[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

SPD

文字の大きさ
238 / 1,153
ep5.

ep5. 『死と処女(おとめ)』 甘酸っぱいジャム

しおりを挟む
俺は花園邸の門の横のインターホンのボタンを押した。

佐藤ですが、と伝えると『どうぞ』の声と共にガチャリと門が開いた。

花園リセには予め連絡しておいたからか、いつもとは違う順路で屋敷内をお手伝いさんに案内される。

周囲はすっかり暗くなっていた。

もうこんな時間だもんな。

普通なら訪問するならやや非常識な時間帯になっているのかもしれない。

周囲の目があるからか、俺は花園リセの自室にひっそりと通された。

佐藤さん、と相変わらずの柔らかい笑顔で御令嬢は俺を迎えてくれた。

なんて言ったらいいんだろう。

「悪ィ、こんな時間に急に押し掛けて来て……」

俺はそう言うので精一杯だった。

いいえ、と花園リセは静かに首を振る。

「訪ねて来て下さって嬉しいですわ」

お茶でも淹れますわね、と御令嬢自らティーセットの準備を始める。

やっぱり綺麗だな………

俺は花園リセの横顔に見とれた。

こんなに綺麗で慈愛に満ちた聖女みたいな女性がなんで俺なんかに構ってくれるんだろう。

俺は御令嬢に促されるまま椅子に腰掛ける。

目の前に暖かい紅茶が置かれる。

「本日はザッハトルテが用意出来ましたから……お紅茶はウバにしてみましたのよ」

お口に合うとよろしいのですけど、と御令嬢は優雅に微笑んだ。

目の前に置かれたツルンと光沢のあるチョコレートケーキはいかにも高級そうで、俺が初めて目にするものだった。

「えっと……じゃあ……いただきます……」

どう話を切り出していいかわからない俺はとりあえず勧められたチョコレートケーキを一口、食べてみる。

えっ何これ!?

めっちゃ美味いんですけど。

チョコレートが濃厚でひたすら甘いけど、中にジャムっぽいものが塗られている?アクセントがまた意外だった。

ツルンとしたフォルムからは想像も出来ない凝縮された甘さと、紅茶のスッキリした感じがピッタリだった。

こういう組み合わせもあるのか。

チョコはめちゃくちゃ甘いのに、この組み合わせだと無限に食べられる。

俺は関心しながらケーキを無心に口に運んだ。

ひたすら食ってる俺を見つめながら、花園リセはニコニコと微笑んでいた。

「気に入って頂けたようで嬉しいですわ」

「あ、いや悪ィ、めっちゃ美味いからつい無言で食ってたわ」

いやいやいや………

何しに来たんだよ俺は。

食いに来たのはザッハトルテじゃねぇだろ。別のモンだろ。

俺は言葉を詰まらせる。

ここに来たのはいいが、全くのノープランだった事に気付く。

さっきの小泉との時よりさらに難易度が高いじゃねぇか。

「それより……本日はどうなさったのですか?」

何かお困りごとでも、と花園リセが不思議そうに俺に尋ねる。

そうだよ、確かに困りごとなんだよな。

いや、めっちゃ困ってるしなんなら人が死にそうでもある。

俺は頭を抱えた。どうオブラードに包んだとしても無理がありすぎる。







“今からアンタを抱きたいんだけど”なんて言えるわけねぇだろ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

処理中です...