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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 裏校則
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「ウチの学校、ここまでスラム街みたいな最悪な治安だったか?」
意味がわからなさ過ぎて俺は首を傾げた。
男子ならまだわかる気がするんだ。
でも女子だろ?
3年女子が2年女子から5000円カツアゲ?
俺が知らなかっただけで女子ってこういうのザラなのか?
夢野が狙われた理由も見当も付かなかった。
俺の様子を見た上野が相槌を打った。
「ま、そうだよね。佐藤っちがヘンだって疑うのもわかるし?」
そこでハナシはソックスに戻るんだけどね、と上野は溜息をついた。
「ソックス?なんでまたソックスなんだよ?」
ソックスと5000円。
意味がわからない。
どんな関係があるってんだ?
「佐藤っちさ、ウチの学校の校則って覚えてる?」
生徒手帳のさ、服装の欄に書いてあるんだけど見たことない?と上野はやや躊躇いがちに言葉を発する。
「俺のナリを見りゃわかんだろ?そんなん一回も見たことねぇし」
「ま、佐藤っちは校則とか守る気ゼロだもんねぇ。聞いたあーしがバカだったわ」
上野は大きく頷いた。なら最初から聞かんでくれ。
「女子の制服についてなんだけどね。『ソックスは黒・紺・白のいずれか、無地又は刺繍のワンポイントのみ可とする』って項目があるんだけど」
俺は上野の足元を見た。
ゆったりとした緩めの白のソックス。ルーズソックスっていうやつなんだろうか?
「ね。あーしのコレ、白っしょ?」
上野は俺に見せつけるようにやや脚を持ち上げて見せる。
「まあ、そうだな。上野も一応校則は守ってるってコトか」
俺は頷いた。
「それがさ、校則ではこうなってるけど、それだけじゃないんだよね」
上野がやや声のトーンを落として呟いた。
なんだ?他になんかあんのか?
「実はさ、明文化はされてないんだけど[1・2年生は白と紺のソックスしか履いちゃダメ、黒を履いていいのは3年だけ]みたいな裏校則みたいなルールがあってさ」
「裏校則?」
上野は頷いた。
「なんて言うんだろうね?暗黙の了解っていうか、謎マナー的なルールって言うか?」
「妙なルールだな。ソックスだろうがパンツだろうが好きな色のモン履けばいいだろうがよ」
奇妙な話だとしか思えなかった。
「ま、でもそれで穏やかに学校生活を送れるんだったらそうした方がいいじゃん?わざわざ波風立たせる事もないっしょ?」
上野は自分の長い髪の毛をくるくると指で弄びながら言った。
「だからあーし、彼女に忠告したんだよね。『そういうの、(裏校則違反)やめたら?』ってさ」
でも余計なお世話だったんだろうね。彼女が佐藤っちにそう話したって事はさ、と上野はさらに大きく溜息をついた。
上野が忠告?
イジメじゃなかったってことか?
3年に目を付けられるからか?
俺は夢野の肉感的な脚を思い出した。
確かに、夢野は黒のソックスを履いてたな──
じゃあ何か?
裏校則を知らない夢野は黒いソックスを履いていた。
裏校則を知っている上野は危険を察知して良かれと思って親切で夢野に忠告をした?
夢野はその忠告をイジメ・悪意のあるものと捉えて取り合わなかったが、結果的に3年女子に目を付けられる事になった……?
上野綾の発言と夢野くるみの発言の間で食い違っているのはそこなのか?
そうだとしたら整合性は取れるが──
意味がわからなさ過ぎて俺は首を傾げた。
男子ならまだわかる気がするんだ。
でも女子だろ?
3年女子が2年女子から5000円カツアゲ?
俺が知らなかっただけで女子ってこういうのザラなのか?
夢野が狙われた理由も見当も付かなかった。
俺の様子を見た上野が相槌を打った。
「ま、そうだよね。佐藤っちがヘンだって疑うのもわかるし?」
そこでハナシはソックスに戻るんだけどね、と上野は溜息をついた。
「ソックス?なんでまたソックスなんだよ?」
ソックスと5000円。
意味がわからない。
どんな関係があるってんだ?
「佐藤っちさ、ウチの学校の校則って覚えてる?」
生徒手帳のさ、服装の欄に書いてあるんだけど見たことない?と上野はやや躊躇いがちに言葉を発する。
「俺のナリを見りゃわかんだろ?そんなん一回も見たことねぇし」
「ま、佐藤っちは校則とか守る気ゼロだもんねぇ。聞いたあーしがバカだったわ」
上野は大きく頷いた。なら最初から聞かんでくれ。
「女子の制服についてなんだけどね。『ソックスは黒・紺・白のいずれか、無地又は刺繍のワンポイントのみ可とする』って項目があるんだけど」
俺は上野の足元を見た。
ゆったりとした緩めの白のソックス。ルーズソックスっていうやつなんだろうか?
「ね。あーしのコレ、白っしょ?」
上野は俺に見せつけるようにやや脚を持ち上げて見せる。
「まあ、そうだな。上野も一応校則は守ってるってコトか」
俺は頷いた。
「それがさ、校則ではこうなってるけど、それだけじゃないんだよね」
上野がやや声のトーンを落として呟いた。
なんだ?他になんかあんのか?
「実はさ、明文化はされてないんだけど[1・2年生は白と紺のソックスしか履いちゃダメ、黒を履いていいのは3年だけ]みたいな裏校則みたいなルールがあってさ」
「裏校則?」
上野は頷いた。
「なんて言うんだろうね?暗黙の了解っていうか、謎マナー的なルールって言うか?」
「妙なルールだな。ソックスだろうがパンツだろうが好きな色のモン履けばいいだろうがよ」
奇妙な話だとしか思えなかった。
「ま、でもそれで穏やかに学校生活を送れるんだったらそうした方がいいじゃん?わざわざ波風立たせる事もないっしょ?」
上野は自分の長い髪の毛をくるくると指で弄びながら言った。
「だからあーし、彼女に忠告したんだよね。『そういうの、(裏校則違反)やめたら?』ってさ」
でも余計なお世話だったんだろうね。彼女が佐藤っちにそう話したって事はさ、と上野はさらに大きく溜息をついた。
上野が忠告?
イジメじゃなかったってことか?
3年に目を付けられるからか?
俺は夢野の肉感的な脚を思い出した。
確かに、夢野は黒のソックスを履いてたな──
じゃあ何か?
裏校則を知らない夢野は黒いソックスを履いていた。
裏校則を知っている上野は危険を察知して良かれと思って親切で夢野に忠告をした?
夢野はその忠告をイジメ・悪意のあるものと捉えて取り合わなかったが、結果的に3年女子に目を付けられる事になった……?
上野綾の発言と夢野くるみの発言の間で食い違っているのはそこなのか?
そうだとしたら整合性は取れるが──
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