」
真夜中、馬車に潜り込もうとやって来たアルゴが厩舎の前で見たのは、爛々と光る6つの目だった。
途端に襲われた寒気に足が止まる。
灯りを持たずに月の光だけを頼りにやってきた彼は、幸いにもそれらの姿を見る事はなかったが、結界越しにも漏れてくるその威圧感に早々に逃げ出した。
だが早朝、アンナリーナたちはまた煩わされる事になる。
「なんか、数日前のあの天候が何だったんだろうっていうくらい、いい天気だね」
早朝の冷え切った空気の中、太陽は燦々と輝いている。
「この後はまた森林地帯を通って峠を越え、下ったら川に出る。
その川を越えたらやっとアグボンラオール国に入る」
アンナリーナたちに遅れて、馬車にやってきたダージェが説明してくれた。
「まあ、そこからが長いんだがな。
国境から王都まであと10日あまり……距離で言えばやっと半分だ。
それに多分野営が続くと思うが、それは心配なさそうだな」
「任せて下さい! ダージェさん」
ボリスの横にテオドールが座り、出発する。
イジは馬車の後部で、不届き者の無断乗車を牽制するため、睨みを利かせていた。
手を振る門番の兵士に手を振り返し、アンナリーナは窓から乗り出していた頭を引っ込めた。
馬と馬車に軽い目の結界を張り、気持ちよく走り出したと思っていたら、ガクンと馬車が揺れ、馬車の速度が急激に落ちた。
「何事だ?!」
ダージェが御者台と繋がる小窓を開けて、ボリスに情報を求める。
「旦那様、またあいつです」
アンナリーナが首を出すと、そこには道の真ん中で両手を広げて立ちはだかっている、昨日見たあの男がいた。
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