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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 フルスロットル総力戦
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バイクに跨り、俺は元の空き地を目指す。
さっきスマホから鈴木先輩に一報は入れたんだが─────────
あの状況で連絡を見ることが出来ただろうか。
いや、そもそも無理じゃね?スマホ開ける状況じゃねぇし。
まあ、佑ニーサンやウォンも居るだろうからそう簡単には全滅してないと思いたいところではあるよな。
不安に思いながら現場に到着し、被弾するのを避けて空き地から見えない場所にバイクを停める。
そこで俺が目にしたのは───────思いもよらない光景だった。
謎の総力肉弾戦。
それが今まさに行われている真っ最中だった。
「え……何これ……」
俺が呆然としていると、こちらに気付いた佑ニーサンが俺に手を振る。
「おーい~!ガックン~!こっちこっち~!」
ロードローラーの運転席の佑ニーサンには鬼怒川豪志が纏わりついている。
「は!?操縦席に入られてんじゃん!?」
いやいやいや……
コクピット内に敵が侵入とか反則もいいとこだろ!?
そんなのってある!?
てか、結構大きいロードローラーだろ!?10tて本体に書いてあるけど!?
颯爽と登場した割にあっさり侵入されてんじゃねぇよ!と思っていた瞬間───────鬼怒川豪志の悲鳴が聞こえた。
「なんだよコイツ!?なんで効かねぇ!??」
鬼怒川豪志の手には小型のスタンガンが握られている。
アハハ、という佑ニーサンの笑い声が響く。
「僕、電気とか通しにくい体質なのかも~」
クソッ!という鬼怒川豪志の声は絶望的なように思えた。
多分コイツらはただのチンピラ以下だ。
スタンガン無しじゃ喧嘩出来ねぇんだろう。雑魚だな。
佑ニーサンは多分大丈夫だとして─────鈴木先輩はどうなってる!?
俺は空き地の中央に駆け寄った。
鈴木先輩は無抵抗のまま雑魚どもに殴られ、少し怪我をしているように見えた。
「鈴木先輩!」
俺は力の限り叫んだ。
俺の姿を見た瞬間、チー牛風の男、湯浅が頷いた。
「内藤さん!使って下さい!」
湯浅が素早く鈴木先輩に鉄の棒を投げて寄越す。
燃料は満タンに補充してあります、と湯浅はクイと眼鏡の縁を持ち上げた。
グッジョブじゃねぇか湯浅!
おう、と鈴木先輩は余裕のある様子でそれをキャッチした。
「鈴木先輩!奥さんの身柄は安全な場所に移してます!!」
俺がそう叫んだ瞬間─────────鈴木先輩の持つ武器の両端の炎が燃え盛った。
「お前ら!反撃開始じゃ!」
鈴木先輩の合図と共に俺達は一斉に頷いた。
佑ニーサンに纏わりつく鬼怒川に向かって石が飛んでいる。
見ると、概史がスリングショット(※1)を片手にガンガン鬼怒川を攻撃していた。やるじゃん。
ギャア!という鬼怒川豪志の悲鳴が周囲に響く。お、結構ヒットしてんな?
「あ~ちょっと待って~!?僕にも当たってるんだけど~!?」
佑ニーサンの悲鳴も一緒に聞こえるがこの際、まあいいだろう。
二人分の悲鳴と共にロードローラーは進軍している。
「アイヤー!ワタシ、丸腰アルよ~!?」
そう言いつつ、ウォンはカンフーっぽい技でまだ残っていた雑魚どもを蹴散らしている。
てかさ、カンフーっぽい技が使えるんなら最初っからそれ使っとけよ。見せ場だろ。
その一方で空き地の中央部分では─────────────
激しく燃え盛る炎の輪をその身に纏い、鈴木先輩は雑魚どもを睨みつけている。
さっきに比べて気迫が段違いじゃねぇか。
これがかつて恐れられたという“紅蓮の内藤”の─────────その真髄だって言うんだろうか。
伝説を目の前にして、言葉を失った俺は固唾を呑んでただ見守ることしか出来なかった。
さっきスマホから鈴木先輩に一報は入れたんだが─────────
あの状況で連絡を見ることが出来ただろうか。
いや、そもそも無理じゃね?スマホ開ける状況じゃねぇし。
まあ、佑ニーサンやウォンも居るだろうからそう簡単には全滅してないと思いたいところではあるよな。
不安に思いながら現場に到着し、被弾するのを避けて空き地から見えない場所にバイクを停める。
そこで俺が目にしたのは───────思いもよらない光景だった。
謎の総力肉弾戦。
それが今まさに行われている真っ最中だった。
「え……何これ……」
俺が呆然としていると、こちらに気付いた佑ニーサンが俺に手を振る。
「おーい~!ガックン~!こっちこっち~!」
ロードローラーの運転席の佑ニーサンには鬼怒川豪志が纏わりついている。
「は!?操縦席に入られてんじゃん!?」
いやいやいや……
コクピット内に敵が侵入とか反則もいいとこだろ!?
そんなのってある!?
てか、結構大きいロードローラーだろ!?10tて本体に書いてあるけど!?
颯爽と登場した割にあっさり侵入されてんじゃねぇよ!と思っていた瞬間───────鬼怒川豪志の悲鳴が聞こえた。
「なんだよコイツ!?なんで効かねぇ!??」
鬼怒川豪志の手には小型のスタンガンが握られている。
アハハ、という佑ニーサンの笑い声が響く。
「僕、電気とか通しにくい体質なのかも~」
クソッ!という鬼怒川豪志の声は絶望的なように思えた。
多分コイツらはただのチンピラ以下だ。
スタンガン無しじゃ喧嘩出来ねぇんだろう。雑魚だな。
佑ニーサンは多分大丈夫だとして─────鈴木先輩はどうなってる!?
俺は空き地の中央に駆け寄った。
鈴木先輩は無抵抗のまま雑魚どもに殴られ、少し怪我をしているように見えた。
「鈴木先輩!」
俺は力の限り叫んだ。
俺の姿を見た瞬間、チー牛風の男、湯浅が頷いた。
「内藤さん!使って下さい!」
湯浅が素早く鈴木先輩に鉄の棒を投げて寄越す。
燃料は満タンに補充してあります、と湯浅はクイと眼鏡の縁を持ち上げた。
グッジョブじゃねぇか湯浅!
おう、と鈴木先輩は余裕のある様子でそれをキャッチした。
「鈴木先輩!奥さんの身柄は安全な場所に移してます!!」
俺がそう叫んだ瞬間─────────鈴木先輩の持つ武器の両端の炎が燃え盛った。
「お前ら!反撃開始じゃ!」
鈴木先輩の合図と共に俺達は一斉に頷いた。
佑ニーサンに纏わりつく鬼怒川に向かって石が飛んでいる。
見ると、概史がスリングショット(※1)を片手にガンガン鬼怒川を攻撃していた。やるじゃん。
ギャア!という鬼怒川豪志の悲鳴が周囲に響く。お、結構ヒットしてんな?
「あ~ちょっと待って~!?僕にも当たってるんだけど~!?」
佑ニーサンの悲鳴も一緒に聞こえるがこの際、まあいいだろう。
二人分の悲鳴と共にロードローラーは進軍している。
「アイヤー!ワタシ、丸腰アルよ~!?」
そう言いつつ、ウォンはカンフーっぽい技でまだ残っていた雑魚どもを蹴散らしている。
てかさ、カンフーっぽい技が使えるんなら最初っからそれ使っとけよ。見せ場だろ。
その一方で空き地の中央部分では─────────────
激しく燃え盛る炎の輪をその身に纏い、鈴木先輩は雑魚どもを睨みつけている。
さっきに比べて気迫が段違いじゃねぇか。
これがかつて恐れられたという“紅蓮の内藤”の─────────その真髄だって言うんだろうか。
伝説を目の前にして、言葉を失った俺は固唾を呑んでただ見守ることしか出来なかった。
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