78 / 1,153
ep1.
ep1.「呪いの宣告」 女教師に寝込みを襲われる
しおりを挟む
とは言え、と小泉は視線を畳に落とした。
「後の話は体調が戻って落ち着いてからにしよう。まずは何か食べて薬を飲まないとな」
小泉は台所から鍋を持って来た。ちゃぶ台の上には薬局の紙袋が置いてある。市販薬を買ってきてくれたんだろうか。
「悪いが勝手に台所を使わせて貰ったぞ」
小泉はそう言うと鍋から何かを茶碗によそった。
粥か何かだろうか。小泉は匙でそれを掬うと俺の口元に運ぶ。
それを一口食べた俺の身体は頭より早く拒絶反応を起こしていた。ぎゃあ、という自分自身の悲鳴で俺は我に返った。
「!?」
焦げている。苦い。そして硬い。塩の塊だ。白粥のようだが見たことのない色を放っている。
「なんだ。不味かったか?」
小泉は不思議そうな顔で俺を見ていた。待て待て待て、どうやったらこんな出来上がりになるんだ?
「粥を作ろうと思ったんだがそこまで酷いか?大袈裟な奴だな」
小首を傾げる小泉が憎たらしく思えた。
お前は病人にトドメを刺しに来た刺客なのか?俺はどうやってコレを錬成したか小泉を問い詰めた。
「どうやってって…鍋に米と水を入れて強火で煮て…あとは塩を入れただけだぞ?変な物は入ってないだろう?」
恐らく土俵入りの力士ばりに大量の塩を掴んで入れたんだろう。
この世の物とは思えない味がした。鍋の底は焦げていた。誰が後片付けをすると思ってるんだろう。
「こういう時はレトルトの粥とか買ってきてよセンセェ……ドラッグストア行ったら売ってたろ」
レトルトじゃ味気ないと思ってな、すまんすまん、と小泉は悪びれずに言う。
小泉に手渡されたスポーツドリンクと市販薬を飲んだ俺は再び布団に横になった。
「センセェ、明日も学校だろ?俺はいいからもう帰れよ」
冷蔵庫にあと何本かスポーツドリンクとゼリーが入っているらしいので薬を飲んだら後はもう自力で治せそうな気がした。
他人が居ると落ち着いて眠れないので早く帰って欲しかったのだが、小泉はなかなか帰らない。何か難しそうな顔をして部屋を見回している。
「お察しの通り俺は親も居ないし一人で暮らしてる。足りない生活費は紹介して貰った簡単なバイト代で穴埋めしてる。コレで満足か?」
俺はヤケクソ気味に吐き捨てた。これ以上俺の何を知りたいって言うんだ。
小泉はふと立ち上がると神棚に供えてある一枚の札を指さした。
「なあ佐藤。このお札ってどうしたんだ?」
「知らん。最初からそこにあった。死んだ爺さんがそこに置いたんじゃねぇの」
どうでもいいから早く帰ってくんねぇかな。俺は若干イライラしていた。病人宅で長居するもんじゃねぇだろ。見舞いは手短にが原則だろうが。
「この札……」
小泉は神棚に近付いてまじまじと観察している。もう勝手にしろ。
俺は布団を頭から被って眠ることにした。家探しでもなんでも好きにするがいい。どうせこの家には金目のものなんてねぇんだし。
どれくらい時間が経ったろうか。薬の副作用か少しうとうととしていた俺は不意に目を覚ました。
掛け布団が引っ剥がされ、俺のズボンに手を掛けている小泉が目に飛び込んできた。
「!?」
俺は声にならない悲鳴を上げた。
「……逆レ…!」
俺の口を小泉の手が塞ぐ。
「静かにしろ。誤解するな。そうじゃない」
「後の話は体調が戻って落ち着いてからにしよう。まずは何か食べて薬を飲まないとな」
小泉は台所から鍋を持って来た。ちゃぶ台の上には薬局の紙袋が置いてある。市販薬を買ってきてくれたんだろうか。
「悪いが勝手に台所を使わせて貰ったぞ」
小泉はそう言うと鍋から何かを茶碗によそった。
粥か何かだろうか。小泉は匙でそれを掬うと俺の口元に運ぶ。
それを一口食べた俺の身体は頭より早く拒絶反応を起こしていた。ぎゃあ、という自分自身の悲鳴で俺は我に返った。
「!?」
焦げている。苦い。そして硬い。塩の塊だ。白粥のようだが見たことのない色を放っている。
「なんだ。不味かったか?」
小泉は不思議そうな顔で俺を見ていた。待て待て待て、どうやったらこんな出来上がりになるんだ?
「粥を作ろうと思ったんだがそこまで酷いか?大袈裟な奴だな」
小首を傾げる小泉が憎たらしく思えた。
お前は病人にトドメを刺しに来た刺客なのか?俺はどうやってコレを錬成したか小泉を問い詰めた。
「どうやってって…鍋に米と水を入れて強火で煮て…あとは塩を入れただけだぞ?変な物は入ってないだろう?」
恐らく土俵入りの力士ばりに大量の塩を掴んで入れたんだろう。
この世の物とは思えない味がした。鍋の底は焦げていた。誰が後片付けをすると思ってるんだろう。
「こういう時はレトルトの粥とか買ってきてよセンセェ……ドラッグストア行ったら売ってたろ」
レトルトじゃ味気ないと思ってな、すまんすまん、と小泉は悪びれずに言う。
小泉に手渡されたスポーツドリンクと市販薬を飲んだ俺は再び布団に横になった。
「センセェ、明日も学校だろ?俺はいいからもう帰れよ」
冷蔵庫にあと何本かスポーツドリンクとゼリーが入っているらしいので薬を飲んだら後はもう自力で治せそうな気がした。
他人が居ると落ち着いて眠れないので早く帰って欲しかったのだが、小泉はなかなか帰らない。何か難しそうな顔をして部屋を見回している。
「お察しの通り俺は親も居ないし一人で暮らしてる。足りない生活費は紹介して貰った簡単なバイト代で穴埋めしてる。コレで満足か?」
俺はヤケクソ気味に吐き捨てた。これ以上俺の何を知りたいって言うんだ。
小泉はふと立ち上がると神棚に供えてある一枚の札を指さした。
「なあ佐藤。このお札ってどうしたんだ?」
「知らん。最初からそこにあった。死んだ爺さんがそこに置いたんじゃねぇの」
どうでもいいから早く帰ってくんねぇかな。俺は若干イライラしていた。病人宅で長居するもんじゃねぇだろ。見舞いは手短にが原則だろうが。
「この札……」
小泉は神棚に近付いてまじまじと観察している。もう勝手にしろ。
俺は布団を頭から被って眠ることにした。家探しでもなんでも好きにするがいい。どうせこの家には金目のものなんてねぇんだし。
どれくらい時間が経ったろうか。薬の副作用か少しうとうととしていた俺は不意に目を覚ました。
掛け布団が引っ剥がされ、俺のズボンに手を掛けている小泉が目に飛び込んできた。
「!?」
俺は声にならない悲鳴を上げた。
「……逆レ…!」
俺の口を小泉の手が塞ぐ。
「静かにしろ。誤解するな。そうじゃない」
0
あなたにおすすめの小説
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる