672 / 1,060
ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 不可解な概念
しおりを挟む
なんだそりゃ?
タチが悪いって───────
「悪魔とか呼び出したりするのか?」
何かを引き換えに捧げるとか?と俺が口にすると佐々木はまた眉間に皺を寄せる。
「……男子だとそういう発想になるのかしらね。それともゲームとかアニメのイメージが強いの?」
でも、と佐々木は続けた。
「そっちの方がまだマシかもしれないわね。もっとも、それだとお呪(まじな)いのじゃなくて黒魔術の範疇に入るんでしょうけど」
なるほど、悪魔とかを呼び出すのは黒魔術ってカテゴリなのか。
それじゃどっちかっつぅと俺より小泉の方が詳しそうだな。
ぼんやりとそんな風に考えていると──────佐々木はまたキーボードを叩き始めた。
「まあ、今のは忘れてくれていいわ。貴方にはピンと来ない話題のようだし」
そうかもなあ、と俺は相槌を打った。
「でもさ、その“おまじない”とかいう奴?調べてんだろ?」
何か俺に出来ることってあるか?と口にすると佐々木は少し考え込むような素振りをみせた。
「……そうね。貴方は小学生の人脈もあるようだし───────噂レベルでもいいから、奇妙な話を聞いたら知らせてくれない?」
手掛かりになるかどうかは別として、まあ念の為にね、と佐々木は書類に視線を落とした。
奇妙な話。
それは一体何を意味するんだろう。
“悪いおまじない”?
カエルとか猫とかでも使って何かの儀式でもやんのか?
全く見当もつかないが─────────
「わーったよ。なんかおかしな話とか聞いたらここに来るわ」
またなんか食いモン用意しといてくれよな、と言いながら俺は保健室を後にする。
佐々木はこちらに視線も向けず、モニターを凝視したまま手を振った。
あの佐々木が飯も食わずに調べてんのが“おまじない”っていうのもなんか引っ掛かるが────────
とりあえず男の俺にはピンと来ないジャンルだし、佐々木の欲しがっている情報が入ってくるとは思えなかった。
少し早いが教室に向かうか?
そう思いつつ廊下を歩いていた時だった。
職員室の前に差し掛かると────────中から小泉らしき怒鳴り声が聞こえてきた。
「どうして駄目なんですか教頭!?女子にとってこれは死活問題なんですよ!?何がいけないんですか!?」
タチが悪いって───────
「悪魔とか呼び出したりするのか?」
何かを引き換えに捧げるとか?と俺が口にすると佐々木はまた眉間に皺を寄せる。
「……男子だとそういう発想になるのかしらね。それともゲームとかアニメのイメージが強いの?」
でも、と佐々木は続けた。
「そっちの方がまだマシかもしれないわね。もっとも、それだとお呪(まじな)いのじゃなくて黒魔術の範疇に入るんでしょうけど」
なるほど、悪魔とかを呼び出すのは黒魔術ってカテゴリなのか。
それじゃどっちかっつぅと俺より小泉の方が詳しそうだな。
ぼんやりとそんな風に考えていると──────佐々木はまたキーボードを叩き始めた。
「まあ、今のは忘れてくれていいわ。貴方にはピンと来ない話題のようだし」
そうかもなあ、と俺は相槌を打った。
「でもさ、その“おまじない”とかいう奴?調べてんだろ?」
何か俺に出来ることってあるか?と口にすると佐々木は少し考え込むような素振りをみせた。
「……そうね。貴方は小学生の人脈もあるようだし───────噂レベルでもいいから、奇妙な話を聞いたら知らせてくれない?」
手掛かりになるかどうかは別として、まあ念の為にね、と佐々木は書類に視線を落とした。
奇妙な話。
それは一体何を意味するんだろう。
“悪いおまじない”?
カエルとか猫とかでも使って何かの儀式でもやんのか?
全く見当もつかないが─────────
「わーったよ。なんかおかしな話とか聞いたらここに来るわ」
またなんか食いモン用意しといてくれよな、と言いながら俺は保健室を後にする。
佐々木はこちらに視線も向けず、モニターを凝視したまま手を振った。
あの佐々木が飯も食わずに調べてんのが“おまじない”っていうのもなんか引っ掛かるが────────
とりあえず男の俺にはピンと来ないジャンルだし、佐々木の欲しがっている情報が入ってくるとは思えなかった。
少し早いが教室に向かうか?
そう思いつつ廊下を歩いていた時だった。
職員室の前に差し掛かると────────中から小泉らしき怒鳴り声が聞こえてきた。
「どうして駄目なんですか教頭!?女子にとってこれは死活問題なんですよ!?何がいけないんですか!?」
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる