[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep8

ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 免罪酒と蝕まれた身体

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「は……?マジなのか!?」

今まで春崎の話を話し半分に聞いていた俺は途端に恐ろしくなった。

だってさ、俺もそうだけど────────みんな日常会話の中で『死ぬ』『死ね』『死にそう』とかフツーに使うだろ?

『お前マジ死ねよ』とかツッコミ感覚で普通に言うじゃん?『期末のテスト範囲とか全然見てねぇし勉強とかしてねぇしマジで死んだわ』とかってのも意識せずに言ってるしさ。

でも、今回の件コレはそうじゃねぇんだ。

マジで────────リアルの世界で人が死ぬ。

目の前に積まれた医薬品・薬学関係の書籍。

佐々木のことだ。情報から得られた何らかの根拠や確信があるんだろう。

「……じゃあ─────── 一條は嘘や冗談じゃなくて本当に死ぬ可能性があるっていうんだな?」

俺がそう訊ねると佐々木はノートパソコンを開き、検索サイトにアクセスした。

「そうね。それと、さっき聞いた“免罪酒”っていうキーワードを打ち込んでみたんだけど────────」

見事に何もヒットしないの、と佐々木は検索結果を指で指す。

確かに、そこに並べられているのは『免罪』に関する記述やページばかりだった。

それってどういう意味なんだよ、という俺の質問に対し佐々木は少し考え込むような素振りを見せながら答える。

「考えられる可能性としては────────春崎小紅を名乗る人物の周辺でだけ使われている単語・或いは造語ってトコかしらね」

「造語?」

そう、と佐々木は頷いた。

「ほら、検索サイトで出てきた検索結果は『免罪符』に関するものばかりだったでしょう?」

『免罪符』から着想やイメージを得て作られた造語なんじゃないかしら?と佐々木はトントンと指先で机を弾く。

イメージか。

「そういや春崎のヤツ、一條に対して『処分』『失敗したケジメ』みたいなことを言ってたな…?」

佐々木はノートにメモを走らせながら相槌を打つ。

「春崎小紅の周囲・或いはグループ内でのみ通用するものとして────────[何かに失敗した罰として免罪酒を与えられる]又は[罪を償う為に免罪酒を飲む]といった慣例が出来上がってる可能性もありそうよ」

なるほど、グループ内での掟のようなものか。

ただ、と佐々木は続けた。

「貴方の話から推測するに春崎小紅を名乗る人物は小学校高学年~中1前後と考えられるわね。そんな年齢の人物が単独で薬品を調達出来るとも到底思えないの」

つまり?と俺が訊き返すと佐々木はこう結論付けた。

「知識やその手口から察するに────────単独犯ではなく複数形、組織での犯行であることに間違いないわ」

組織か。

例の変なイニシャルC ∴M ∴と関連があるんだろうか。

「けどさ。春崎が単独犯かグループかってのより────────一條が死にそうなのが確実って方がヤバくないか?」

俺がそう口にすると佐々木も頷いた。

「そうね。貴方の言うとおりだわ。一刻も早く、一條刻夜の身柄を保護して応急処置を受けさせる必要があるようね」

だけど、と佐々木は更に続け表情を曇らせた。











「一命を取り留めたとしても───────────一生回復しないレベルでの後遺症が残る可能性もあるの」

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