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第三章
26『量産型中級体力ポーションC』
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約束通りギルドを訪れたアンナリーナは、目を見張った。
おそらくギルド職員は徹夜だったのだろう。
もうすでに、昨日発表したばかりの情報を、イラスト付きで印刷した紙が用意され、カウンターに積まれている。
そして一斉に向けられた視線にたじろいだ。
「えーっと、おはようございます?」
今朝は寝坊したので、もうすぐ昼だ。
「おはようございます。もう大丈夫なのですか?」
ドミニクスが集まっている冒険者をかき分け、やってくる。
「まだ少し辛いけど……約束したから」
この一言に胸をキュンとさせた冒険者たちが一斉にアンナリーナに近づいてきた。
そのうちの一人は昨日の最後に担当した彼だ。
「薬師の嬢ちゃん、来てくれてありがとう。本当にもう、休んでくれ」
見るからに顔色の良くないアンナリーナに椅子が用意され、ドミニクスが紅茶を渡してくる。
「あとは私たちでもやっていけます。
ゆっくり休んで下さい、ね?」
「私、ドミニクスさんに相談したいことがあったんですけど……」
アンナリーナが珍しく、困った顔をしている。
これは只事ではないと、ドミニクスは鑑定室にアンナリーナを誘った。
アンナリーナは入室して、ドアを閉めて結界を張り、座りもせずに話し始める。
「私が最近【疾風の凶刃】の方々と交流しているの、ご存知でしょう?」
「ええ、大熊のテオドールたちですね」
「彼らにいくつか……融通することにしたんですけど、あのどのくらいの値をつけたらいいか、わからなくて」
アイテムバッグから取り出した瓶を机に置く。
それを見てドミニクスは腰を抜かさんばかりに驚いた。
もう、これ以上驚くことはないだろう。この領都では滅多にお目にかかれないその品……中級体力ポーションC、回復値2700。
あり得ない数値だ。
だが、それよりも。
「あなたは……練金薬師だったのですね」
「今まで黙っていてごめんなさい。
成り行きであの人たちに売ることになって……クランに招待されてるの」
ドミニクスの身体がビシリと固まる。
「あー、そのクラン?ってのに所属するつもりはないですから。
ただ、色々考慮してもらうことはあると思いますが」
ドミニクスが難しい顔をしてアンナリーナを見ている。
「これは量産型で、数量をたくさん作れるように改良しました。
【疾風の凶刃】に卸したあと、こちらにも置いてもらえるよう、お願いしたいと思っています」
アンナリーナは居住まいを正して、ドミニクスを見つめ返した。
「これほどの回復値は、正直言って私も始めて見ました。
いいですか、リーナさん。
これは確実に騒動になりますよ?」
「鬱陶しくなったらトンズラしちゃいますから」
ペロリと舌を出して、悪戯っ子っぽく笑むアンナリーナ。
だがその言葉に震撼したドミニクスは、アンナリーナにかかるトラブルを全力で回避しようと決心する。
「それでですね、一体どのくらいのお値段で譲ればいいですか?」
回復値2700と言えば、それを使用するのは高位冒険者だろう。
この領都でもそれほど人数がいるわけではない。
「最低、金貨10枚。
これ以下だと他のバランスが崩れますのでくれぐれも」
「わかりました。ありがとう、ドミニクスさん」
これで【疾風の凶刃】の本拠地、クランハウスに行くことが出来そうだ。
おそらくギルド職員は徹夜だったのだろう。
もうすでに、昨日発表したばかりの情報を、イラスト付きで印刷した紙が用意され、カウンターに積まれている。
そして一斉に向けられた視線にたじろいだ。
「えーっと、おはようございます?」
今朝は寝坊したので、もうすぐ昼だ。
「おはようございます。もう大丈夫なのですか?」
ドミニクスが集まっている冒険者をかき分け、やってくる。
「まだ少し辛いけど……約束したから」
この一言に胸をキュンとさせた冒険者たちが一斉にアンナリーナに近づいてきた。
そのうちの一人は昨日の最後に担当した彼だ。
「薬師の嬢ちゃん、来てくれてありがとう。本当にもう、休んでくれ」
見るからに顔色の良くないアンナリーナに椅子が用意され、ドミニクスが紅茶を渡してくる。
「あとは私たちでもやっていけます。
ゆっくり休んで下さい、ね?」
「私、ドミニクスさんに相談したいことがあったんですけど……」
アンナリーナが珍しく、困った顔をしている。
これは只事ではないと、ドミニクスは鑑定室にアンナリーナを誘った。
アンナリーナは入室して、ドアを閉めて結界を張り、座りもせずに話し始める。
「私が最近【疾風の凶刃】の方々と交流しているの、ご存知でしょう?」
「ええ、大熊のテオドールたちですね」
「彼らにいくつか……融通することにしたんですけど、あのどのくらいの値をつけたらいいか、わからなくて」
アイテムバッグから取り出した瓶を机に置く。
それを見てドミニクスは腰を抜かさんばかりに驚いた。
もう、これ以上驚くことはないだろう。この領都では滅多にお目にかかれないその品……中級体力ポーションC、回復値2700。
あり得ない数値だ。
だが、それよりも。
「あなたは……練金薬師だったのですね」
「今まで黙っていてごめんなさい。
成り行きであの人たちに売ることになって……クランに招待されてるの」
ドミニクスの身体がビシリと固まる。
「あー、そのクラン?ってのに所属するつもりはないですから。
ただ、色々考慮してもらうことはあると思いますが」
ドミニクスが難しい顔をしてアンナリーナを見ている。
「これは量産型で、数量をたくさん作れるように改良しました。
【疾風の凶刃】に卸したあと、こちらにも置いてもらえるよう、お願いしたいと思っています」
アンナリーナは居住まいを正して、ドミニクスを見つめ返した。
「これほどの回復値は、正直言って私も始めて見ました。
いいですか、リーナさん。
これは確実に騒動になりますよ?」
「鬱陶しくなったらトンズラしちゃいますから」
ペロリと舌を出して、悪戯っ子っぽく笑むアンナリーナ。
だがその言葉に震撼したドミニクスは、アンナリーナにかかるトラブルを全力で回避しようと決心する。
「それでですね、一体どのくらいのお値段で譲ればいいですか?」
回復値2700と言えば、それを使用するのは高位冒険者だろう。
この領都でもそれほど人数がいるわけではない。
「最低、金貨10枚。
これ以下だと他のバランスが崩れますのでくれぐれも」
「わかりました。ありがとう、ドミニクスさん」
これで【疾風の凶刃】の本拠地、クランハウスに行くことが出来そうだ。
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