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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 “他の女”
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俺はドラッグストアとは逆方向に向かって歩いていた。
何が正しくて何が間違ってるかなんてわからない。
でも、今の俺にはどうしようもない事のように思えた。
同じクラスの女子、夢野くるみ。
この女子の消えそうな生命を救う為に副担任である小泉は俺にその身体と純潔を差し出して来た。
知ってるよ、小泉がそういうヤツだって事は。
けど、俺だってイロイロあるんだよ。
コンディションとか諸々さ、女だけじゃねぇんだよ。
男の側にも都合ってあるんだよな。
まあぶっちゃけるとこの状況だとイロイロと厳しいんだよ。
要するに、だ。
出来ねぇんだよ。
出来るわけねぇだろ。
俺には無理なんだよ。
今の俺には死人みたいな身体の女を抱くなんて出来ないんだ。
多分、無理矢理ヤろうとしても出来ないと思う。
結局の所、完遂しないと呪いが発現しねぇからな。
最悪の状況を避けるって意味じゃ正しいだろ?
でも。
だからってこのまま放っておくって選択も出来ねぇんだな。
夢野を救おうとしている小泉を救う為に別の誰かを利用する。
考えてみたら一番下衆なのは俺だよな。
でもそれでいい。
時間が戻れば記憶も消えるだろ?
だったらこうするしかねぇじゃねぇか。
俺の足は、自然に花園邸の方向に向かっていた。
『あの出来事』以来、花園リセとはいい距離感の間柄だった。
一週間に一度だけ、学校帰りに少し顔を出す。
お茶やお菓子をご馳走になって他愛無い話をしている。
俺と花園リセはそんな不思議な関係だった。
もう二度と会わないなんて思ってたのに、どうしてもこうなっちまうんだ。
花園リセが……この御令嬢が俺と子猫のマサムネに愛情を注いでくれているのは自分でも理解していた。
俺のことも信頼してくれてるんだろうなっていうのが言葉の端々や立ち居振る舞いからもなんとなく窺い知れた。
俺は今からその信頼を自分からぶっ壊しに行くんだ。
最低だな。
でもそれでいい。
街中にいるそこらの女を襲ったとしても結果は変わらない。
確かにそうなんだろうけど。
俺のことを受け入れてくれそうな相手ってのがこの花園リセしか思い浮かばなかったんだ。
我ながら最低だよな。神様、俺にバチでもなんでも当ててくれよ。覚悟はしてるんだぜ。これでもさ。
何が正しくて何が間違ってるかなんてわからない。
でも、今の俺にはどうしようもない事のように思えた。
同じクラスの女子、夢野くるみ。
この女子の消えそうな生命を救う為に副担任である小泉は俺にその身体と純潔を差し出して来た。
知ってるよ、小泉がそういうヤツだって事は。
けど、俺だってイロイロあるんだよ。
コンディションとか諸々さ、女だけじゃねぇんだよ。
男の側にも都合ってあるんだよな。
まあぶっちゃけるとこの状況だとイロイロと厳しいんだよ。
要するに、だ。
出来ねぇんだよ。
出来るわけねぇだろ。
俺には無理なんだよ。
今の俺には死人みたいな身体の女を抱くなんて出来ないんだ。
多分、無理矢理ヤろうとしても出来ないと思う。
結局の所、完遂しないと呪いが発現しねぇからな。
最悪の状況を避けるって意味じゃ正しいだろ?
でも。
だからってこのまま放っておくって選択も出来ねぇんだな。
夢野を救おうとしている小泉を救う為に別の誰かを利用する。
考えてみたら一番下衆なのは俺だよな。
でもそれでいい。
時間が戻れば記憶も消えるだろ?
だったらこうするしかねぇじゃねぇか。
俺の足は、自然に花園邸の方向に向かっていた。
『あの出来事』以来、花園リセとはいい距離感の間柄だった。
一週間に一度だけ、学校帰りに少し顔を出す。
お茶やお菓子をご馳走になって他愛無い話をしている。
俺と花園リセはそんな不思議な関係だった。
もう二度と会わないなんて思ってたのに、どうしてもこうなっちまうんだ。
花園リセが……この御令嬢が俺と子猫のマサムネに愛情を注いでくれているのは自分でも理解していた。
俺のことも信頼してくれてるんだろうなっていうのが言葉の端々や立ち居振る舞いからもなんとなく窺い知れた。
俺は今からその信頼を自分からぶっ壊しに行くんだ。
最低だな。
でもそれでいい。
街中にいるそこらの女を襲ったとしても結果は変わらない。
確かにそうなんだろうけど。
俺のことを受け入れてくれそうな相手ってのがこの花園リセしか思い浮かばなかったんだ。
我ながら最低だよな。神様、俺にバチでもなんでも当ててくれよ。覚悟はしてるんだぜ。これでもさ。
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