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ep.9.5
ep9.5『夢千夜』 “かりそめの花嫁” 第三夜 駆け抜ける秘密の花園
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あの扉の向こうは大聖堂なのか。
どうしてだかはわからない。
それを聞いた瞬間、俺は─────────小泉の手を掴んでいた。
「この部屋はマズい。向こうに行こう」
小泉は困惑したような表情を浮かべる。
「……は?」
いや、向こうに行ってどうするんだ、と小泉は当然の疑問を投げかけてくる。
まあそうだよな。
俺達はいつだって全くのノープランなんだから。
とにかく、と俺は続けた。
この部屋にはマスターキーってものがあって安否確認の為に扉を開けられる可能性があるって以上は───────────
ここで“実行”するのは危険過ぎる気がする。
「大聖堂って確かさ、正面の扉の内側には閂(かんぬき)があるだろ?」
あれだったら外から開けられなくね?と俺が提案すると小泉は飛び上がりそうな勢いでそれを否定した。
「ば……馬鹿!!あんな場所でやろうってのか!??」
真っ赤な顔でそれを拒否する小泉だったが、俺は有無を言わさず小泉の手を引っ張る。
「グズグズしてると根本さんが来ちまうだろ!?」
ここのドアは鍵を掛けないようにしておけばさ、控室内に小泉の姿が無くてもトイレか、もしくは飲み物でも取りに別の場所に行ってるんだろうって思われるかもしれないじゃねぇか。
多分だけど、あまり大事にせずに小泉の不在を装えて時間稼ぎが出来るって踏んだんだよな。
「時間がねぇ、走るぞ?」
俺が手を引っ張ると──────小泉は無言のまま俯きながら俺の速度に合わせて走り始める。
扉を開けると、色とりどりに咲き乱れる花々が視界に飛び込んでくる。
────────そこは鮮やかな色彩の中庭だった。
白や薄いピンクの薔薇、小さく咲く青い花でぎっしりと空間が埋め尽くされている。
何処からか風に乗って桜の花びらが舞っていた。
─────────抜けるような青い空の下、俺達は花々に覆い尽くされた世界を駆け抜けた。
どうしてだかはわからない。
それを聞いた瞬間、俺は─────────小泉の手を掴んでいた。
「この部屋はマズい。向こうに行こう」
小泉は困惑したような表情を浮かべる。
「……は?」
いや、向こうに行ってどうするんだ、と小泉は当然の疑問を投げかけてくる。
まあそうだよな。
俺達はいつだって全くのノープランなんだから。
とにかく、と俺は続けた。
この部屋にはマスターキーってものがあって安否確認の為に扉を開けられる可能性があるって以上は───────────
ここで“実行”するのは危険過ぎる気がする。
「大聖堂って確かさ、正面の扉の内側には閂(かんぬき)があるだろ?」
あれだったら外から開けられなくね?と俺が提案すると小泉は飛び上がりそうな勢いでそれを否定した。
「ば……馬鹿!!あんな場所でやろうってのか!??」
真っ赤な顔でそれを拒否する小泉だったが、俺は有無を言わさず小泉の手を引っ張る。
「グズグズしてると根本さんが来ちまうだろ!?」
ここのドアは鍵を掛けないようにしておけばさ、控室内に小泉の姿が無くてもトイレか、もしくは飲み物でも取りに別の場所に行ってるんだろうって思われるかもしれないじゃねぇか。
多分だけど、あまり大事にせずに小泉の不在を装えて時間稼ぎが出来るって踏んだんだよな。
「時間がねぇ、走るぞ?」
俺が手を引っ張ると──────小泉は無言のまま俯きながら俺の速度に合わせて走り始める。
扉を開けると、色とりどりに咲き乱れる花々が視界に飛び込んでくる。
────────そこは鮮やかな色彩の中庭だった。
白や薄いピンクの薔薇、小さく咲く青い花でぎっしりと空間が埋め尽くされている。
何処からか風に乗って桜の花びらが舞っていた。
─────────抜けるような青い空の下、俺達は花々に覆い尽くされた世界を駆け抜けた。
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