[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない！〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる！？

ep7.

ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 タイムアタックの成果

その後、業務スーパーで追加の買い出しを終えた佑ニーサンが到着した後、マコトが合流した。

最後になったのは小泉だった。緊急で職員会議が入っていたらしい。

なにはともあれ一時間はあっという間に過ぎ、祭りの開始時刻になった。

『これから祭りを開始します』的なアナウンスや挨拶などは一切なく、全員が自由気ままに何かを飲み食いしている。

主催？としてはこれでよかったのかと疑問は残るが────────祭り開催RTAとしてはまあ及第点って感じだろうな。てか、24時間でよくここまで出来たよなあ。

俺は周囲をグルリと見渡す。出し物の簡易屋台の数は予定より増えていた。

一番端はステンレスの水槽に入れたドリンク屋だ。冷やしラムネと冷やしニッキ水の瓶が風流な感じがする。佑ニーサンが買ってきてくれた氷を投入すると一気に祭りっぽい雰囲気が倍増した。ジュース類に混ざって当然のように酒も投入されている。

その隣にはシンジ達が準備したヨーヨー釣りとスーパーボールすくいがある。水槽が倉庫にもう一つあるのが判明したので急遽追加したらしい。ちなみにスーパーボールもスエカ婆ちゃんの店の提供だ。

シンジの横には満面の笑みでわたあめを量産する天宮列奈が居る。ザラメは佑ニーサンに頼んでおいたものだ。わたあめの匂いが祭りっぽさを加速させていた。

お次はフランクフルト屋だ。佑ニーサンが買ってきてくれた業務スーパーのものだがこれがなかなかに良かった。鉄板の半分でフランクフルトを焼き、空いたスペースで焼きそばを焼く。これまた業務スーパーで買ってきて貰った麺だが、屋台らしさがあってなかなかいいものだ。この二つは佑ニーサンと由江さんが担当してくれた。

そしてその隣はド派手な流川兄弟のエリアがある。概史の用意した射的ゲームはなかなか本格的な景品が並んでいた。フーミンのバーで貸切客がよくパーティしてるんだが───────その時のビンゴゲームの景品の残りがそのまま流用されてるようだ。概史は相変わらずニヤニヤとしている。どうやら本人なりに楽しんでるみたいだ。

兄のフーミンの方は店からたこ焼きプレートを持ってきてくれたらしく、たこ焼きを量産していた。普段から作り慣れているからか手際がいい。周囲に漂うソースの匂いが食欲をそそる。俺も後で貰いに行くか。

そして最後は──────諸星キクコのかき氷屋だ。

後ろの方で御月が手伝っているが、基本は諸星キクコが一人で仕切っている。その正面に客として立っているのはマコトだ。

マコトと諸星キクコ。

かつて二人の間にすれ違いや誤解のようなものがあったのは──────────俺にもぼんやりと理解出来る。

もしかして気まずい雰囲気になってる？











こういう場合って──────俺が加勢してなんとなく雰囲気を和ませるべきだろうか？