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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 二人のバスルーム
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おいおいおい。マジか?
は?
嘘だろ?
俺は動揺を隠せずに居た。
待て待て、他の家族が入ってるって線もあるだろ?
しかし。
俺は記憶の糸を手繰り寄せた。
『土曜日はお母さんは仕事、レンはボーイスカウトのキャンプに行ってるから誰も居ないの。気兼ねしないで遊びに来てね』
そんな事を言っていたような気もするが─────
俺は首を振った。
勝手に家に上がり込む訳にはいかないだろ?
もう少ししたら夢野が風呂から出てくる筈だ。
それまで待つしかない。
俺はスマホの時計を見た。
少し早めに来たつもりだったが、待ち合わせの時間ジャストになっていた。
夢野も俺が来るのは知ってる筈なんだからそろそろ出てくるだろう。
俺は少し玄関で待つ事にした。
とりあえず周囲を見回してみる。
テレビとかでよく見るモデルハウスのようなオシャレで生活感のない家だ。
至る所に花や置物が飾られており、いかにも夢野の家らしい可愛らしい印象がした。
南仏風?カフェ風インテリアとでもいうんだろうか?
俺ん家とは大違いな住まいにビビってしまう。
下駄箱の上にはナチュラルウッドのフォトフレームが飾られている。
全ての小物がもうオシャレ過ぎる。
俺は何気なくその写真に視線を移した。
家族写真か?
フォトフレームの中で微笑んでいたのは夢野くるみと弟、その両親だった。
幸せそうな家族の写真。
俺には一生縁のない世界。
少し羨ましく思いながらも俺は意識を水音に向けた。
シャワーの音は止まない。
風呂にしてはタイミングがおかし過ぎる?
まさかとは思うが。
俺のこと、風呂で待ってるとかそんな事はないよな?
心臓がドクリと音を立てる。
いやいやいや……
俺は首を振った。
考えすぎだっての。
夢野はそんなキャラじゃねぇし、俺だってそうだ。
だが。
再三の呼びかけにも応答がなく、誰も出てこない。
こういう場合ってどうすりゃいいんだ?
「おーい!夢野?」
俺だけど、と強めのトーンで声を掛けるがやはり応答はない。
来いって事なのか?
マジでそう思ってる?
嘘だろ?
そんな馬鹿な。
俺は自問自答しつつも玄関で靴を脱いだ。
「おーい。夢野?お邪魔させてもらうぜー?」
声を掛けながら廊下を歩く。
廊下の先にはキッチンがあり、テーブルには小麦粉や卵、缶切りで開けたばかりの桃缶が置いてあった。
なんだ、ちゃんと準備しててくれてるんじゃん。
少しホッとした俺は夢野に声を掛ける。
「夢野ー?何処に居るんだよ?」
何かこぼしたりしたのか?と言いながら歩いていく。
聞こえる水音が大きくなっていく。
俺はバスルームの前で足を止めた。
夢野はここに居るのか?
「なあ、夢野、いい加減返事してくれよ」
俺の呼びかけに応答はなかった。
焦らされてる?
やっぱり揶揄われてるのか?
どうすればいいか分からず、俺はドアをノックした。
「なあ夢野?」
俺がこの時間にここに来ることって知ってた訳じゃん?
じゃあもうコレって“開けろ”って意味なのか?
いいのか?
本当にそれでいいのか?
グルグルと自問自答しつつ俺はバスルームのドアに手を掛けた。
脱衣所に足を踏み入れる。
その向こう、すりガラスの中の浴室に人影は見えない。
え?
無人?
シャワー浴びてるんじゃねぇのか?
俺は恐る恐る浴室のドアを開けた。
どうなってんの?
悪質なドッキリ?
童貞の俺の純情を弄んでるのか?
「………夢……野?」
目に飛び込んで来たのは予想外の光景だった。
バスタブの中、服を着たまま横たわる人物。
浴室内は真っ赤に染まっていた。
は?
嘘だろ?
俺は動揺を隠せずに居た。
待て待て、他の家族が入ってるって線もあるだろ?
しかし。
俺は記憶の糸を手繰り寄せた。
『土曜日はお母さんは仕事、レンはボーイスカウトのキャンプに行ってるから誰も居ないの。気兼ねしないで遊びに来てね』
そんな事を言っていたような気もするが─────
俺は首を振った。
勝手に家に上がり込む訳にはいかないだろ?
もう少ししたら夢野が風呂から出てくる筈だ。
それまで待つしかない。
俺はスマホの時計を見た。
少し早めに来たつもりだったが、待ち合わせの時間ジャストになっていた。
夢野も俺が来るのは知ってる筈なんだからそろそろ出てくるだろう。
俺は少し玄関で待つ事にした。
とりあえず周囲を見回してみる。
テレビとかでよく見るモデルハウスのようなオシャレで生活感のない家だ。
至る所に花や置物が飾られており、いかにも夢野の家らしい可愛らしい印象がした。
南仏風?カフェ風インテリアとでもいうんだろうか?
俺ん家とは大違いな住まいにビビってしまう。
下駄箱の上にはナチュラルウッドのフォトフレームが飾られている。
全ての小物がもうオシャレ過ぎる。
俺は何気なくその写真に視線を移した。
家族写真か?
フォトフレームの中で微笑んでいたのは夢野くるみと弟、その両親だった。
幸せそうな家族の写真。
俺には一生縁のない世界。
少し羨ましく思いながらも俺は意識を水音に向けた。
シャワーの音は止まない。
風呂にしてはタイミングがおかし過ぎる?
まさかとは思うが。
俺のこと、風呂で待ってるとかそんな事はないよな?
心臓がドクリと音を立てる。
いやいやいや……
俺は首を振った。
考えすぎだっての。
夢野はそんなキャラじゃねぇし、俺だってそうだ。
だが。
再三の呼びかけにも応答がなく、誰も出てこない。
こういう場合ってどうすりゃいいんだ?
「おーい!夢野?」
俺だけど、と強めのトーンで声を掛けるがやはり応答はない。
来いって事なのか?
マジでそう思ってる?
嘘だろ?
そんな馬鹿な。
俺は自問自答しつつも玄関で靴を脱いだ。
「おーい。夢野?お邪魔させてもらうぜー?」
声を掛けながら廊下を歩く。
廊下の先にはキッチンがあり、テーブルには小麦粉や卵、缶切りで開けたばかりの桃缶が置いてあった。
なんだ、ちゃんと準備しててくれてるんじゃん。
少しホッとした俺は夢野に声を掛ける。
「夢野ー?何処に居るんだよ?」
何かこぼしたりしたのか?と言いながら歩いていく。
聞こえる水音が大きくなっていく。
俺はバスルームの前で足を止めた。
夢野はここに居るのか?
「なあ、夢野、いい加減返事してくれよ」
俺の呼びかけに応答はなかった。
焦らされてる?
やっぱり揶揄われてるのか?
どうすればいいか分からず、俺はドアをノックした。
「なあ夢野?」
俺がこの時間にここに来ることって知ってた訳じゃん?
じゃあもうコレって“開けろ”って意味なのか?
いいのか?
本当にそれでいいのか?
グルグルと自問自答しつつ俺はバスルームのドアに手を掛けた。
脱衣所に足を踏み入れる。
その向こう、すりガラスの中の浴室に人影は見えない。
え?
無人?
シャワー浴びてるんじゃねぇのか?
俺は恐る恐る浴室のドアを開けた。
どうなってんの?
悪質なドッキリ?
童貞の俺の純情を弄んでるのか?
「………夢……野?」
目に飛び込んで来たのは予想外の光景だった。
バスタブの中、服を着たまま横たわる人物。
浴室内は真っ赤に染まっていた。
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