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ep2 .
ep2 . 「訳有り令嬢と秘密の花園」 捨てられた令嬢と婚約破棄
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「こんにちは。佐藤さん」
よう、と俺は何事も無かったように返事を返す。
花園リセは穏やかな微笑みを浮かべている。
ところで佐藤さん、さっき後ろに何か持ってらっしゃいましたか、と彼女はその微笑みを浮かべたまま俺に問いかける。
バレていた。
どうしよう。
俺は咄嗟に誤魔化そうと何か気の利いた事を言うべく思考を巡らせる。
しかし。
何も思い浮かばない。
沈黙がゆっくりと流れる。
どうしよう。どうする?
今更隠すことも学生鞄に押し込むことも出来ない。
観念した俺はさっき買ってきた花を彼女の前に差し出した。
「あの……」
何て説明したらいいかわからない。
花って人にあげるときに何て言えばいい?
どうしよう、なんかやべーやつみたいじゃん俺。勘違いした変な挙動不審な奴みたいじゃんか俺。
俺は気ばかり焦って何も言えなくなった。
まあ、と花園リセが鈴のような声で笑う。
「これをわたくしに?」
俺は黙って頷いた。
なんとも説明が難しかった。
彼女はその白魚のような手で俺から花を受け取る。
嬉しいですわ、と花園リセはその花を愛おしそうに抱きしめるかのようにして微笑んだ。
なんか知らんけど喜んでくれてるみたいだしまあいいか、と俺は少しホッとした。
御令嬢の喜ぶ物なんて俺には想像もつかなかったから悪くないリアクションで本当に助かったと思った。
ふふ、と彼女は微笑みながら俺の顔を見た。
「殿方からお花を頂けるなんて思ってもみませんでしたから……」
意外な言葉だった。
彼女ほどの御令嬢ならたくさんの上流階級の男から花束や宝石を山のようにプレゼントされるのが日常茶飯事、といったイメージだったからだ。
いやいや、リセさんほどの人の所にだったら沢山の男から色んな花でもプレゼントでも山のように届くんだろ?と俺は感じたままに聞いてみた。
いいえ、と花園リセはゆっくりと首を横に振る。
「佐藤さんだけですわ」
わたくしのような人間を気にかけてくださる方は、と彼女は伏目がちに答えた。
「は?そんなハズ無ぇだろ。リセさんほどの容姿端麗で知性も教養もある女をほっとく男なんか居ねぇだろ?」
冗談めかして言ったのは失敗した。
彼女は黙って俯いてしまった。
え、嘘だろ。
ガチなのか?
え。俺、地雷踏んだ?
マジか?
「ねえ、佐藤さん」
花園リセは俺の目を真っ直ぐに見た。
「わたくし……以前に婚約破棄されてしまったことがありますの……」
予想外の斜め上に行く方向性の事実に俺は困惑した。
これほどまでに非の打ちどころの無い御令嬢が婚約破棄された?
嘘だろ?する側でなくてされた側?
よう、と俺は何事も無かったように返事を返す。
花園リセは穏やかな微笑みを浮かべている。
ところで佐藤さん、さっき後ろに何か持ってらっしゃいましたか、と彼女はその微笑みを浮かべたまま俺に問いかける。
バレていた。
どうしよう。
俺は咄嗟に誤魔化そうと何か気の利いた事を言うべく思考を巡らせる。
しかし。
何も思い浮かばない。
沈黙がゆっくりと流れる。
どうしよう。どうする?
今更隠すことも学生鞄に押し込むことも出来ない。
観念した俺はさっき買ってきた花を彼女の前に差し出した。
「あの……」
何て説明したらいいかわからない。
花って人にあげるときに何て言えばいい?
どうしよう、なんかやべーやつみたいじゃん俺。勘違いした変な挙動不審な奴みたいじゃんか俺。
俺は気ばかり焦って何も言えなくなった。
まあ、と花園リセが鈴のような声で笑う。
「これをわたくしに?」
俺は黙って頷いた。
なんとも説明が難しかった。
彼女はその白魚のような手で俺から花を受け取る。
嬉しいですわ、と花園リセはその花を愛おしそうに抱きしめるかのようにして微笑んだ。
なんか知らんけど喜んでくれてるみたいだしまあいいか、と俺は少しホッとした。
御令嬢の喜ぶ物なんて俺には想像もつかなかったから悪くないリアクションで本当に助かったと思った。
ふふ、と彼女は微笑みながら俺の顔を見た。
「殿方からお花を頂けるなんて思ってもみませんでしたから……」
意外な言葉だった。
彼女ほどの御令嬢ならたくさんの上流階級の男から花束や宝石を山のようにプレゼントされるのが日常茶飯事、といったイメージだったからだ。
いやいや、リセさんほどの人の所にだったら沢山の男から色んな花でもプレゼントでも山のように届くんだろ?と俺は感じたままに聞いてみた。
いいえ、と花園リセはゆっくりと首を横に振る。
「佐藤さんだけですわ」
わたくしのような人間を気にかけてくださる方は、と彼女は伏目がちに答えた。
「は?そんなハズ無ぇだろ。リセさんほどの容姿端麗で知性も教養もある女をほっとく男なんか居ねぇだろ?」
冗談めかして言ったのは失敗した。
彼女は黙って俯いてしまった。
え、嘘だろ。
ガチなのか?
え。俺、地雷踏んだ?
マジか?
「ねえ、佐藤さん」
花園リセは俺の目を真っ直ぐに見た。
「わたくし……以前に婚約破棄されてしまったことがありますの……」
予想外の斜め上に行く方向性の事実に俺は困惑した。
これほどまでに非の打ちどころの無い御令嬢が婚約破棄された?
嘘だろ?する側でなくてされた側?
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