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ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 思春期と無理解の対立
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なんだ……!?
小泉が職員室で語気を荒げているなんて考えられない。
相手は教頭なのか?
だったら尚更──────あり得ないシチュじゃねぇか?
俺はそろりとドアの横に立ち、中の様子を覗う。
「……養護教諭が不在という状況だからこそ必要なんじゃないですか!?」
小泉がここまで強い口調で訴えるなんて一体どういう状況なんだ?
俺は息を殺し聞き耳を立てた。
「─────そんなことは各家庭で十分対処出来るのではないですか?」
苛立ちを隠せない様子の教頭の声が聞こえてくる。
なんだ?
何について話している?
それに、と教頭は威圧感のある声で続けた。
「今までそういった事例は聞いたことがありません。小泉先生、貴女が一人で先走り過ぎているだけではありませんか?」
ガタリ、と何かが動く音がする。
「そんなの……当たり前じゃないですか!?思春期の多感な時期の女子生徒がわざわざ教頭に相談に来る筈が無いでしょう!?」
なんの話だろうか。
小泉がここまで強い口調で教頭に詰め寄るなんて余程のことだろう。
とにかく、と教頭の咳払いが職員室に響く。
「─────これらの物品を校内に置くことは許可出来ません。何・か・あった時に責任を取れませんし」
ボソボソと小さな声が響く。
誰だ?
小泉でもないもう一人の人物が居るようだが、会話の内容は聞こえない。
足音が聞こえた後、職員室のドアが勢いよく開く。
俺は咄嗟に身を隠すことが出来ず、出て来た小泉と目が合ってしまう。
「……佐藤!?」
どうしてこんな所に、と驚いた表情を浮かべる小泉に対し、俺は愛想笑いで誤魔化す事しか出来ずにいた。
「よ、よぉセンセェ。随分と早くからガッコに来てんだな?」
「……」
小泉は無言のまま俺を見ているが──────────その横には見慣れない人物が立っていた。
小泉と同年代位の若い女性。
「……えっと。新しい先生?」
俺がそう尋ねると、若い女性は泣きそうな表情を浮かべた。
え?
そもそも誰?
不穏な空気を察したのか、小泉がフォローするかのように口を開いた。
「……え。ああ、彼女は──────私の高校時代の後輩で」
後輩?
俺はもう一度その女性の方を見た。
彼女は──────────両手一杯に生理用品を抱えて持ったまま目に涙を浮かべていた。
小泉が職員室で語気を荒げているなんて考えられない。
相手は教頭なのか?
だったら尚更──────あり得ないシチュじゃねぇか?
俺はそろりとドアの横に立ち、中の様子を覗う。
「……養護教諭が不在という状況だからこそ必要なんじゃないですか!?」
小泉がここまで強い口調で訴えるなんて一体どういう状況なんだ?
俺は息を殺し聞き耳を立てた。
「─────そんなことは各家庭で十分対処出来るのではないですか?」
苛立ちを隠せない様子の教頭の声が聞こえてくる。
なんだ?
何について話している?
それに、と教頭は威圧感のある声で続けた。
「今までそういった事例は聞いたことがありません。小泉先生、貴女が一人で先走り過ぎているだけではありませんか?」
ガタリ、と何かが動く音がする。
「そんなの……当たり前じゃないですか!?思春期の多感な時期の女子生徒がわざわざ教頭に相談に来る筈が無いでしょう!?」
なんの話だろうか。
小泉がここまで強い口調で教頭に詰め寄るなんて余程のことだろう。
とにかく、と教頭の咳払いが職員室に響く。
「─────これらの物品を校内に置くことは許可出来ません。何・か・あった時に責任を取れませんし」
ボソボソと小さな声が響く。
誰だ?
小泉でもないもう一人の人物が居るようだが、会話の内容は聞こえない。
足音が聞こえた後、職員室のドアが勢いよく開く。
俺は咄嗟に身を隠すことが出来ず、出て来た小泉と目が合ってしまう。
「……佐藤!?」
どうしてこんな所に、と驚いた表情を浮かべる小泉に対し、俺は愛想笑いで誤魔化す事しか出来ずにいた。
「よ、よぉセンセェ。随分と早くからガッコに来てんだな?」
「……」
小泉は無言のまま俺を見ているが──────────その横には見慣れない人物が立っていた。
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「……えっと。新しい先生?」
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え?
そもそも誰?
不穏な空気を察したのか、小泉がフォローするかのように口を開いた。
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