[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep.4.

ep4. 「暴かれた世界」 セックスしたら出られる部屋 その④

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俺は小泉の着物の襟の部分を掴む。

もう全部脱がせてる余裕はなかった。

とにかく着てるモノを剥がしていくより他ない。

小泉が俺の腕を掴んで抵抗する。

双方がお互いの腕や身体を掴んで睨み合っている状態だった。

なんだこれは?

俺たちは何をやってるんだ?

それはさながら柔道の試合のようだった。

いやいやいや。

こっからどうやって寝技に持ち込むんだよ?

力を緩める気が全くしない、手負いの獣のような小泉の様子に俺も動揺する。

は?そこまでか?

そんなに俺が嫌なのかよ。

死を目前にしてもなお、俺にはヤられたくねぇって?

どんだけ嫌われてるんだよ俺は。

男としての自信だのプライドだのの類が木っ端微塵になったような気がした。

小泉は俺の肩を掴み、全身の力を込めて抵抗している。

不意に俺の視界がグラリと揺れた。

脳震盪を起こしたような衝撃が走る。

気付けば、俺は地面に背中を付けていた。

「え?」

小泉に足払いを掛けられた俺は見事にダウンを奪われていた。

ていうか、俺が押し倒されてどうすんだよ?

普通は逆だろうがよ?

小泉は勝ち誇ったような目で俺を見ている。

マジでこれ、どういう状況だよ?

やっぱ可哀想だと思って多少手加減してやってたのにふざけやがって。クソが!

俺は起き上がりざまに小泉の身体を力任せに壁へ打ち付ける。

小泉の肩に強めの力を込めて壁に押し当てた。

今度は逃げられないように全体重を掛ける。

「なあ、俺のコト舐めてんの?」

全力で行ったらセンセェの力じゃどうにもなんねぇだろ?と俺は小泉を睨みつけた。

「舐めるのも舐められるのもどっちもお断りだ」

小泉は不敵な笑みを浮かべる。

意味がわからない。

この状況で尚もそんな強気な台詞を吐ける小泉の精神状態が心底理解できなかった。

「おい、このままじゃアンタは俺と心中することになるんだぜ?」

なあ?と俺は至近距離で小泉の目を覗き込む。

小泉の瞳に俺の姿が映ってるのが見えた。

こんな体勢でこんな距離、恋人同士だとロマンティックな感じなんだろうな。

だが、今の俺たちは一触即発の殺し合いでも始めかねない状況だった。

お互いに一歩も引かずに睨み合う。

って言うか、今の俺はマジで小泉を◯すか、◯しかねない精神状態だった。

もう頭がおかしくなりそうだった。

このままだと死ぬ局面でさ、死ぬよりマシな選択肢があるのに拒否られてんだぜ?

でも他にどうしようもねぇんだ。俺は再度、小泉の説得を試みる。

「ネットとかでよく見るだろ?『セックスしないと出られない部屋』ってさ。アレと同じじゃねぇか」

マジでアレと同じだろ?

まさかガチで存在してるとか思わねぇじゃん。

ただし、今回の場合は時間制限付きだし、出られないと死ぬっていうハードモードだ。

いや、ハードモードどころじゃねぇな。インフェルノかナイトメアモードじゃねぇか。

少しの間、小泉はポカンとした様子で俺を見つめた後、こう言った。

「それは違うぞ、佐藤」

小泉は首を振る。

「何が違うんだよ?」

「『セックスしないと出られない部屋』はセックスが絶対条件だ。だが、『セックスしたら出られる部屋』の場合はこの限りではない」

セックスしたら出られるとは言っているが、それ以外の方法については言及されてないだろう?と小泉は冷静に自論を展開する。

「じゃあどうしろって言うんだ?何か他の方法があるって言うのか?」

「さあな」

小泉はまたも冷静に言ってのける。

時間は刻一刻と迫っていた。

もう迷っている暇はなかった。

俺は小泉の身体に覆い被さるように密着する。

「もう時間がねぇんだよ!解れよ!?」

小泉は一瞬、動揺したような表情を浮かべたものの、また直ぐに冷めた視線で俺を見つめる。

「断ると言ったはずだ」

なんで解ってくれねぇんだよ小泉は!?

「マジで!スグに済むし?!秒で終わらせるし多分痛くしねぇから!」

必死になった俺は自分でも何を言ってるかよくわからなくなった。

「ほう?秒で終わるのか?本当だな?」

小泉がニヤリと笑ったような気がした。

「いや、秒は言い過ぎた!5分!5分で済むから!」

俺は必死で訂正する。

「5分?本当に開始から終了まで5分で終わるのか?」

全部の工程だぞ?と小泉は確認するように俺を見つめる。

いやいや、工程ってなんだよ。訳わかんねぇよ。何も作ってねぇだろうが。あ、子ども作るのか。そういやそうだな。違う、そうじゃなくて!

またしても俺は全力で訂正する。

「いや……確かに5分は盛り過ぎた……!10分!10分あったら終わるから!」

「どんどん時間が延びてるじゃあないか。本当に10分で終わるのか怪しいものだ」

小泉はわざとらしくため息をついてみせる。

いや、ヤられる気はないのになんでダメ出ししてくるんだよ。





俺と小泉は身体を密着させたまま超至近距離で睨み合っていた。

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