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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 甘い香り
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俺たちはゆっくりと河川敷の道を歩き、スーパーへ向かって行く。
俺の心配を他所に、夢野くるみの足取りは軽かった。
この娘が死にたがっているなんて到底信じられない。
無邪気な微笑を浮かべる夢野の様子は平穏そのものに思えた。
夢野が歩くたびにスカートの裾のフリルがふわりと揺れる。
俺には母親もいないし、姉や妹も居ない。
もちろん彼女だって居ない。
(おそらく前回の諸星キクコは彼女にはカウントされないだろう)
だから、こんなふわふわした服を着ている女子と接するなんて初めてだった。
学校では制服だからな。
隣で歩く夢野の髪からはほのかに甘い香りが漂う。
夢野は“女の子らしい女の子”って感じがした。
夢野は俺が黙りこくっているのを不思議そうにしている。
「どうしたの?佐藤君。お腹空いたの?」
いや、そうじゃなくて、と俺は慌てて首を振る。
こんな時になんて言ったらいいのかわからない。
「そういやさ、夢野って学校では水森と仲良いのか?」
俺は咄嗟に適当な質問をする。
夢野がビルの屋上から転落したあの日。
副担任の小泉よりも早く病院に到着していた水森唯。
─────クラス内でも頻繁に一緒に居るのを見かけた気もするが。
俺が水森の名前を出した途端、夢野の顔がサッと曇った。
「…………唯ちゃんね」
どうかしたのだろうか。
んー、どうだろうね、と夢野は苦笑いを浮かべた。
夢野は水森と仲がいいんじゃなかったのか?
まさかとは思うが。
なんとなく浮かんだ嫌な予感に俺の身体は少し強張る。
あの時、いち早く駆けつけていた水森─────
屋上からの落下に関係しているって事は無いよな……?
─────自らの意思での飛び降りなのか、それとも。
時折、小さな子供のようにぴょんぴょんと飛び跳ねている夢野の背中を見ながら俺は思案する。
やっぱり、俺にはこの娘が自分からビルの屋上から飛び降りるなんてとても考えられなかった。
だとしたら。
これはイジメなんて問題なんかじゃないのかもしれない。
もし何らかの強要があったのだとしたら。
それは殺人って言わないか?
俺の心配を他所に、夢野くるみの足取りは軽かった。
この娘が死にたがっているなんて到底信じられない。
無邪気な微笑を浮かべる夢野の様子は平穏そのものに思えた。
夢野が歩くたびにスカートの裾のフリルがふわりと揺れる。
俺には母親もいないし、姉や妹も居ない。
もちろん彼女だって居ない。
(おそらく前回の諸星キクコは彼女にはカウントされないだろう)
だから、こんなふわふわした服を着ている女子と接するなんて初めてだった。
学校では制服だからな。
隣で歩く夢野の髪からはほのかに甘い香りが漂う。
夢野は“女の子らしい女の子”って感じがした。
夢野は俺が黙りこくっているのを不思議そうにしている。
「どうしたの?佐藤君。お腹空いたの?」
いや、そうじゃなくて、と俺は慌てて首を振る。
こんな時になんて言ったらいいのかわからない。
「そういやさ、夢野って学校では水森と仲良いのか?」
俺は咄嗟に適当な質問をする。
夢野がビルの屋上から転落したあの日。
副担任の小泉よりも早く病院に到着していた水森唯。
─────クラス内でも頻繁に一緒に居るのを見かけた気もするが。
俺が水森の名前を出した途端、夢野の顔がサッと曇った。
「…………唯ちゃんね」
どうかしたのだろうか。
んー、どうだろうね、と夢野は苦笑いを浮かべた。
夢野は水森と仲がいいんじゃなかったのか?
まさかとは思うが。
なんとなく浮かんだ嫌な予感に俺の身体は少し強張る。
あの時、いち早く駆けつけていた水森─────
屋上からの落下に関係しているって事は無いよな……?
─────自らの意思での飛び降りなのか、それとも。
時折、小さな子供のようにぴょんぴょんと飛び跳ねている夢野の背中を見ながら俺は思案する。
やっぱり、俺にはこの娘が自分からビルの屋上から飛び降りるなんてとても考えられなかった。
だとしたら。
これはイジメなんて問題なんかじゃないのかもしれない。
もし何らかの強要があったのだとしたら。
それは殺人って言わないか?
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