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ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 百日紅サルベージ
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けど、どうすればいいんだろう?
俺らってただの素人の中学生だぜ?
医学の知識も無ければ一條を説得できるような間柄でもない。
そもそも一回も会ったことねぇし。
俺が戸惑うような表情を浮かべていたからか、佐々木が口を開く。
「……そうね。私達は私達が出来る事をしましょう」
まずは、と佐々木は続けた。
「小泉先生にも報告して新しい情報があれば共有して貰いましょう。団体であるBMGなら他にも何か掴んでいるかもしれないわ」
なるほどな。
「確かに、藤川さんもいる訳だし……協力して貰えれば何か突破口があるかもしれねぇな」
キーボードを叩きながら佐々木はさらに指示を出してくる。
「それから、貴方は上野さんからそれとなく情報を引き出してみて。わたしは楓の方を当たってみるわ。居場所が判るかもしれない」
納得した俺は頷く。
「そうだな。カウンセリングだのマッサージだのを受けたってなら一條の自宅を知ってる可能性があるよな」
佐々木はノートにメモを走らせながらこう付け加えた。
「まずは手分けして情報を集めましょう。何か判ったら連絡して」
「わかった。また後でな」
一旦、二手に分かれて行動することになった俺は急いで美術準備室に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……何だって!?」
俺から報告を聞いた小泉は悲鳴に近い叫び声を上げた。
「それは本当なのか、佐藤」
震える声で確認してくる小泉に対し俺は頷く。
「待ってくれ、理解が追いつかない。春崎小紅を名乗る女児が────────本当にそう言ったのか?」
まあそうだよな。普通に聞いたら滅茶苦茶な話だって思うし。
「落ち着いてくれよ、センセェ。時間がないんだ」
春崎の話じゃ一條が死ぬのは今夜って話だし、と俺は続けた。
「多分どっかで実況でもする気じゃないのか?早く見つけて医者に連れてかねぇと─────────」
それはそうだが、と小泉は狼狽えた様子で美術準備室内をそわそわと歩き回る。
「そうだ、一條の自宅は特定出来たのか?確か、宮原兄が卒アルなんかの個人情報をばら撒いてたじゃないか」
そこから辿って自宅に行けば一條に接触出来るんじゃないか、という小泉の言葉に俺は膝を打つ。
「そうか!その手があったか!」
けど、もう消しちゃったんだろ?どうやってもう一回調べるんだよ?と俺が訊ねると小泉は鞄からタブレットを取り出した。
「ブラウザを起動して検索サイトのキャッシュから目的のアカウントの消された投稿を表示させることが出来る。まあ、上手くいかない場合もあるが───────」(※1)
何やらタブレットを弄っていた小泉が少しドヤ顔で検索サイトの表示結果を俺に見せつけてくる。
「ほら、どうだ佐藤。無事にサルベージ(?)出来たぞ!?」
確かにそこには宮原兄が拡散した一條の個人情報が表示されていた。小泉にしてはよくやったじゃねぇか。
俺はスマホを取り出し、その住所をマップで表示させる。
「センセェ、サンキュー!ちょっと走って行ってくるわ!」
美術準備室を飛び出した俺に向かって小泉が廊下から叫ぶ。
「おい待て佐藤!話はまだ終わってないぞ!?」
表示された一條の自宅は学校からそう遠くない。
ガチって走れば秒で着くレベルだった。
しかし。
意気揚々と一條の自宅前に到着した俺は言葉を失う。
一條の自宅のあるはずの場所は─────────────更地になっていた。
俺らってただの素人の中学生だぜ?
医学の知識も無ければ一條を説得できるような間柄でもない。
そもそも一回も会ったことねぇし。
俺が戸惑うような表情を浮かべていたからか、佐々木が口を開く。
「……そうね。私達は私達が出来る事をしましょう」
まずは、と佐々木は続けた。
「小泉先生にも報告して新しい情報があれば共有して貰いましょう。団体であるBMGなら他にも何か掴んでいるかもしれないわ」
なるほどな。
「確かに、藤川さんもいる訳だし……協力して貰えれば何か突破口があるかもしれねぇな」
キーボードを叩きながら佐々木はさらに指示を出してくる。
「それから、貴方は上野さんからそれとなく情報を引き出してみて。わたしは楓の方を当たってみるわ。居場所が判るかもしれない」
納得した俺は頷く。
「そうだな。カウンセリングだのマッサージだのを受けたってなら一條の自宅を知ってる可能性があるよな」
佐々木はノートにメモを走らせながらこう付け加えた。
「まずは手分けして情報を集めましょう。何か判ったら連絡して」
「わかった。また後でな」
一旦、二手に分かれて行動することになった俺は急いで美術準備室に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……何だって!?」
俺から報告を聞いた小泉は悲鳴に近い叫び声を上げた。
「それは本当なのか、佐藤」
震える声で確認してくる小泉に対し俺は頷く。
「待ってくれ、理解が追いつかない。春崎小紅を名乗る女児が────────本当にそう言ったのか?」
まあそうだよな。普通に聞いたら滅茶苦茶な話だって思うし。
「落ち着いてくれよ、センセェ。時間がないんだ」
春崎の話じゃ一條が死ぬのは今夜って話だし、と俺は続けた。
「多分どっかで実況でもする気じゃないのか?早く見つけて医者に連れてかねぇと─────────」
それはそうだが、と小泉は狼狽えた様子で美術準備室内をそわそわと歩き回る。
「そうだ、一條の自宅は特定出来たのか?確か、宮原兄が卒アルなんかの個人情報をばら撒いてたじゃないか」
そこから辿って自宅に行けば一條に接触出来るんじゃないか、という小泉の言葉に俺は膝を打つ。
「そうか!その手があったか!」
けど、もう消しちゃったんだろ?どうやってもう一回調べるんだよ?と俺が訊ねると小泉は鞄からタブレットを取り出した。
「ブラウザを起動して検索サイトのキャッシュから目的のアカウントの消された投稿を表示させることが出来る。まあ、上手くいかない場合もあるが───────」(※1)
何やらタブレットを弄っていた小泉が少しドヤ顔で検索サイトの表示結果を俺に見せつけてくる。
「ほら、どうだ佐藤。無事にサルベージ(?)出来たぞ!?」
確かにそこには宮原兄が拡散した一條の個人情報が表示されていた。小泉にしてはよくやったじゃねぇか。
俺はスマホを取り出し、その住所をマップで表示させる。
「センセェ、サンキュー!ちょっと走って行ってくるわ!」
美術準備室を飛び出した俺に向かって小泉が廊下から叫ぶ。
「おい待て佐藤!話はまだ終わってないぞ!?」
表示された一條の自宅は学校からそう遠くない。
ガチって走れば秒で着くレベルだった。
しかし。
意気揚々と一條の自宅前に到着した俺は言葉を失う。
一條の自宅のあるはずの場所は─────────────更地になっていた。
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